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隣人意識調査の結果について  作者: 三嶋トウカ
前編

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警備日誌(令和六年十月二十六日)


 【令和六年度 伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 調査報告書 No.B064-追補-04】

 作成日:令和六年十月二十七日

 作成者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 主任 A田B男

 観察者:伊佐鷺裏市役所 防犯推進課 警備員M



 『警備日誌抜粋』

 二〇二四年十月二十六日 二三時四十五分〜午前零時三十分


 当該日時、三〇二号室前にて異常な動きを示す影の存在に関する報告を受けた。

 事務所設置の監視カメラ映像を遡って解析したところ、廊下に何か人影らしきものが一瞬映り込んでいたものの、画質が非常に悪く姿形は判別困難であった。

 カメラの設置角度の関係から、ドア周辺は死角となっている可能性が高い。


 二三時五十二分頃、防犯アラームが連続三回にわたり作動を開始。

 音響警報が事務所内に響き渡り、直ちに現場へ急行を決定。

 現場到着時、三〇二号室のドアノブが激しく揺れている状態であった。

 ドアは施錠されており、内部からの開放は確認できなかった。


 当該ドアに対して複数回呼びかけを行ったが、応答はなく、不審な気配や異音も観察されなかった。

 ドアノブの揺れは人為的な力によるものと推測されるが、周囲に人影や逃走した形跡は認められなかった。


 同行した臨時職員K氏は、現場に到着した際「背後に何者かの視線を感じた」と述べ、緊張した様子であった。

 現場の空気は異様に静かで、周辺の微かな風の音や遠くの車両音だけが響いていた。


 防犯装置を再点検した結果、誤作動の兆候は認められず、装置は正常に作動していると判断。

 事務所へ戻り、監視カメラ映像の再解析を進める予定。



 『監視カメラ映像詳細』

 二三時四十五分〜五十二分間の間、三〇二号室前廊下にて不明瞭な人影が短時間映り込んでいる。

 映像のノイズが多く、動きは断続的であり、影の正確な形状及び性別、服装の特定は困難であった。


 カメラの視野範囲外となっているドア付近では、影の動きが断続的に確認できず、死角であることが影響していると推測される。


 二三時五十二分以降、ドアノブの揺れと同期した振動の波形が監視装置の記録に残されている。

 振動の強さは数秒間隔で増減を繰り返し、徐々に激しさを増す様子がデータから読み取れる。


 映像と振動データを照合した結果、揺れは映像上で影が消えた直後から始まっていることが確認された。

 揺れは物理的に強い力が加えられている可能性が高く、単なる風や偶発的なものとは断定し難い。



 『所感』

 現場到着時の緊迫した状況や臨時職員K氏の証言から、三〇二号室に何らかの異常事態が存在していることは否定できない。

 監視映像に映った人影の不鮮明さとドアノブの激しい揺れの関連性は調査の鍵を握るものである。


 また、ドアの揺れに反応する防犯アラームが正常に機能していることから、物理的な力が何らかの原因で加えられている可能性が高い。


 警備体制の強化と更なる監視範囲の拡大が必要であり、近隣住民への聞き取りや追加の技術的検査を計画すべきと判断する。

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