不可視の住人についてインタビュー録音記録
【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-追補-11】
作成日:令和六年十一月二十七日
作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員K
『不可視の住人についてインタビュー録音記録』
調査日:作成日:令和六年十二月五日
調査者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員 K
被調査者:桜見荘住人A氏、B氏、C氏、D氏
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【聞き取り調査録音抜粋】
K:今回は『桜見荘』の住民の方々にお話を伺っていますが、三〇二号室周辺で何か気になることはありませんか?
A:ええ、住人がいないはずの三〇二号室から、家具が動く音や物音が頻繁に聞こえてきます。誰かがいるような気配は全くないのに、音だけが独り歩きしている感じで……。
K:具体的にはどんな音でしょうか?
A:ドアの開閉音や、何かを引きずるような音、時には重い家具が動くような音も聞こえます。夜になると、廊下を横切る影のようなものを見かけたこともありますよ。
K:影はどのような形で、どのくらいの頻度で見かけますか?
B:はっきりした形ではなくて、ぼんやりした人影のような感じです。深夜帯によく見かけますね。恐怖感はあるんですが、不思議と消えてしまうので証明は難しいです。
K:音の発生源は特定されていますか?
A:多くの場合、三〇二号室のドアの裏側から聞こえることが多いです。廊下全体が静まり返っている中で、その音だけが際立っていて……何度も聞いているうちに、精神的にも少し参ってしまいました。
K:そのような音や影の目撃は、他の住民の方々からも報告されていますか?
C:はい。私の家族も聞いています。『気配だけがある』と言っていました。まるで誰かがそこにいるけれど、姿は見えない。そういう話が出ています。
K:精神的な影響はありますか?
B:正直、怖いです。夜、廊下に出るのが億劫になりました。精神的な圧迫感を感じている住民も少なくありません。
K:過去に何か異変があったと聞いていますが……?
D:昔からあの部屋はおかしかったんですよ。変な気配があったり、異音がしたり。昔はそういう話はあまり表に出さなかったけど、今は誰も否定しません。
A:そうなんです。まぁ、時代というのもありますが、やっぱり、気になるものは気になりますよね。
K:なるほど……。貴重なご意見、ありがとうございました。
【録音終了】
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『調査官所見』
本調査では、三〇二号室に物理的な住人が確認できないにもかかわらず、複数住民から家具の動く音や影の目撃が報告されている。
音響解析でも家具が動く際に生じる振動パターンが録音されており、現象の実在性が示唆される。
精神的圧迫感を訴える声も多く、心理的な影響も無視できない。科学的な説明が困難なこれらの現象については、さらなる専門家の介入と包括的な調査が必要である。
以上




