調査報告書 No.B064-005
【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-005】
作成日:令和六年十月九日
作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 主任 A田B男
『件名』
「桜見荘」三〇二号室の間取り不整合に関する調査報告
『調査目的』
本調査は、管理会社より受領した「桜見荘」各部屋の間取り図の精査を行い、三〇二号室に関する設計上の異常及び(あれば)あらゆる特異点を把握することを目的とする。
これにより、物件の実態把握及び住民孤立の背景解明に資する資料とする。
『調査方法』
・管理会社提供の間取り図面の詳細比較分析。
・他室との間取り仕様の相違点及び設計署名の筆跡比較。
・臨時職員K氏による現地訪問時の聴取。
『調査結果』
1. 間取りの相違点
桜見荘全十二戸中、三〇二号室だけが「1LDK+納戸」という表記で他の部屋(すべて2LDK)と明確に異なる仕様であることが判明。
三○二号室単体、もしくは三○二号室を除く十一戸にて、リノベーションの実績なし。
2. 納戸の詳細
納戸部分は間取り図面上、約六畳の広さを持ち、一般的な収納スペースの概念を超える広大な面積であることが確認された。
また、当該納戸には窓の記載が一切なく、採光や換気の観点で異常な設計となっている。
「窓がある」と認識していた外観は、複数の目で最後確認が必要。
3. 設計士署名の異同
間取り図の署名欄において、三〇二号室のみ他の部屋とは異なる筆跡による署名がなされており、設計者の違いまたは後付けの改訂が疑われる。
4. 臨時職員K氏の証言
「間取りを確認したところ、納戸にはドアが存在せず、壁だけで仕切られている状態でした。その時は、日当たりを無視した設計ですし、納戸が単なる収納スペースにしては広すぎて不自然だと感じました。九月二十八日に訪問した際、ドアの向こうから女性の声が聞こえたのは確かです」
『考察』
・三〇二号室の間取りは他室と明確に異なり、建物設計上の異常が見られることから、居住空間としての実態が通常の賃貸住宅と乖離している可能性がある。
・納戸の広大さおよび窓が存在しないことは、居住環境として問題があり、住民の健康や安全に影響を及ぼす恐れがある。
・設計士署名の異同は、改築や改装の履歴が隠されている可能性があるため、建築確認申請書類の追加調査を推奨する。
『今後の対応』
1. 建築確認申請及び改修履歴の詳細確認を管理会社及び行政機関に要請。
2. 三〇二号室内の実地調査をより詳細に実施し、居住実態及び納戸の用途の解明を図る。
3. 間取りの異常を踏まえ、防犯推進課として安全面のリスク評価を実施。
以上