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闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第一章 人生は、急激に。
13/59

11 ☆  ーβ γ δ

語り部:姫野 真輝

 よーし、決めた。

 僕は“Yes”を選択する。

 沢山給料をもらって豪華な生活をするぞ!

 面倒だけど、普通に働くよりは良さそうだからな。

 返信をしなくては。

 返信ボタンを押して、打つ。

 “僕は悪に成ります。”

 と打つ。

 送信。

 いえーい!

 これで、極貧生活は、お わ りだ!(仰々しいポーズ)

 おっ?

 ケータイが震えたような気がする。

 見ると、新着メールが来ていた。

 早っ!

 開封。

 そこには仕事の依頼があった。

 “とりあえず、初級の仕事を任せるよ。”

 で?

 何にも書いてないよ?

 スクロールしてもなかった。

 あれ?

 あれれ?

 おかしいなあ。

 ねぇ、おじさん~。という江戸川君の声が頭に響く。

 また、手の中にぶるるっと震える感覚。

 “新着メール受信”

 いえーい。

 キタヨー! ○(≧▽≦)○

 “キミには、『あなたがコンビニ、フミリアマート』でお馴染みのフミリアマート佐織店の強盗をしてもらう。”

 エエー? (´・ω・`)?

 “そこは賞味期限切れのお弁当を売ってたりするんだ。悪だろう?”

 マアソリャ、ネ。 (-_-#)

 “服装は明日、キミの学校のロッカーに入れとくからよろしく。”

 ハア。 (´Д`)

 “じゃあ、幸運を祈ってるよ。”

 ワカリマシタ。 ( ̄▽ ̄;)

 ハイ? (-.-;)

 ナンデ、キョウノアシタデゴウトウシナケレバナラナイ? (; ̄Д ̄)?

 何で?

 ?

 まあ、いいや。

 これをすれば、確実に豪華な生活ができるなら。

 少々の面倒事でも引き受けなきゃな。うん。

 明日、強盗すると決まったら今日は早く寝なきゃ。

 明日の教科は数学・英語・体育・国語・社会・家庭科だ。

 うへぇ。家庭科かぁ。テンション下がる。

 それらの教科をリュックに押しこめて、寝る前の水を一杯飲み、家路ではなく、眠りについた。




 ◇◆◇◆◇◆




 コケコッコー!

 最近刻を作り始めた鷄が朝を告げる。

 今、何時?

 枕元の目覚まし時計を覗きこむと、6時45分だった。

 いつもの15分前だった。

 ……起きるか。

 眠いけど。

 二度寝したら、もう起きれん。

 フワァーっとあくびをして眠気をまぎらわす。

 今日の朝ごはん、なんだっけ?




 ◇◆◇◆◇◆




 昨日の残り物を朝ごはんに食べ、いつもより若干早めに家を出た。

 今日はなんか宿題あったっけ?

 あっ、国語のプリント!!

 あっぶねー。

 やったのに忘れるところだったよ。

 取りに帰んのも面倒だけど、怒られる方がもっと面倒だ。

 家に取りに帰り、出発するときにはいつもより遅くなっていた。

 早歩きで急ぐ。




 ◇◆◇◆◇◆




 を~、着いたっと。

 学校にいつもの時間に着いた。

 確か、ロッカーの中に何か入ってるって書いてあったけど……あった。

 新聞紙にくるまれて。

 えっ?

 何故、新聞紙?

 そんなに貧乏なの?

 とりあえず、カサカサ音のする新聞紙包みを席に持ってく。

 開くと、ペチャッとした布が。

 よく見てみると、服だった。

 白いTシャツとブルージーンズの半分に切ったやつ。それに、目出し帽となぜか安っぽい缶バッチ。

 これでどうしろと?

 他のやつは判る。ユニホームみたいなやつだろう。

 でも、缶バッチ?

 おしゃれ?

 強盗がおしゃれする意味ある?

 「ナニそれ?」

 「わわっ、永瀬?」

 永瀬だった。

 「あー、…学校帰りに着替えてどっか行くつもり?」

 「そ、そんなわけないじゃないか!」

 「あっ、ウソついた。」

 「ウソじゃない!」

 「ウソ指摘されたからキレた。」

 「オーイ、席つけ~。」

 「ほっ、ほら先生来たぞ!」

 「………。」

 ごまかすなよという目をして席に戻ってく。

 「姫野、森谷!カバンをしまっとけ!」

 「はーい!」

 「…はい。」

 あとのやつが僕のだ。

 「あとで片付けておけよ。じゃあ、朝の会を始……」

 あー、よかった。

 あの新聞紙包みがバレなくて。

 フワァ~あふっ。

 今日は何だか眠いなぁ。

 メンドイ一日が始ま……




 ◇◆◇◆◇◆




 うーん、よく寝たよく寝た。

 1日中寝っぱなしだったよ。

 勿論、机に突っ伏して寝てた訳じゃないけど。

 ……さーて、これからどうしよう?

 強盗する?

 何時にする?

 何日にする?

 まあ、いいや。

 とりあえず、家に帰ろう。



 「お帰り~。」

 「…ただいま。」

 お母さんが帰っていたとは。

 少ーし、ビックリ!

 強盗の件はどうしよう。


 まあ、いっか。

 お母さんが寝たあとに強盗行けばいっか。



 ただいまPM13:00です。つまり、AM1:00ということ。

 お母さんも寝て30分が経ちました。

 さあ、絶好の強盗日和です。

 強盗がダメだなんて思わない。

 あっちも悪なんだ!

 新聞紙にくるまれた服を取りだし、着る。

 ……うーわ。

 最低。

 ナニこれ?

 ボロボロのジーンズ。ダメージってもんじゃない!

 丈の短いTシャツ。へそだしかっ!さらに赤いくAとでっかく書いてある。

 学校では気付かなかった真紅のマント。安っぽいヒーロー風味。

 目出し帽なんてまんま強盗じゃないかっ!

 ヤだよ、こんなん。

 さっきメールに書いてあったけど。

 こんなん着て強盗なんかしたくないよ!

 ……まあ、やるけど。



パンポン♪(少々お待ち下さい。)



 目出し帽は目立つから現場で着けるとして、缶バッチ、どこ着けよう?

 恥ずかしい柄だし(←プリチィーな熊)。

 ジーンズの裏側につけとくか。

 絶対つけとけって書いてあったし。

 うわっ、ひやっこっ!




 ◇◆◇◆◇◆




 まあ、そんなこんながあったけど、僕はフミリアマート佐織店に強盗に行くのであった。




 ◇◆◇◆◇◆




 イエーイ!

 つ・き・ま・し・た!

 これまでの道のりでもいろいろあったけど、物語はリズムよくないとダメなので割愛♡

 着いたと言っても今は50メートルぐらい離れてるけど。

 目出し帽を被り、ダッシュ…

 シュバッ!

 わっ、通りすぎるっ!

 ザーーシュッ!

 足の裏、熱っ!

 なんか臭っ!

 靴、溶けたー!

 ナニこれ?

 この力?

 っぱない!

 缶バッチの力?

 ………。

 ……?

 …まあ、いっか。

 今は強盗に専念しよう。

 強盗って何するの?

 ……お金を泥棒するのか?

 うん、それでいこう。

 ドアの前に立ち、開ける。

 カランカランカララーン♪

 「いらっしゃいませー!」

 深夜なのに元気な声が響く。

 「金を出せ~!」

 出来る限りの渋い声を出す。

 「ひぃっ!」

 すくんでいるやや若い青年。

 「出さねぇのか~?」

 なまはげの要領で。

 「は、はいっ!出します出します!どうぞっ!」

 レジの鍵をカチャッと開けてある札を全てくれた。

 いえーい!

 あとは退散を。

 バッと超常脚力で逃げる。

 ガラスのドアは何とか破らずに逃走した。

 追っ手は懸からず、遠回りしたのが無駄になった。

 せっかく、面倒なことしたのにな。




 ◇◆◇◆◇◆




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