矛先-loop-
俺には
ムカつく奴がいるから
誰にだって
ムカつく奴がいる
でも俺は
ムカつく奴に矛先が向かないから
ムカつく奴に矛先を向けられないから
かと言って
弱い者に矛先を向けることは出来ないから
だから
自分に矛先が向く
それでも
掻き消してしまう事は無い
勇気の浪費だと
わかっているつもりだから
と思って誤魔化しているから
だから
自分に矛先が向く
それでも
………………………………
…………………
………………………………
…………………………………
だから
自分に矛先が向く
それでも
…………………………………………………………………
だから
………………
でも
やっぱりわかっていなかった
叫んでしまったのだ
一言
「助けて」
……と
そして
助けられた
きっと
まだ消すわけにはいかない
というのが
俺の本音……なのだろうか
自分でも分からない
でも
たしかに俺は叫んだ
一言
「助けて」
……と
それが
何よりの証拠……なのだろうな
まだ消すわけにはいかない
そして
俺はまだそこまで絶望していない
という事の
何よりの証拠なのだろう
当然のことながら
証拠は身体にも残った
今は白の下に隠れているそれは
俺の身体に残り続けるのだ
見る度に
溜息をつき
思うだろう
無知であったと
触る度に
むず痒くなり
爪で引っ掻きながら
思うだろう
消したいと
しかし
そうはいかないのである
今は白の下のその痕は
まだ絶望していないと気付いた
証拠でもあるのだから
あの
「助けて」と
同じように
故に
見る度に
思うだろう
絶望するまでは
生きてみようかと
触る度に
思うだろう
絶望するまでは
生きてみようかと
…………?
声をかけられた
ベッドから動きたくはないので
首だけを
声の主の方へと向ける
……いや
声の主達
…………だった
知っている顔だった
だんだん滲んでいくその景色を思い出すたびに
思うだろう
絶望しないように
生きてみようか
………と
どうも、かなりの人に初めまして。蒼山です。
さて、えー、二作目です。また散文詩です。そしてまたネガティブ思考なハッピーエンドです。
こういう系しかネタが無いのかって?
いやいや、別にそんなことありません。
とだけ言っておきます。
えっと、後書きがあまり長すぎるのもアレですので(もう十分なげぇよ……)ここら辺でやめておきます。
まぁ、あの、アレなんですけど、よかったら蒼山の記念すべき代一作目「俺と現実とCrazyと」も読んでみて下さい。
それではまたの機会に………。