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調査報告書 No.B064-007


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-007】

 作成日:令和六年十月十三日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 主任 A田B男



『件名』

 三〇二号室における夜間の光漏れ現象の実態調査



『調査目的』

 本調査は、「桜見荘」三〇二号室に関して複数の住民から寄せられた「窓のないはずの三〇二号室の窓から光が漏れている」との証言を受け、光漏れの事実確認及び建物構造の現状把握を目的とする。

 また、本現象が安全面及び住民生活に与える影響を評価し、今後の対策方針策定に資するための基礎資料とする。



 『調査方法』

 1.聞き取り調査


 対象住民は、同建物四〇一号室居住のN氏。

 令和六年十月十二日に個別聴取を実施し、夜間の光漏れの観察状況について詳細な証言を取得した。


 2.現地調査


 令和六年十月十二日、防犯推進課職員及び管理会社担当者立会いのもと、三〇二号室南側外壁の外観調査を実施。

 建築図面との照合及び目視検査を行った。


 3.建材及び施工履歴の照会


 管理会社に対し、当該外壁部分の交換履歴及び施工理由について問い合わせ、記録の提出を受けた。



 『調査結果』

 1.聞き取り調査結果


 調査対象の住民N氏は「午前二時頃、複数回にわたり三〇二号室の窓から強い光が漏れているのを目撃した」と証言。

 確かに「三〇二号室には窓がない」という点は間取りで確認出来ており、光の発生源に対して疑念を抱いていることは理解できる。


 2.現地調査結果


 調査において、三〇二号室南側外壁に窓及び換気口が存在しないことを目視で確認。

 再度建築図面と照合した結果、外壁に窓が存在しないことと一致した。

 外壁材の一部に新しい交換跡があり、交換範囲は約二平方メートル程度であった。


 3.建材及び施工履歴調査結果


 管理会社からの資料によると、当該外壁部分は劣化状況から見て直近一年以内に交換されている可能性が高い。

 しかし、詳細な施工日及び交換理由については記録が不十分であり、特定は困難であった。



 『考察』

 三〇二号室における「窓のない部屋からの光漏れ」現象は、建築図面の結果と整合しない異常事象である。

 間取りを生徒した場合、光の発生源は通常の建築構造上考えられない箇所に起因する可能性が示唆される。

 光漏れの原因としては、隠蔽された開口部や未記録の設備の存在、あるいは光の反射・屈折など物理的現象の誤認なども考慮する必要がある。



 『今後の対応』

 1.専門機器を用いた非破壊検査(赤外線サーモグラフィカメラ、内視鏡検査等)を実施し、光漏れの発生原因を科学的に解明する。

 2.管理会社に対し施工履歴の再調査及び不明点の説明を再度強く要請する。

 3.近隣住民からの追加証言収集を継続し、光漏れの時間帯・頻度のデータ収集及び映像記録の取得を検討する。

 4.必要に応じて建築士、電気設備技師等の専門家による合同調査体制の構築を検討し、原因究明及び安全対策の実施に備える。



『備考』

 当初「窓がある」と認識していたのは、他の部屋や通常の構造であれば窓は存在しているという思う込みからきた可能性。

 本日複数人で確認し、窓がないことを確認。




 以上

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