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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第一章 人生は、急激に。
15/59

13 ☆  ーβ γ δ

 さあ、元気出して行きましょう。




 ◇◆◇◆◇◆




 体がだるいよ?

 熱は無いだろうけどね。

 う〜〜〜〜ん〜?

 まあ、学校行こうか。

 昨日休んじゃったし。


 朝ごはん食って、リュック背負って、行ってきます。




 ◇◆◇◆◇◆




 「おい、姫野。昨日何で休んだ?」

 「寝坊しました。」

 「何時に起きた?」

 「えっと、2時ごろ?」

 「……じゃあ仕方がないなっ!――――って寝坊すんなっ!」

 ペッペッと唾を飛ばす。

 いやーん。

 頭に降り掛かるぅ〜。

 「はい、わかりました。(棒読み)」

 「うん。その心意気だ。二度とするなよ。」




 ◇◆◇◆◇◆




 いえーい!

 今日は忘れ物ナッシング〜!




 ◇◆◇◆◇◆




 かぐや姫こと乃子ちゃんは今日も綺麗だ。

 男たちを魅了してる。

 すごいなあ。




 ◇◆◇◆◇◆




 …………む。

 だるいよ?

 頭痛い?

 「先生、頭が痛いです。」

 「じゃあ、保健室行って来い。」

 「はーい。」

 ガラガラ〜とドアを閉める。

 そのまま、階段まで歩く。

 イエイ!

 サボり成功!

 実はあの冒頭のあれもウソだったのだ!

 全ては今サボるため―――。

 そんな5時限目の企て。



 ◇◆◇◆◇◆




 はい。

 そんなこんなで1日が終わりました。

 1日でそんな劇的に変わることなんてないのです。いつもと代わらないそんな1日。

 …光陰、矢の如し。

 …月日は白代の過客なり。

 時をみんな大切にしてないからこんなことを言うんだ――――――――。




 ◇◆◇◆◇◆




 今日は。

 今日は、乃子を誘拐する日。

 言ってなかったけど、ちゃんと海辺野公園に行って来たし。

 あの、缶バッチも学ランに着けて来たし。

 うん。大丈夫…。

 「よーし…。」

 タッシュ(× ダッシュ)で学校に向かいたくなかったけど、向かった。




 ◇◆◇◆◇◆




 放課後、放課後。

 いつ頃、独り?

 いつ頃、誘拐?

 タイミングを図らなきゃ。




 ◇◆◇◆◇◆




 てゆーか、誘拐ってしていいものか?

 わからない。

 分からない。

 ワカラナイ。 ???(・◇・;) ?

 まあ いいや。

 考えるのもめんどくさい。

 僕は言われたことをするまでだ。

 だから。今日の放課後、誘拐をしよう。

 乃子を。




 ◇◆◇◆◇◆




 After School.

 いよいよ、この時がやって来た。

 乃子ちを誘拐する。

 乃子をストークする。

 校門からノンストップで出て、通学路を歩く。

 偶然、乃子が一人になった。

 イェイッ!

 フハハハハ。

 チャンスだ――。

 タタタッと駆け寄って、

 「乃ー子ーちゃん!」

 「…………。」

 誰ですか、貴方は。という眼で見られた。

 無視無視〜!

 「あのさっ、英単語の話なんだけどさっ。」

 「………。」

 話しかけんな、カス。といった眼差し。

 僕がMだったら、屈しちゃうなー。

 でも僕は屈しない!N(Normal)だからっ!

 「r・o・bのrobとl・o・v・eのloveって発音似てるよね。」

 は?という顔。

 フハハハハハ。勝機。

 「じゃあ言うよ。」

 ひとコマ置いて、笑顔で。

 「I rob you.」

 その刹那、乃子をお姫様抱っこで逃走。

  <ルート説明>

 ・近くの建物の屋上にひと蹴りで上がる。

 ・ひと跳びで近くの高い建物(人が居ない)の屋上に舞い降りる。

 ・乃子を縛ってから、海辺野公園に向かう。

 こんな感じ。

 第1段階クリア♪

 よーし、第2段階も…


 膝を屈めて、伸びる勢いで跳ぶ。

 バキッ。

 アレレ? (丿 ̄ο ̄)丿

 何の音?

 ふと見ると、乃子ちが怯えた顔をしてるぞ?

 後ろを見たらその理由が分かった。

 屋上ひび割れとるわ。

 コンクリがだぞ?

 そりゃ怖いわ。

 スーン。

 華麗に着地。

 音も最小限に押さえたっ!

 イヤッホゥ!

 第2段階成功!

 後は第3段階を遂行するまで。

 アレ? (?_?)

 乃子ちが泣いている。

 「何で泣いているの?」

 「……こっちの方が聞きたいわよ。何で貴方は私を此処まで連れて来たのよ?」

 「誘拐だ。」

 「じゃあ、何が目的なのよ?」

 「お金?」

 「えっ?」

 驚かれた。

 「中学生がお金のために誘拐するの?」

 「うん。」

 「親御さんの年収、何円なのよ??」

 「手取りで100万円。」

 「そんだけっ?」

 「うん。」

 「少ないわっ!」

 そう言うと、ブツブツ言い出した。

 「極貧者が……ると、犯罪……こるから…………――うん、分かったわ。」

 「はいっ?」

 「お金あげる。」

 「えっ?」

 「一千万でいいかしら。」

 「いいのか?」

 「はい。私のお小遣いからですもの。それに貴方、気に入りましたわ。」

 「……どういう意味?」

 「I love you. まさしく受け取ったわ。私の心は貴方に誘拐されました。うふっ。」

 「えっ……。」

 「ありがとね。」

 「あっ、どうも……。」

 「じゃあ、甘えていい?真輝君?いや、まー君?」

 腕にしがみつかれた。

 「あっ、誤解してるかもしれないけど。」

 「ん?何?」

 「この力、僕の力じゃないんだ。」

 「いいよ、別に。まー君はまー君なんだから。うふふ。」

 「なっ、何?」

 「明日からみっちりお勉強しなきゃいけませんね。」

 「えー…。」

 「大丈夫。あたしが教えるから。」

 「ありがとう…。」

 「恋人の営みも?ふふっ。」

 ブーーーーーーーッ!

 僕は、唾を周りに撒き散らして眼を丸くするのであった。

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