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4.キャンパス外教育

今日は学校の校外学習フィールドトリップの日。目的地へ向かう観光バスの中。


\[CCは窓際の席に座っているが、ノートを取り出す気配はない。代わりに、静かに窓の外を眺め、両手は軽く膝の上に重ねられている。帽子のツバはいつもより少し深めに被っている。彼女のバッグの中身は、全て重量と取り出し順序に基づいて配置され、整然としている。\]

(CCのバッグ内確認)

ノート、ペン、クッキー、水筒。重要なものは全て揃っている。


観光バス内の皆がまだ楽しげに日程について話し合っているのを見て、バッグの整理を終えたCCは自ら会話に加わろうと、咲良に声をかけた。


(咲良は興奮して振り向き、手作りのクッキーの袋を差し出した)

CC、何かお菓子持ってきた?私は母さんが作ったサンドイッチと、このクッキーを持ってきたよ!交換しよう!


(CCはクッキーを受け取り、じっくりと一瞥した後、バッグからラベルの貼られたクッキーを一つ取り出して返礼した)

ありがとう。私はこれを持ってきたわ。これは私の血糖値が二時間以内に安定を保てるようにするためのもの。あなたのクッキーは美味しそうだけれど、一日の糖分摂取総量をコントロールしなければならないの。


(咲良は笑って首を振る)

もう、あなたはどこにいても実験でもしてるみたいなんだから!


\[悠人は一つ前の席に座っており、彼は表紙のない古い小説をバッグから取り出し、読み始めた。隣の零司はタブレットを開き、バス内の生徒たちの**「興奮度」**に関するデータ収集を始めている。\]


(CCのモノローグ)

零司くんはデータ収集。そして悠人くんは読書。彼はこの日程のために何の準備もしていない。バッグには水と本だけ。これは究極の気まぐれさで、私とは真逆。彼らしいわね。


---


観光バスは目的地に到着した。古風な街並み、両脇には伝統的な小さな店が並んでいる。


\[自由時間。団体が解散した後、CCは事前に計画したルートに従い、「歴史的建造物見学エリア」へ向かう準備をしていた。\]


ねえ、CC!

咲良がCCの手を掴み、見学ルートとは真逆の方向へ引っ張った。

ちょっと!咲良、どこへ行くの?


(咲良とCCは、地元の名物である**焼き団子**の屋台の前で立ち止まった)

わあ! CC!このお団子、すごく良い匂い!並んで買いに行こうよ!


CCは、計画外の行動が後の時間に影響する可能性が高いと明確に分かっていたが、咲良の真摯な瞳を見て、すぐに断ることもできなかった。


(CCはまず立ち止まり、空中の香りを嗅いだ。お腹が微かに空いた)

分かったわ、付き合ってあげる。でも、もしお腹を壊しても、私は知らないからね。


これでこそCCだ!さあ、並ぼう!


\[その時、悠人が隣の書店から出てきた。彼も串に刺さった焼き団子を一本買い、ゆっくりと味わっているところだった。彼はCCに気づき、近づいてきた。\]


(悠人の手元のお団子は湯気を立てており、食欲をそそる香りが漂う)

二人とも、買い終わったら、後ろの書店を見ていかない?あそこの品物はどれもすごく凝っていて、健太も気に入ってたよ。


いいよ!それならCCもちょうど新しいノートが買えるね。

(咲良は何事にも返事をするのが非常に早い)


(CCの口調は驚きを帯びていた)

いいわ。悠人くんたちはもう書店を見終わったの?

(彼女がそう尋ねたのは、CCの元々の計画では、日程の最後に一人で20分間、ここに寄って書店を巡る予定だったからだ。)


(悠人は少し思案し、すぐに何かを悟ったようだった)

ああ、健太たちとはもう見終わったよ。さっきレジの左側の下に青いノートがあったのを見かけたんだけど、買おうか迷ったけど、あまり使わないからやめたんだ。


悠人ー!さっきすげー可愛いお土産見つけたんだぜ、見に来ないか?(健太が興奮しながら戸口から走ってきた)

おう、いいよ。(悠人は返事をした後、CCの方を向き、優しい口調で言った)

じゃあ、そういうことで。書店で待ってるね。


チリンチリン……。店先の鈴が鳴り、CCと咲良の二人はお団子を手に、のんびりと店内に入った。


ねえ、悠人。

(CCは店の中をさっと見回したが、健太や他の生徒たちの姿は見えなかった)


おかしいわ、他のクラスメイトたちはどこに?

(咲良はまだ口に含んだままのお団子のせいで、言葉がはっきりしない)


彼らには先に進んでもらったよ。全員がここにいると時間をロスしてしまうと思ったけど、二人とはぐれてしまうのも心配だったから、僕が残って待っていたんだ。悠人は淀みなく説明した。


じゃあ私も先に合流するね、バイバイCC。

(咲良は賢く一歩先に立ち去り、CCと悠人だけの空間を作ろうとした。CCの親友である彼女は、二人をくっつけたいというよりも、悠人といる時のCCの様子が純粋に好きなのだ。)


咲良は素早く観光ルートへと向かい、CCと悠人だけが残された。


---


20分後。大部隊より後方にいた咲良は、CCと悠人を見かけた。

二人は古街を並んで歩いており、CCの頬は赤く、帽子はいつもより深く被っているように見えた。手には青いノートを抱えており、一方の悠人は、いかにも悠然としているようで、実際は視線をCCの方に一切向けようとしていなかった。


(咲良は、そんなCCが最高に可愛らしいと感じ、興奮して声をかけた)

ハイ!CC、楽しかった?何か甘い出来事でもあったんじゃないの? 咲良は**抑えきれない微かな笑み**を浮かべてCCに尋ねた。


な、何でもないわ!咲良、変なこと言わないで!(CCは慌てて説明し、同時に彼女の頬はさらに赤くなった)


ふふ、分かったよCC。さあ、先に進もう!この先にはまだ観光地があるんだから!


---


あっという間に時間は夜の10時になった。

女子たちの宿泊する部屋。CCは整然としたパジャマ姿で、部屋の中央に立ち、手には行程表まで持っている。


CC

(真面目な顔で、架空の眼鏡を押し上げる)

皆さん、ただいま22:00です。校外学習ハンドブック第3章第5条に基づき、消灯・就寝時刻です。

明日の体力運営効率を100%に保つため、直ちに**「睡眠準備モード」**に移行してください。

咲良

(全く聞いておらず、ポテトチップスを直接CCの口に押し込んだ)

もう、CC!せっかくのお泊まりなんだから、その「睡眠モード」は**一旦オフ**にしなきゃ!


(CCはポテトチップスを噛みながら、呆然とする)

うっ……!……!


(女子たちは笑いながらCCを絨毯の上に引きずり下ろして座らせた)

ほらほら!CCは真ん中に座って!今夜は**「女子限定情報交換会ガールズトーク」**よ!

\[CCは強引に柔らかな絨毯の上に座らされた。彼女は周りの興奮した女子たちを見て、口の中のポテトチップスの味は予想外に悪くなかった。\]


CC

(噛みながら、抵抗を諦め、口調が少し和らぐ)

もういいわ。見回りの先生はもう行ったようだし。


\[みんなが話し始めると、雰囲気は盛り上がった。咲良はCCの頭に被った帽子をじっと見つめた。\]


咲良

そういえば、CCは寝るときまで帽子を被ってるの?暑くないの?


(CCは無意識に頭を庇った)

ふん、もちろん暑くないわ。私はお風呂に入る時以外はいつも被っているし、それに帽子は私の**集中力を保つのに役立つ**し……

\[言い終わらないうちに、咲良は素早く彼女の帽子をひょいと取り去った。\]


(CCは驚いて声を上げる)

あ!

\[なめらかな黒髪が解け、普段は隠されている、**清潔でふっくらとした額**があらわになった。帽子のツバの影がなくなり、彼女の大きな瞳は戸惑いを見せ、頬は恥ずかしさで微かに赤くなっている。\]


美波

(驚嘆して)

わあ! CC、帽子を取ると**超可愛い**!それに肌がすごく綺麗!


一同

(顔を近づけて見る)

本当だ!肌が白いし、触るとすごく滑らかだよ!

(誰かがそっとCCの頬を触った。)


(CCは皆の近距離観察に顔を赤くし、視線を泳がせる)

わ、私はただ基本的な清潔を保っているだけで、普段特別なスキンケア用品なんて使っていないわ。


咲良

(たくさんのボトルや容器を取り出す)

そんなに肌の土台が良いなら、もっと手入れしなきゃ!さあ、CCの**「フルセットアップグレード」**を手伝ってあげる!

\[女子たちはCCの顔に化粧品を塗り始めた。CCは口では「この成分は粘着度が高すぎるわ……」「この匂いは嗅覚の判断に影響を及ぼす……」と言っていたが、完全に逃げられなかった。\]


\[23:30 スキンケアが終わり、皆がマスクを貼ったり乳液を塗ったりして、輪になって**「真実か挑戦か(Truth or Dare)」**を始めた。\]

瓶が回り……CCの前で止まった。


美波

(目を輝かせて)

よし!**真実(Truth)**!CC、一番重要な質問をするよ!


CC

(こう聞かれるということは、絶対に碌な質問ではないわ、とCCは心の中で思った)

どんな質問?


(咲良が意地悪な笑みを浮かべて尋ねた)

CC、**彼氏ボーイフレンド**と付き合ったことはある?


(CCは即答した)

全くないわ。


美波

(畳み掛ける)

じゃあ……男の子と**キス**したことは?


\[場内は静まり返り、数対の目がCCを凝視した。\]

\[CCの脳裏に、一瞬、白髪の男子の後ろ姿と共に、封印されていたいくつかの記憶がフラッシュバックする。\]


(CCの心臓が瞬時に加速し、慌てて答えようとする)

ハハ、私はさっき彼氏と付き合ったことはないと言ったでしょう?あ、ありえ……るわけないじゃない、ハハ……ハ。


その場にいた女子たちは、この拙い嘘を一瞬で見抜き、一斉に笑い始めた。


咲良

(詰め寄る)

これは**特大ニュース**だわ。賢くて理性的なCCが、男の子とキスしたなんて!


美波はCCの横顔に顔を近づけ、彼女の耳元でそっと囁いた。

ねえ、相手が誰なのか教えてくれない?

部屋の中は瞬時に**ひそひそ話モード**に切り替わり、皆が互いの距離を縮めた。


CC

(顔は真っ赤で、耳の根元まで紅潮している)

駄目よ。死んでも言わないわ。


\[皆が話し合いで混乱している隙に、咲良は枕を掴み、CCに向かって投げつけた。\]


咲良

言わないなら罰ゲーム!


**パフ!** 枕は柔らかくCCの顔に当たった。


CC

(呆然とし、枕をどける)

まさか、私に枕を投げつけるなんて。


\[CCの眼差しが変わった。もはやいつもの冷静さはなく、**一筋の遊び心と負けん気**が宿っている。彼女は枕を掴み、手の中で重さを確かめるように軽く持ち上げた。\]


CC

(口角を上げ)

ならば、私も**反撃カウンター**する必要があるわね。

ターゲットロックオン:長谷川咲良。投擲軌道計算完了……発射!

ヒューッ――**ドスッ!**

枕は正確に咲良の顔面に命中した。


咲良

やるね!CC、本気モードだ!みんな、行くよ!


\[部屋は瞬く間に戦場と化した。羽根が舞い、笑い声が絶えない。\]

\[CCはもはや隅に隠れることなく、ベッドの上を跳ね回った。

\[この夜、睡眠効率を気にする者も、行程表を気にする者もいなかった。\]


---


CCの簡易日記


**混沌度:** 100%。

**睡眠効率:** 0。

**心情指数:**……**過去最高値(オール

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