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1話 ヒロインになりたかったから

 


 「好きな人って、広瀬さんのことなんだけど。

    その、付き合ってくれたりしないかなって」 

 


 あぁ、またこれか。断るのにも体力を使うのに。

 そう思いながら照れたふりをして、その後申し訳なさそうに、



「ごめん。今は習い事を頑張りたくって。

     気持ちはすごく嬉しかった。ありがとう。」



と、習い事なんてしてないけど言う。

 罪悪感はあるけど、断らなかったら私が迷惑することになるしと、これがお約束。


 正直なところ、私はモテる。サラサラストレートの黒髪だし、肌の調子も良くてメイクもオシャレも大好き。 

 アルバイトで稼いだお金は高校2年生ながら美容に使う。

 でも彼氏いない歴イコール年齢の言わば「非リア充」。


 私は広瀬美希。

 小学生の時から少女漫画が大好きで、住宅街の角を曲がれば、王子様と運命の出会いができると思ってた。けど現実はマンション暮らしで、近所にも一軒家よりマンションの方が多い。

 8歳の私はそのシチュエーションを諦めた。


 でもせめて、私にも彼氏ができた時には、その時は「私が好きになった人」と時間を過ごしたい。

 私はきっと、愛されるより愛したいんだ。そう気づいたのは12歳の時。これも少女漫画を読んで思ったことだけど。


 こうして理想だけが天まであがり、ありがたいことに告白をしてくれる男子が現れても、いい返事ができなくなってしまった。

 

 自己中心的なのは分かってるの。でも恋愛を諦めたくないって思っちゃう。


 クラスの友達には「彼氏が27歳」だとか「合コンで会った人とくっついた」とか、嘘か本当か分からないことを言っている子もちらほら。

 みんなキラキラ輝く青春を求め、奮闘してるんだなぁと。


 私にも何か起こらないかな、ってきっとみんな思ったことあるよね。私もそうだった。


 そんな5月11日、私の誕生日。この日を境に、私の高校生活が咲き出したの。

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