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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第一章 人生は、急激に。
14/59

12 ☆  ーβ γ δ

 パンポン♪(しばらくお待ち下さい。)




 ◇◆◇◆◇◆




 “新着メール受信”

 “強盗ご苦労様です。得たお金の半分はコンサルタント料として頂きます。お金は郵送で、東京都金山の私書箱182に送って下さい。”




◇◆◇◆◇◆




 読みました。

 送りました。

 6万3千円手元に残りました。

 6万3千円といったら、3DSが4台買えちゃいます。

 凄いお金です。

 高校でアルバイトしてもそんだけのお金は1ヶ月掛かるでしょう。

 だからと言って、お母さんに渡して家計の足しにとは言えません。

 何で得たのか?その質問に答えられる訳ないですよね?

 …このお金、どう使おう?




 ◇◆◇◆◇◆




 “新着メール受信”

 また来たよ。

 “次の仕事を依頼しようと思う。さっきの仕事はいわば最低ランクの仕事だった。でも、今回は最高ランクのSランク仕事だ。キミだからこそできる仕事だから、よろしく。”

 どんな仕事?

 しかも、昨日の今日で仕事?

 “キミには竹村乃子の誘拐をしてもらう。”

 ハ?  (゜ロ゜;?

 “明後日の放課後、乃子は少しだけ1人になる。そのときを狙って誘拐してくれ。誘拐したあとは海辺野公園っていう公園に連れて来てくれ。じゃあ。”

 乃子ちゃんを誘拐!?

 できるのか?

 そもそも、海辺野公園ってどこ?

 遠い?

 海辺って言ってるから、海の方にあるのかな?

 どこにある?

 調べる?

 どうやって?

 地図帳…は載ってるはず無いし。

 お母さん…には聞けるはず無いし。

 友達…には聞いても興味を持たれてダメだし。

 インターネット…は家に通ってないし。

 いや、あるっ!

 その名もケータイ!

 使えるじゃん!

 というか今使ってる!

 十字キーみたいなボタンの真ん中にある決定ボタンを押してインターネットをセレクト。

 インターネットに繋いで、海辺野公園を検索。

 近くにあった。

 チャリで10分ぐらい。

 こんな公園があったんだーとびっくりした。そこは山の中だった。

 海辺って言ってるぐらいだから、海の近くにあるのかと勘違いしてた。

 歩いて20分か。

 走れば、何分かかる?

 一回、行ってみようか。

 全力ダッシュでダッシュッシュー♪

 力も調べたいし。

 只今、AM2:00。

 牛木も眠る草三つ時。

 あっれ、違ったっけな―?

 つー訳でおやすみなさい。




 ◇◆◇◆◇◆




 Good Morning.

 いえ。

 Good Afternoon!

 いえーい!

 お寝坊さんがここに1人。

 あは、太陽が真上にある。

 すっごく晴れてる。

 僕を責めるように……。

 はぁ。

 今日は欠席かぁ。

 無断になるかもしれない。

 うーわ。

 どうしよう。

 タタタイヘンダァー! \(゜ロ\)(/ロ゜)/

 いや、おつつけ、落ち着け。お茶を飲んで、深呼吸して……

 そんな暇あるかーっ!

 どうしよう、どうしよう。

 学校休んじゃったよー!

 「とりあえず、落ち着け。」

 「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

 ビクッとした。

 少し翔んだんだ、宙を。

 うふふっ、あははっ……!

 「いやー、怖がらないでよ。」

 いや、誰だお前。

 お母さんはいないはずだ。

 本当に誰だ?

 「あれ?おじさんのこと忘れちゃった?」

 頭が強制的にぐりんっと回される。

 こきっ。

 ウヘェ。

 首の中の何かから、赤い何かが出てくる感覚。

 気持ち悪っ。

 目の前にいたのは…………桐壷だった。




 ◇◆◇◆◇◆




 「どっ、どこから入って来た!いつ来た!何で入って来た!家に呼んだ覚えはないっ!」

 「キミん家の窓から。1時間前ぐらい。開けっ放しだったから。それから、おじさんは悪魔じゃない。」

 「あー、お母さん、もう少し戸締まりとかした方がいいのに。よりによって、こんな奴が――――――」

 「こんな奴って誰だ?」

 「あっ…いえいえ。滅相もございません。ところで、あなたが悪魔じゃないとおっしゃっていましたが、どういう意味ですか?」

 フゥーと鼻でため息をつく。

 「キミ、そんなことも知らないの?案外、お馬鹿さんだったんだね。」

 「馬鹿じゃな、い!」

 ふぅーん、そうなんだー、と意味深にアゴをさする。

 「じゃあ、教えてあげるよ。悪魔は家に招かれないと人間のお家に入れないんだよ。なんかキミはおじさんを悪魔と思ってる節があるけどそれは、違うんだよ。」

 「いや、そもそもあなたを悪魔とは思ってませんし。何用ですか?」

 「ん~?何となく?」

 「じゃあ、来んな。」

 「つれないね~。」

 「さあ、とっととお帰り下さいませ。」

 ぐいぐい押して、玄関に運ぶ。

 「ちょっ、ちょっと待ってよ~。」

 「問答無用。」

 ――キリッ

 「用事は、あったんだよ?!キミの家が大丈夫かと思って。」

 は?

 「どういう意味ですか?」

 「どうもこうも、メールが警察に見つかってな。それでこの家に誰か来てないかなぁって。」

 「はあ。わかりました。忠告は聞き入れました。さあどうぞお帰り下さい。」

 「まっ、まだ有る!」

 「無駄な情報だったら、ミンチにして犬に喰わせますよ…。」

 「おじさんは有益な情報だと思って言ってるんだけどな。」

 「早くして下さい。家が穢れます。貧乏なのにハウスクリーニングを頼まなくてはぁー!」

 「ハイハイ、言いますよっと。ちゃんとロッカーに制服が入ってただろ?その中に熊の缶バッチが入ってた筈だ。それは、身体能力を上げるだけじゃない。キミの体にある特殊能力も伸びるんだ。1つだけだけど。」

 「えっ?どんな?」

 「……分かってたら、教えるよ。」

 「そうですよね……。」

 「じゃ、そろそろおいとましようかな?」

 「あの、1つ聞いていいですか?」

 「対価は払ってもらうよ。」

 「…………どのぐらいでしょうか?」

 スッと指を1本出して、

 「一枚。」

 「何をですか?海苔ですか?」

 「違う。お札。」

 「2000円札ですか?僕の宝物でしたが、あげましょう。」

 「キミはまだ子供のようだ。うん。2000円札でいいよ。」

 「はい…。」

 恨めしそうに与作を見ながら、貯金箱を持って来る。

 下のゴム蓋を取り外し、1枚のお札を取り出す。それ以外にお札は入っていない。

 「教えて下さい。」

 ぐしゃぐしゃの2000円札を差し出して、お辞儀した。

 「走る速度は時速60キロ、跳べる高さは30メートルぐらいかな?キミの特殊能力は何だろうネ?」

 「…………。」

 「じゃあね。」

 「あっ、はい……。」

 特殊能力って何だろう?


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