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魔王拾いました  作者: otsk
海辺の灯台編
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初めての海

「海だー!」


「海だー」


 俺とロロちゃんは初めての海にはしゃぎ倒していた。

 なんか、モンスターが出るというのに、悠長に店を構えてるおっさんがいたのでありがたく海で遊ぶためのものを幾つか借りさせてもらった。


「精神年齢が12才の子と同じの19才ってどうなのよ……」


「その割にはウィナちゃんも、水着一生懸命選んでたよね」


「余計なことは言わんでよろしい」


「でも、まあ、浅瀬は出たとしても、たいして強いものではないらしいから、あまり問題はないだろう」


 カルマさんは俺の方を見た。


「……大丈夫だろう」


 なんだ今の間は。

 そして、スターはと言えば、砂の上に座って精神統一をしていた。


「スターさんよ。遊ぼうぜ」


「ノリが観光に来た人そのものじゃないですか。なんのためにここに来たのか忘れたのですか?」


「おう、忘れた」


「誰か、僕の武器」


「ま、待った!いかんせん、俺はいつも言葉が足りない。今日ぐらいは目的を忘れて遊んでもいんじゃねえかってことだ」


 冗談が通じない堅物な子を相手にするには少々骨が折れる。


「まあ、せっかく着替えたんだし、目的地も、今日は満潮だから明日にならんと、道は開けないって話だろ?」


「そうですが……だからこそ、今、英気を養うべきですよ」


「どこで発散すんだよ。どちらにせよ、今日はモンスターと戦う予定ないぞ」


「まあ、この軽装備では……」


 みんな肌を出してるような格好だし。

 強いてあげても、ロロちゃんが肌が極力出ないように全身を覆うタイプでいるぐらい。

 せっかく、可愛いのにもったいない。まあ、体質もあるし仕方ないけど。


「ソードー!遊ぼー!」


「あんまはしゃぎ過ぎるなよ!ロロちゃん日に弱いんだから」


「ちゃんとガードしてるから大丈夫!」


「スターも、無理にとは言わねえけど、ここで遊んでおかなきゃ、遊ぶときなんてないぜ?国に帰ったら、またお勉強三昧だろうし」


「あなたは勉強しなくていいですからいいですよね」


「まあな!」


「皮肉のつもりでしたけど……」


 自信満々で答えた僕がバカみたいです。

 真面目なのはいいことなんだけど、羽目の外しどころがわかんねえんだよなこいつは。こいつに関しては、別段、アリスほど城を嫌って出てきたわけではないし。

 そうすると城でも修道院でも堅苦しい、息の詰まりそうな生活を規則正しく送ってきたわけだ。俺だったら3日と持たずに逃げ出すな。昔の坊主も真っ青かもしれない。何も、極めちゃいないけど。


「うし、ならビーチバレーだ」


「なんですそれ?」


「さっき、借りてきたおっさんからルールを聞いてきたぜ……ウィナ頼む」


「聞いたのに忘れるとかあんたの脳は鳥並みか」


「面目無い……」


 だって、基本的にネット立ててそこを挟んでボール打ち合って落としたら負けってぐらいしか聞いてない。


「それで十分でしょうが」


「あ、そうなの?」


「厳密には、何回以内に反対側のコートに打たなきゃいけないとか、ラインから出たらアウトとか、点数とかぐらいは分かってて欲しいけど」


「それぐらいなら、やってくうちにわかるだろ。審判はあのおっさんがやってくれるってさ」


 道具をいろいろ貸してくれたおっさんが、協力してくれるらしい。とは言うが、こうして店を開いているのはいいが、シーズンにも関わらず客足はサッパリらしい。

 この世界の人は基本的には海に近づかないことを知らないのか?

 ということで、暇だから一緒に遊ぼうぜ!ってなことだ。

 なかなかなナイスガイ。

 そこまで暇なら店を畳むなり、客寄せするなり、なんなりすればいいのに。別段、近くに国がないわけでもないんだから。


「アウトローな俺には渚の潮風に吹かれてるのが似合ってるぜ……」


 とは言ってるが、近隣の国に元は住んでいたが、なんらかの原因で指名手配されて、亡命してきたと。

 何をやらかしたらそうなるんだ。

 そして、ここで生き延びて、のうのうと海の家を経営中とのことだ。

 もっと、別のことやろうよ。


「いやな。これでも、海をこの身一つで渡ろうとか考えたが、浅知恵だったな。危うく、海の主にやられるところだったが、命からがら逃げてきた。慣れねえことをするもんじゃねえな。そして、ここに流れ着いてじゃあ、心機一転遊びを提供してやるかってな」


 どういう心境の変化があればその結論に至ったのか分からないけど、とりあえず、現段階では悪い人ではないようなので、遊びに付き合ってもらうことにする。

 スターも引っ張り出して、3対3に分かれた。戦力的な問題で、俺、カルマさん、アリス。相手が、ウィナ、スター、ロロちゃんという組み合わせだ。

 まあ、みんな素人だし、ワイワイ楽しくやれればいいだろう。


「よし、じゃあスタート」


 笛の音に合わせて、ボールを打ち出した。


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