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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
後編

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失踪事案報告


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-追補-12】

 作成日:令和六年十二月十五日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員K


『失踪事案報告』


 対象者:調査員A氏(仮名)

 失踪日時:令和六年十一月中旬頃(正確な日時不明)



『事案概要』

 本件調査対象となっている三〇二号室における異常現象の調査に際し、調査員A氏は当該現場への立ち入りおよび調査活動に積極的に従事していた。

 しかしながら、令和六年十一月中旬頃、A氏は突如として消息を絶ち、所在の確認が困難な状態となっている。

 現在に至るまで、本人からの連絡は一切なく、行方不明のままである。



『前兆および状況詳細』

 失踪に先立つ数日間において、A氏は同僚に対し、調査現場の状況について繰り返し強い懸念を示していたとの証言が複数得られている。

 具体的には「ここには何か得体の知れぬものがいる」「もうこれ以上は耐えられない」といった言葉を口にしており、精神的な不安状態が顕著であったことが窺える。

 また、A氏の執務机上には、通常の調査資料とは異なる、意味不明の記号および暗号と推察される手書きのメモが散見された。

 その中には「帰れぬ者の囁き」と記された文言があり、状況の異常性を示唆する重要な手掛かりと考えられる。

 さらに、失踪直前に録音された現地音声データの解析においては、女性の囁き声が断続的に混入していること、不規則かつ強いノイズが多数含まれていることが確認されている。

 これらの音声データは精神的影響や異常現象の証拠として注視されている。



『対応措置および経過』

 本失踪事案発覚後、速やかに警察及び行方不明者捜索隊に通報し、所在確認と捜索活動を依頼した。

 現在までに有力な手掛かりは得られていない。

 調査チーム内においては、残された調査員の精神的負担の増大が著しく、関係者に対する心理的ケアを実施している。

 また、現状を踏まえ調査活動の一時的な中断も検討しており、安全確保と精神的健康維持に注力している。



『調査チームの反応と今後の課題』

 失踪を受け、調査チームのメンバーには動揺が広がっており、調査への参加意欲や意識に影響を及ぼしている。

 調査継続には心理的支援の拡充、チーム全体の精神的健康管理が不可欠であると判断される。

 また、本件失踪は調査対象の異常現象と何らかの関連性がある可能性が高いものの、現時点では明確な因果関係を証明する決定的証拠は存在しない。

 今後の調査にあたっては、この不確実性を踏まえつつ、慎重かつ安全重視の姿勢で臨む必要がある。



『所見』

 本失踪事案は調査対象現場に起因する心理的・物理的リスクの顕在化として認識され、調査手法の再検討及び安全管理体制の強化を急務とする。

 加えて、調査チームの精神的負担軽減策を計画的に実施し、関係者の健康維持と調査活動の持続可能性を確保することが重要である。

 今後も、失踪者の早期発見と事態の解明に全力を挙げるとともに、本現場に関する異常事象の全容解明を継続する。




 以上

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