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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
後編

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調査報告書 No.B064-028


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-028】

 作成日:令和七年一月二十日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員K



『件名』

 封印再強化後の地域住民動向調査報告



『調査目的』

 幽界村封印儀式後における、桜見荘および周辺地域の住民の心理的回復状況と生活行動の変化を記録し、長期的な安全確保および監視体制の改善に資する。



『調査方法』

 ・現地聞き取り調査(住民十二名:高齢者四名、主婦層五名、学生三名)

 ・日中および夜間の周辺環境観察(計三日間)

 ・商店街および公共施設の利用状況調査

 ・自治会関係者からの情報収集



『調査結果』

 封印儀式の成功以降、夜間外出を控えていた住民が徐々に活動を再開。

 マンション外で噂を聞いていた他の地域住民たちによる、他の公園での子どもの遊び声や、商店街の客足回復など、地域にはかつての生活音が戻りつつある。

 特に高齢住民の一人は「久しぶりに夜道を歩いたが、胸の重さが少し軽くなった」と証言しており、心理的負担の軽減が確認された。


 しかし一方で、儀式以前に行方不明となった住人は依然として消息不明であり、その家族は「封印が解ける前に取り戻したかった」と深い落胆を示した。

 また近隣の若年層住民からは「夜の風の音が変わった」「空気が一瞬冷たくなる瞬間がある」といった証言が相次ぎ、完全な安心感には至っていない。

 特に女性住民の一人は「以前から聞こえる低い唸り声のようなものが、今も時々耳に残る」と述べ、環境音に関する不安は解消されていない。


 夜間観察では、以前よりも外灯下に人影が増えている一方、特定の路地やマンション裏手は依然として立ち入りを避ける傾向が強く、心理的な「安全・危険」の線引きが住民間で固定化されつつある傾向も見られた。



『考察』

 封印儀式により地域全体の不安は一時的に緩和されたものの、行方不明者の未帰還が長期的な心理負担の要因となっている。住民の証言からは、異常現象が完全に収束していない可能性も否定できず、特に音響的現象(風音や唸り声)については継続的な計測が必要である。

 また、封印によって外部からの影響が遮断されたとしても、内部に残存する現象が持続する可能性があるため、専門部署による長期観察が不可欠と考えられる。



『今後の対応』

 ・行方不明者の捜索継続(封印領域内部の定期的確認含む)

 ・住民の心理的ケア強化(臨時相談窓口、自治会との連携)

 ・環境音および気温変動の定期測定と解析

 ・地域安全マップの改訂と危険区域の明示




 以上

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