調査報告書 No.B064-006
【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-006】
作成日:令和六年十月十一日
作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 主任 A田B男
『件名』
「桜見荘」三〇二号室訪問時の証言不一致及び音声記録解析について
『調査目的』
本報告は、令和六年九月二十八日に実施した三〇二号室現地訪問時の担当者証言における、食い違いの詳細調査及び音声記録の分析結果をまとめ、事実関係の整理並びに調査の方向性検討を目的とする。
『調査概要』
訪問時の臨時職員K氏は、三〇二号室のドア越しに女性の声で明確に「はい」と返答があったと証言している。
しかしその一方で、同日に同行した職員S氏は、該当の声を確認できなかったとして、無人と判断したとの証言だった。
この判断の不一致について、現場では一旦K氏の意見が優先されたが、その時のS氏は、K氏の反応が異様に映ったという。
この証言の不一致を受け、現地で収録された音声記録デバイスの解析を音声技術担当へ依頼した。
『証言内容』
K氏とS氏に確認したところ、以下の回答を得られた。
・臨時職員K氏証言:「確かに女性の声がはっきりと『はい』と聞こえました。ドアの向こうに人がいると感じました」
・職員S氏証言:「私は声を聞き取ることができず、室内は無人だと判断しました。現場は静かで、応答はなかったと認識しています」
『音声記録分析結果』
音声技術担当による解析では、録音された波形に断片的な女性声らしき音声が含まれていることが確認された。
しかし、その音声は通常の環境音とは異なる異常な圧縮及び歪みがかかっており、解析が極めて困難な状態であった。
音声技術担当コメント:「録音された音声には、人工的なノイズや変調がかかっており、自然環境下で発生する音声とは異質です。正確な内容把握や声の発信源特定は難しい状況です」
『考察』
・証言の食い違いは、現場の環境音や心理的要因による聴覚認識の差異が影響している可能性がある。
・音声の異常圧縮や人工的な歪みは、録音機器の不具合か意図的な妨害の可能性も含め、今後の技術的調査が必要とされる。
・三〇二号室内部の状況把握の困難さを象徴する一例であり、さらなる現地調査及び監視カメラ設置等の検討が望ましい。
・声の主が女性かつ住民であった可能性は否定できず、また、機材の不具合や全く関係ない音を拾った可能性もゼロではない。
『今後の対応』
1. 音声記録のさらなる高精度解析を専門機関へ依頼する。
2. 三〇二号室への再訪問時に複数の録音機器を用いて異常の再現確認を行う。
3. 防犯カメラの設置を含めた監視強化策の検討。
『備考』
この結果を受けて、S氏の抱いた異様さは、K氏に対するものだけは解消された。
一部、項目を変更して記入。
以上