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お妃様と魔法の鏡と狩人

「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。 世界で、誰がいちばん美しいか、いっておくれ。」

 お妃様は私にそう問われました。

なので、私は答えます、

「お妃様、お妃様は決して美しいお方ではありません。

なぜなら今一番美しいのは白雪姫だからです。」

するとお妃様はおっしゃいました。

「まぁ・・・なんということでしょう!!この私より美しい人がいていいわけないじゃない!」

 お妃様はお怒りになっておられます。

「鏡よ、白雪姫は私のために死ななければならないわ。

 どうしたらいいかしら?」

私は答えます。

「白雪姫はこの国の姫様でございます。」

「そんなのわかっているわ!」

 お妃様をもっと怒らせてしまいました。

「はい。では、狩人を呼びましょうか。」

「狩人を呼んでちょうだい。」

お妃様は怒りに震えた声でそうおっしゃいました。

「お呼びでしょうか」

まもなく、狩人がやってきました。

狩人は一瞬戸惑った顔をしました。しかしお妃様はそれに気づかれる様子もなく、

「白雪姫を森へ連れ出して殺してしまって。」

と冷たくおっしゃいました。狩人は余計に戸惑った顔をしました。

そして、ふと、顔をこちらにあげますと、

「大変申し訳ないのですが、質問をさせていただいてよろしいでしょうか。」

と、何かを決心したような顔で。

「申せ。」

「さとな、という名前に聞き覚えはありませんでしょうか。」

お妃様は一瞬驚かれたようなお顔をなさいましたが、すぐにいつものお顔に戻って、

「そんなことはどうでも良い。早く、白雪姫を殺しておしまい。」

と、今度はお妃様のほうがひどく戸惑った顔をなさっておられました。


 しかし、私もその名前に聞き覚えがあるのですが、どこで聞いたのか、はたまたいつ聞いたのかすら覚えていないのです。不思議なこともあるものですね。

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