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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
後編

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初代桜見荘住人の息子へのインタビュー録音記録


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-追補-13】

 作成日:令和七年一月五日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員 K



『初代住人の息子へのインタビュー録音記録』

 調査日:作成日:令和七年一月五日

 調査者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員 K

 被調査者:旧桜見荘初代住人・M氏(仮名・五十七歳)



 ***


【聞き取り調査録音抜粋】



 K:桜見荘が建設された当初、ご家族はどのような理由でここに移り住まわれましたか?

 M:当時は新築のマンションとして注目されていて、環境も静かで良かった。家族全員が明るい気持ちで新生活を始めたものでした。


 K:その頃、三〇二号室や周辺で何か異変を感じられたことはありますか?

 M:最初は何もありませんでしたが、しばらくすると夜間に物音が聞こえたり、誰もいないはずの部屋の影を見たという話が住民の間で出始めました。家族も少しずつ不安を感じていました。


 K:ご自身やご家族は精神的にどのような影響を受けましたか?

 M:特に母が徐々に精神を病んでしまい、やがて言葉も減り、静かに暮らすしかありませんでした。病院にも通いましたが、あの場所の何かが原因ではないかと思わざるを得ません。


 K:昔からこの土地や幽界村の伝承などはご存知でしたか? それが異変と関係していると思われますか?

 M:正直、後から知りました。幽界村の話や封印の話を聞くと、何か霊的なものや異界と繋がっている可能性は高いと感じます。あの頃の異変の説明がつくのはそういうことしかないと思います。


 K:最近の調査で行方不明になった調査員のこと、また三〇二号室の元住人の女性のことについて、どう感じていらっしゃいますか?

 M:とても心配しています。あの女性も、元住人の方も、この場所に縛られているようで、無事であるかどうか分からず胸が締め付けられます。毎日テレビや新聞を見ながら、何か手がかりはないかと探している状況です。彼らが無事に戻ってくることを強く願っていますが、状況があまりにも不穏なので正直怖くもあります。


 K:この地に長く住んでいる経験から、何か調査チームに伝えたいことはありますか?

 M:ここは見た目は普通でも、目に見えない何かが確かに存在する場所です。無理に深く踏み込みすぎると、戻れなくなる危険があると思います。だからこそ、調査は慎重に、決して焦らずに進めてほしいです。私たちのような被害者を増やさないためにも、専門家の力を借りて、安全第一でお願いしたいと思います。


 K:調査チームに対して最後にメッセージをお願いします。

 M:皆さんがこの難しい調査を引き受けてくださったことに感謝しています。私たちの過去の苦しみや恐怖を無駄にせず、必ず真実を解明してほしいです。どうか体を大事に、無理をせず、ゆっくりとでも一歩ずつ進んでください。私たちも陰ながら応援しています。


 K:この度は、貴重なお時間いただきありがとうございました。



【録音終了】


 ***



 『調査官所見』

 本調査では、昔からの桜見荘全体における異変が見てとられた。

 三〇二号室ほどではないものの、その影響は計り知れない。

 時間は一刻一刻と過ぎており、住人の気持ちに報いるためにも、安全かつ早急な解明が必要とされる。




 以上

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