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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
前編

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24/50

古い新聞記事の掘り起こし


「桜見荘三〇二号室で発生した不審火、住人女性が行方不明」


(○○新聞朝刊 平成二十一年×月△日付)


 伊佐鷺裏市にある小規模マンション「桜見荘」の三〇二号室で、昨夜未明、不審火が発生した。

 消防隊が迅速に出動し火は約三十分後に鎮火されたが、室内に居た三十歳の女性はその後行方不明となっており、現在も捜索が続けられている。


 消防と警察の発表によると、火災通報は深夜一時三十分頃に近隣住民からあったもので「火の手とともに強い異臭が漂う」との通報内容だった。

 消防隊は即座に現場に駆け付けたものの、室内は激しい煙と焼け焦げの跡で視界が悪く、捜索には多大な困難が伴ったという。


 不審な点として、三〇二号室のみが炎上し、上下左右の隣接する部屋には火災の被害が一切及んでいなかったことが明らかとなっている。

 これについて警察は原因不明としているが、局所的かつ限定的な火災発生の異常性に、住民の間で不安の声が広がっている。


 事件現場周辺では、火災発生時に住人が避難する様子は目撃されておらず、静かな中での消火作業が行われたことから、近隣住民の間には「何か異様な雰囲気が漂っていた」との声が上がっていた。



 『住民の証言』

 当時の桜見荘の住民で、三〇一号室に居住していたA氏(仮名・四十代男性)は「火災の音は確かに聞こえたが、誰かが叫ぶ姿や、慌てて逃げる姿は見なかった。むしろ、その異様な静けさに、ただならぬものを感じた」と語る。

 さらに「火災以降、三〇二号室の周辺からは夜間に女性のすすり泣く声や不気味な光が漏れることが増え、住民の間で不安が広がった。原因がわからない」と証言した。

 また別の住人も「夜中に三〇二号室の前を通った時、空気が急に冷たくなり、周囲と明らかに違う冷気を感じた」と話している。

 

 マンション外の地域住民からも同様の声が寄せられており、事件に関係しているのか不安がる声が上がっている。

 しばらくは、善意の地域住民でパトロール隊を結成し、見回りを行うとしている。


 『警察内部情報と隠蔽疑惑』

 匿名を希望する警察関係者の情報によれば、火災事件の捜査は迅速に終了したが、上層部からの圧力により詳細な調査結果は公表されず、真相は闇に葬られた可能性が指摘されている。

 内部からは「何らかの事情により情報が伏せられている」との声が漏れており、市民の間には事件に関する不信感が根強い。

 警察内部でもこのような状態であることから、新たな情報を得ることは難しいと思われる。


 行方不明者が出ていることで、今後の警察の対応が注目される。

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