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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
前編

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調査報告書 No.B064-013


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-013】

 作成日:令和六年十一月二十日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 防推課調査チーム



 『件名』

 「桜見荘」三〇二号室における郵便物再調査記録


 『調査目的』

 内容物に、現在のものではない郵便物が散見された。

 これらがどのようにして運ばれてきたのか確認する。

 また、一回目の調査では発見できなかった、配達記録を再度調査することで、上記との関連性も洗い出す。



 『調査方法』

 本調査は、三〇二号室宛に届いた複数の郵便物に押印された消印地名の詳細な再検証を目的として実施された。

 過去報告書でも指摘されていたものの、今回新たに消印の発信年代を含む解析が行われ、消印地名が現代の行政区画には存在しない、約七十年前に実在した旧地名であることが明らかとなった。

 これらの地名は古地図及び歴史資料にのみ記載され、現代住所とは一致しないため、これらの郵便物は通常の郵便流通経路とは異なる可能性が高い。



 『調査結果』

 1. 対象郵便物の消印地名として、「幽界村」「黒谷町」「霧隠町」など、現在は消滅または合併により存在しない七十年前の地名が複数確認された。これらの地名は昭和初期に存在し、戦後の都市再編により消滅している。

 2. 古地図との照合結果から、これら旧地名の区域は現桜見荘マンションの所在する地域に概ね重なるものの、境界線の確定は困難であり、地域内における地名の重複や伝承上の解釈違いも散見される。

 3. 発信年代は大正末期から昭和初期にかけてのものが多く含まれており、これらの郵便物は現在の建物が完成するはるか以前のものであると考えられる。

 4. 一部封筒は現代の保存状態からは予想できない良好な状態で発見されており、時間軸の解釈にさらなる混乱をもたらしている。



 『考察』

 歴史研究家のN氏によれば、これらの旧地名は地域の伝承において異界との境界や禁忌の地として知られている。

 特に「幽界村」は古くから「人が近づいてはならない場所」とされ、多くの怪異譚が伝えられているという。

 N氏は「これらの地名が消印として実際に使用されていること自体が極めて異常であり、郵便物の存在自体が時空間的な異常を示している可能性が高い」と述べている。


 今回の調査により、三〇二号室に関連する郵便物の消印に古い旧地名が使われていることが確実となり、これが当該住居の異常現象と深く関係していると推測される。

 特に七十年前の消印が現代の郵便物に押されているかのような事実は、時間軸の歪みや異界との境界が現実への影響を示唆している。

 今後はさらなる物理的調査および地域史の詳細な検証を進め、これらの郵便物の来歴とその意味を解明することが急務である。



 『今後の対応』

 ・消印の一部にインクのかすれや重なりが認められ、印影が通常の郵便消印と異なる特徴を持つものがある。これは模造または何らかの外的要因による影響の可能性がある。

 ・調査過程で発見された郵便物の中には、宛先の書式が現代の日本郵便の規定と異なる例も散見されている。

 ・郵便物の材質や封筒の紙質分析においては、経年変化の割に劣化が少なく、時間経過に関する矛盾が存在する。

 ・地元住民の間では、この地域の旧地名に関連する都市伝説や怪談話が長年語り継がれており、心理的影響も考慮する必要がある。




 以上

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