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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
後編

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調査報告書 No.B064-014


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-014】

 作成日:令和六年十一月二十二日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 主任 A田B男


 『件名』

 三○三号室・深夜に行われる通話内容の検証について


 『調査概要』

 三〇二号室に繋がったと思われる電話回線において、不規則かつ異常なノイズの中に女性の囁き声が断続的に混入していることが判明。

 録音された音声は非常に断片的で意味の通じない言葉や断末魔のような悲鳴、時折苦痛を伴うかのような息遣いも含まれている。

 これらは通常の通信障害とは明らかに異なる異常性を示している。



 『録音分析詳細』

 1. 音声中に確認された語句は「帰れ」「見ている」「助けて」「消えるな」「ここにいる」「お願い」など複数に渡る。これらは断続的に聞こえ、完全な文章として成立している箇所はほぼ存在しない。

 2. 音声波形の解析では、ノイズ部分と女性の囁き声が重なり合い、通常の電話通信における信号とは異なる複雑な歪みが確認されている。

 3. 複数回にわたって再生を繰り返すと、声のトーンや一部の言葉遣いが微妙に変化して聞こえる現象が観察され、単なる録音のブレや雑音とは考え難い。

 4. 通話の発生は深夜帯に集中し、特に午前一時から三時の間に多発していることがタイムスタンプから判明している。



 『通信設備調査報告』

 ・通信会社の協力のもと、三〇二号室の電話回線および付近の配線、交換機器の点検を実施。物理的な損傷や外部からの電磁妨害は確認されず、回線自体は正常と判断された。

 ・しかしながら、録音された異常波形は既知の電磁波干渉とは異質であり、技術的に説明困難な特異現象であると結論づけられた。

 ・同建物内の他の回線および通信機器には同様の異常は観測されていない。



 『調査員証言(M氏)』

「この録音を何度も繰り返し聞いていると、まるで声がこちらに呼びかけているように感じます。声の一つひとつに明確な意思があるようで、不気味でありながらもどこか切実な響きを持っています。長時間の聴取は精神的な負担となり、不眠や不安感を訴える調査員も出てきているため、心理的ケアを行いながら調査を進める必要があります。」



 『その他調査結果』

 ・同時に設置した監視カメラおよび音響センサーにも断続的な異常信号が検出されているが、これらの映像や音声の詳細解読には至っていない。

 ・異常な通話発生と一致して、302号室付近の温度が異常に低下する現象も記録されており、空間的な異常現象の連動が示唆される。



 『考察』

 本異常通話は単なる通信ノイズや技術的問題を超えた超常的要因、あるいは未知の物理現象が介在している可能性が高い。

 録音音声の断片的な語句には強いSOSの意図が感じられ、三〇二号室に関わる「存在」または「痕跡」が何らかの形で通信に影響を及ぼしていると推測される。


 さらに、過去に三〇二号室に居住していた斎藤絵里氏の失踪事件との因果関係も疑われるため、今後の調査ではこれらの異常通話が当該事件と如何に関連するかを中心課題として深堀りすべきである。

 ※現段階では音声サンプルがないため、比較できない。



 『備考・今後の課題』

 ・録音を長時間聴取する調査員の心理的健康管理を徹底し、交代制の導入や専門カウンセリング体制の整備を推奨。

 ・異常波形のさらなる詳細解析のため、最新の音響解析装置やAIを用いた音声解析技術の導入を検討。

 ・異常通話発生と他の観測データ(温度変動、音響異常、映像異常)との相関分析を強化し、現象の全体像把握を目指す。

 ・異常音声の言語的解析および断片的語句の意味解読に向け、音響言語学者や超常現象研究機関との連携を模索。

 ・関連資料および過去の住民証言と通話内容の突合せによる因果関係検証。



 『備考』

 今回は提出らてた報告書を、そのままこちらの報告書として落とし込んでいるため、形式に違いあり。




 以上

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