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魔王拾いました  作者: otsk
魔法使いの国編
48/145

偶然という名の必然

 俺たちは結局また、ミーナちゃんの家へと戻って来ていた。

 別に忘れ物ではない。

 察しはつくと思うが、まさに依頼主の住所がここだったのだ。

 狙ったわけじゃないよな?


「ただいまー」


「おかえりー。って、あれ?戻って来たんですか?忘れ物ですか?」


「いやな……」


 俺たちが来たのと反対側から車がやってきて、屋敷の前に止まった。


「お父さん?」


「お父さん?」


 パピー?ファザー?

 運転手が、最初に降り、後ろの扉を開き、いかにも上品そうな男性と女性が降りてきた。


「お父さん!お母さん!おかえり!」


 ミーナちゃんが降りてきた二人をめがけて走っていった。

 女性の方がミーナちゃんを受け止める。


「ただいまミーナ。ちゃんといい子にしてた?」


「私的にはしてたと思うけど、ばあやに聞いて」


「相変わらずね」


 クスクスとこれまた上品に笑うご婦人。


「君たちが護衛の人たちでいいかな?」


「あ、はい。よろしくお願いします。俺はソードです」


「私はウィナです」


「スターです。こちらは妹のアリス」


「よろしく。五人と聞いていたのだが……」


 やべ。ロロちゃん戻すの忘れてた。


「すいません。少々お待ちください」


 アリスを連行して、ロロちゃんに元に戻ってもらう。


「疲れるんだから、あんまり変身させないでよ」


「今回だけだから我慢してくれ」


 一応物陰に隠れて、変身を解いてもらう。どちらが先なのかという話もあるが、きっと現在の姿の方が先であると思うので解くで合ってるはず。


「お待たせしました。最後の一人、ロロちゃんです」


「ロロです」


「これはまた可愛らしい護衛だな。大丈夫かね?」


「これ、許可証です」


「ん、まあ、ちゃんと認可証をもらっているな。では、早速昼からの出発といきたいのだが、大丈夫かね?」


「ええ。えと、あなたは」


「ああ、こちらの自己紹介がまだだったね。私はリーチェル。向こうにいるのが、妻のシルフと娘のミーナです」


「あの申し上げにくいんですけど、先日からここに泊めてもらってるんです。ミーナさんの誘いで」


「これはこれは。ばあや一人では暇を持て余してたのでしょうな。時々あるのですよ。旅の人を招いて、話を聞いているのです」


「怒らないんですか?」


「寂しい思いをさせているのは事実ですしね。兄がいればまだしも……これは、あなたには関係のない話ですね。中へ上がってください。少し、休息をとってからいくことにしましょう」


 ロロちゃんのほうはあまり話を聞く気はなかったのか、さっさとミーナちゃんの方へと向かっていっていた。

 にしても、度々やってんのか。今回みたいなこと。

 どこの素性の知れないやつなんだから、何されるかもわかったもんじゃないのに。

 その辺りはちゃんと見分けているのだろうか。

 もしくは、俺みたいに他に女の子のパーティメンバーがいるのがわかってる場合に誘っているのか。

 俺の思考とはよそに、リーチェルさんに促されるままに屋敷にまた戻ることとなった。


 ーーーーーーーーーーーーー


「で、今回の依頼だが……」


 国を出て、少ししたところの遺跡に調査に行くらしい。

 まだまだ調べられてないところが多数あるとのことだ。

 だが、リーチェルさんは国でも有数の資産家であるため、狙われる可能性がないわけではない。そこで、護衛を募っていたらしい。


「一週間前から募っていたんだが、なかなか人が集まらなくてね」


「そんなに危険なんですか?」


「有数の魔法使いが多いからね。悪用しようというものも少なくないんだ。君たちが来てくれたから、ようやく人数が集まったってところだ」


「何人ぐらいですか?」


「ざっと20人ぐらいか。あまりいすぎても、統制を乱すし、その場合は調査の妨げにもなりかねない。半数ぐらいは元々いる私の兵だが、気にしないでくれ。彼らとはどうせ、今回の仕事だけの関係だ」


 まあ、クエストだし、依頼人の希望に添えるのが受注した俺たちの役割だ。

 それにしても、ドライな感じだが、それでは逆に統制が取れないような気がしなくもない。

 まあ、この人ではなく他に指揮を取る人もいるだろう。あくまでも、俺たちに課せられている任務はリーチェルさんの護衛なのだ。


「また偶然もあるものですね」


「というと?」


「偶々、あなたの娘さんに家に来るように誘われて、偶々依頼書を取ったら、依頼人はその親だったって」


「ならば、ここにあなたが訪れた時点で、それは決まっていたことなのかもしれませんよ。ミーナが誘うのも、私が依頼したの受注するのも」


「そういうものですかね?」


「それと、どうやら女の子が多いようですが大丈夫ですか?」


「一人は国最強の魔法使いで、一人はアホみたいな才能持ちなんで、まあ一人は目をつむってください。諸事情で一緒にいるんで」


「あのミーナと一緒に遊んでくれている子かな?」


 察してくれたようで何よりです。

 返事をする代わりに頷いておく。


「旅をしてるというからには、何か特殊な力があると踏んでるのだが、そういった類ではないのかな?」


「まあ、人並みには戦えるので戦力にはなりますよ」


「いや、私が懸念しているのは戦力的な面ではないんだが」


「?」


「まあ、兵というからには男が多い。中には女性もいるが少数だ。血の気の多いものもいるから、君たちが守るんだよ」


 なるほど。襲われるのは外からだけとも限らないのか。

 中身はどうあれ、外面は可愛い美少女が三人揃ってるしな。

 3日あれば何があるともわからない。

 一番危ないのはアリスのような気がするが……ブラコン兄貴に任せるか。


「誰がブラコン兄貴ですか」


「兄貴はお前しかいない」


「あなたも守ってくださいよ。『お兄ちゃん』」


「やめろ。お前から呼ばれると寒気しかしねえ」


 口ではこう言ってるが、アリスのことはこいつに任せておけばいいだろう。うちの戦力としては王子がエースなのが俺としては遺憾なことだが、事実はひっくり返られない。


「あと、ロロちゃんも頼んでいいか?」


「構いませんが……ウィナさんとソードさんでは、ソードさんが守られる側でしょう?」


「うっせ。あいつが寝てる間を警備しとけばいんだよ」


「あなたが襲いそうな気がしてならないんですが」


「お前は俺と旅して来て何を見てきたんだ⁉︎」


「ぶっちゃけいえば、全部憶測です」


 なんかどんどん、俺が変態であるというのが確立しているぞ。そんな事実はあってはならない。

 今言っても、きっと聞く耳持たないだろうし、大人しく、椅子の背もたれに体重を預ける。


「与太話もこの辺りにしておきましょうか。集めてください。そろそろ出ましょう」


「奥さんは?」


「妻は留守番だ。外へ出る場合は基本私だけなのでね」


「そうですか」


 ミーナちゃんと遊んでいた女子三人を集めて、屋敷を出る。

 屋敷の前には、先ほどの車プラス三台ほど増えていた。

 国から出る手前まではこれで行くのだろう。

 俺たちはリーチェルさんと一緒に乗り込む。少しでも交流を深めたいとのことだ。それとプラスで今回指揮を取るという女性が同乗していた。

 なんだ、女性の人が指揮を取るのか。なら、安心だな。

 このパーティーでの初のクエストに、少しの緊張と期待を寄せて、調査先の遺跡と向かった。




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