表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の中にて僕は輝く。  作者: udakuda
第一章 人生は、急激に。
10/59

10 ☆  α β γ δ

語り部:姫野 真輝

 着信履歴を見る。

 ほーう。

 ふむふむ。

 なるほど。

 そういうことか。

 ……ドッカーン!

 頭、爆発したわっ!

 意味わからんわっ!

 お前、何がしたいんだ?

 つーか、さっきの文章の意味もわからん。

 はぁ……。こんなことになるんだったら、もっと勉強しとけばよかった。

 何の役に立つのかと思ってたけど、こんなことに役に立つのかー……

 ふぅん。

 返信する。

 “さっきの文章は要約すると何ですか?”

 書き終えて、送信ボタンを押す。

 さて、ケーキを食べようと思ってケータイをテーブルに置いたら、光り出した。

 新着メールが来たようだ。

 とりあえず、一口だけケーキを口に頬張り、またケータイを開く。

 ……なんで目の前にいるのに、メールなんかしてるんだろ?

 声に出したほうが簡単じゃないか?

 開封。

 “つまりは悪は悪であっても悪じゃないという意味さ。”

 なるほど。

 返信し―――

 “新着メールを受信しました。”

 ちっ、クソッ。

 “キミ、悪にならないか?高給を保証するよ。メールをあとで送るから。ここのお金払って置くからね。”

 一間置いて、

 “またね。”

 立ち去る桐壷が、チラリと見えた。

 ちょうど、ふりかえった桐壷と目があった。

 ニコッと笑って立ち去った。

 ちゃんと伝票は持っていっていた。

 ……やるな。悪を誘ってきたから、踏み倒すのかと思ってたけどそうじゃないんだな。

 まぁ、持ってってくれないと困るもんな。

 残り3口のケーキをちまちま食べてそのファミレス、ジョニーズを出た。



 ◇◆◇◆◇◆




 家に帰ってからもずっと悩んでいた。

 だって、高給を保証するって言ってたから。家は貧乏だもの。僕が働けるなら働きたいし、お母さんを助けたい。

 高校に行かずに働くつもりだけど。多分お母さんは反対するだろうし。

 だからと言って、働くのは嫌だし、億劫だ。

 はぁ……。

 「真輝~~!ご飯よ~~!」

 あっ、どうしよう……。

 食べるか、食べないか。

 …………。

 食べない。

 決定。

 「食べんー。」

 「何で~?」

 えーっと。

 「ダイエット中!それは明日の朝食べるからー。」

 「ほどほどにな~。」

 「あーい。」

 ふぅ。

 なんとか助かった。



 ◇◆◇◆◇◆




 ……さて、どうしようか。

 あとでメールを送るっていってたけど、いつ来るんだろう?

 しゃあない。とりあえず風呂入るか。……伸びた髪どうしようか。切る?…しかないよなぁ。鬘作って売ったろかっ!

 そのぐらいしか用途ないよな。

 ケータイをお母さんに見つからないように電源を切ってリュックサックの中に隠す。

 そして、パジャマのだぼだぼのジャージを持って風呂に向かう。

 ……とは言っても8歩で着くのが現実だ。

 部屋着(さっき着替えた。)をパパパッと脱ぎ、ドアを開ける。

 ハサミとともに。

 髪を切るために。

 ユニットバスじゃない、普通よりはぼろっちい風呂場。

 湯船には湯を張らない。

 もったいないから。

 湯船の水を再利用っていうけれど、結局少しは捨てることになるんだ。

 まず、伸びた髪にドライヤーを充てる。あっついぐらいに暖める。

 そのままシャキシャキと刃を入れる。

 雑に。

 美容師さんに見せたら卒倒するぐらい。

 バラバラに散らばった髪を広い集めてゴミ箱に。

 再び、椅子に座り直す。

 洗面器に水を溜めて、頭を浸す。

 湿ったら、シャンプーを半分だけ押して出す。

 ゴシゴシ洗って、溜めた水に、頭をつける。

 泡が大体落ちるから、そこから洗面器に水を溜めて、頭にぶっかける。

 5回ぐらいやると、ニュルニュルがなくなって、キレイになる。

 体は普通のタオルではなく、体を洗う用のタオル。泡切れがいいんだ。

 石鹸を5往復してから体を洗う。

 最後に、少しだけ石鹸で顔を洗ってまた洗面器に溜めた水で流す。

 タオルも洗面器の水で洗って、キレイにする。

 終わりに、シャワーを10秒くらい浴びて風呂場を出る。

 あー、さっぱりした。



 ◇◆◇◆◇◆




 風呂上がりの水をガブガブ飲み、自分の部屋に戻った。

 髪はもう戻ったな。鬘にして売れないか。と思いつつ。

 ケータイを確認。

 “新着メール受信”

 Wow!

 来てたよ~。

 Ye@h?

 ん?

 うん。まあいいや。

 開く。

 そして、メールのボタンを押す。

 “キミが悪に成るなら、メールを返信してくれ。成らないのなら、ケータイを海辺野公園のトイレ(和式の)にビニール袋に包んで置いてくれ。吉報を待っている。”

 ……だって。

 (スタッフ)「……どうしますぅ~?」


 「うーむ。」


 (スタッフ)「悩んでたらぁ、何も進みませんよぉ~?」


 「そーだよねー。どーしよー?……って、お前誰だ!」


 (スタッフ)「いやぁ~、わたくし脳内スタッフですわぁ~。」


 「そんなこっはわかっとる!いつ来た!どっから来た!お前は消したはずだっ!」

 

 (スタッフ)「そんなこと言われてもねぇ。困りますよぉ。」


 「前の脳内スタッフの方がまだましだっ!オネェ系の脳内スタッフなぞ要らん!消え失せろ!」


(スタッフ)「エェ~。嫌ですよぉ~。あなたが必要としてたからぁ~現れたのにぃ~。」


 「とりあえず、強制消去します。」


 ブラウザが見える。そのブラウザを仮想の指先でタッチする。

 “消去しまかすか?”

 “Yes”                       “No”

 迷わず“Yes”を押す。


 (スタッフ)「ウギャーー!わたくし達は永久不滅ですからねぇ~!」


 「はっ、勝手に言ってろ。」

 「まーくん?そんな大声出してどうしたの?」

 げっ、やばっ。母さん、こうゆうときは笑顔でゴマカス!

 「何でもないよ。」

 「あら、そう。」

 やったー…。

 ワーイ……。

 「明日も学校なんだから、早く寝なさいね。」

 「はぁい。」

 トタトタと去る音。

 何とか危機は回避できたようだ。

 さて――

 僕は何を考えてたっけ?

 そうそう。

 悪になるかならないか。

 どうしようか。











 《警察でのひとコマ》

 「総田警部補!ミョーな電波を発見しましたっ!」

 「なんだっ?」

 「最近見られなかった【えびるでびる】のメールと思われる電波です。」

 「【エビルデビル】だ。ひらがな発音するな。それはともかく、何が書いてあった?」

 「えっと、“僕の名前は与作っていうんだけど、キミの名前は何?”と書いてあります。」

 「そうか。【エビルデビル】には与作という人がいるのか。」

 「もしかすると、偽名かもしれませんが。」

 「そりゃそうだ。こんな名前滅多にないもんなぁ。」

 「それから、【えびるでびる】に該当するような電波はありませんでした。ちなみに、その電波は今までに再び引っ掛かっていません。【えびるで…】いえ、【エビルデビル】に感づかれたようです。」

 「何処でその電波を受信した?」

 「神奈川県箱根町です。おそらく、移動式の送受信器を用いたのでしょう。」

 「くっ、箱根か……。いいなあ。」

 「けっ、警部補?」

 「いや、何でもない。俺らが必死に汗水垂らして探してるのに、あいつらは悠々と温泉を楽しんでたなんて。はぁー。」

 「全く同感です。総田さん。」



 この会話は警視庁の新しく創設された《電波課》で行われた。他人のプライバシーを侵害するかもしれないと賛否両論の施設であった。


次回は分岐です。

本編とは全くとは言いませんが、関係ないです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ