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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
後編

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巡回時の異変インタビュー録音記録


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-追補-10】

 作成日:令和六年十一月二十七日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員K



『巡回時の異変インタビュー録音記録』

 調査日:作成日:令和六年十一月一日

 調査者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員 K

 被調査者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 臨時職員 T氏



 ***


【録音開始】



 K:三〇二号室前の壁に人の顔のようなものが見えたとのことですが、最初にそれを見た時の状況を教えてください

 T:はい。夜の巡回中で、特に何も起きていないはずの時間でした。壁を見ていたわけではなく、ただ歩いていた時に、ふと視線を感じて立ち止まりました。よく見ると、壁に人の顔のような影が浮かんでいて驚きました


 K:顔はどのくらいの大きさで、どのように見えたのでしょうか?

 T:大きさはだいたい人の顔くらいですが、輪郭はぼんやりしていて、動いているように見えました。最初はただの影だと思ったのですが、目や鼻、口がかすかに浮かび上がっていて、だんだんと鮮明になってきました


 K:表情や顔の特徴について詳しく教えてください

 T:表情は無表情に近くて感情が読み取れませんでしたが、どこか怨念のような強い負の感情が漂っている感じでした。特に目の位置が普通の人間より少し高く、不自然に感じました。目がこちらをじっと追うようで、視線を外せなかったです


 K:その顔に違和感を覚えたとありましたが、もう少し詳しく教えてもらえますか?

 T:はい。顔全体のバランスが崩れていて、左右の目の大きさや位置も微妙に違っていました。普通の人の顔とは明らかに違い、まるで歪んだ幻影のような印象です。そういった不自然さが強烈で、見ていて気持ち悪さを感じました


 K:顔が消えた瞬間はどのような状況でしたか?

 T:目を逸らした瞬間に、顔はぱっと消えました。まるで幻だったかのように壁は何事もない普通のコンクリートに戻っていました。ですが、しばらくはその光景が頭から離れませんでした


 K:このような現象は以前にも見たことがありますか?

 T:いいえ、これが初めてです。ただ、他の職員からも同様の報告が上がっていると聞いています。皆、目の位置が高いという特徴は共通しているようです


 K:この現象について、どう考えていますか?

 T:幽界村の怨念や呪詛が壁にまで影響を及ぼしている可能性が高いと思います。これが封印の弱まりや、何らかの異界の力の表れなのかもしれません。これからも警戒して調査を続ける必要があると感じています


 K:最後に、この経験を踏まえて何か今後の調査に望むことはありますか?

 T:個人的には、もっと専門的な機材や霊的現象に強い専門家の協力を得て、科学的かつ多角的に現象を解明していきたいです。何か見落としていることがあるかもしれませんから

 K:そうですね、それは私も……いえ、今日はありがとうございました


【録音終了】


 ***



 『調査官所見』

 T氏の証言は単なる錯覚や疲労では説明し難い視覚的異常を示しており、幽界村の怨念の影響が物理空間にまで現れている可能性が高いと判断される。

 複数の職員からの共通証言もあり、今後の詳細な調査が強く求められる。




 以上

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