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番外編 1−2 死ぬこと、殺すこと、殺されること(シフォン視点)


「し、死ねない……?」


多分、普通の人だったら、ただの他人だったなら。

ちょっと笑って馬鹿にして、それで終わりだったんだろう。


……ただ、冗談だと思えないくらいにその女の笑顔は本気に見えたし、実際その時、そのくらいうちの頭は混乱していた。


「良いよね、家族に売られるとか、本当に悲劇のヒロインみたい。……いいな、うん」


何を勝手に納得したのかは知らないけど、そう、ぼそっと独り言のように呟くや否や、そいつは私に触れてきて。


「“転移”」


うちの耳が正しければ、そう唱えたのだった。

……“完全”でなければ、“完璧”でなければ使えないはずの、その魔法の詠唱を。







「……さてさて、いらっしゃい。私の秘密基地へようこそ、シフォン」


気が付けばうちは椅子から立ち上がっていて。

声をかけられて、はっとしつつ辺りを見渡してみる。


転移した先はどこかの洞窟、ではなく、どこかの崖の下だった。


……は?って、初めて来た人ならきっとみんな思うだろう。

なんていったって崖下、要するに石の壁前と何ら変わりはないのだから。


ただその直後、うちは驚かされることになった。


「“開けゴマ~”」

「……え?」


仕組みは分からないけれど、岩が割れた、というより岩に穴が開いたのだ。

ただの崖にしか見えない行き当たりに、一瞬で。


「ついておいで、シフォン?」

「ぇ、ぁ……」


急に歩き出した彼女を慌てて追いかけた。


入ってみてまたも驚く。

……壁や地面すら、木でできているように見えるのに魔力を持っているのだ。

微かな物もあるけれど、ほぼ、というよりうちの目に見えるすべてに魔力が溢れているように見えた。


後ろで扉の閉まる音がして、振り向く。

彼女は私より先に奥へ入っていて、当然ながら誰もいない。


「……?」


不気味に思いながらも、見失わないように女を追いかけた。

しばらく追いかけて、何も言わずに言われずに、黙々と歩いて最終的に着いたのは、机と椅子だけの部屋。


「……え、ちょっと、死ねないって、どいうこと、……ですか?」


そう問うてみれば、きょとんとした顔で返される。

何の話、と言いたげな顔だ。


「……あ、私の名前はベリーだよ!お姉ちゃんって呼んで!」

「それは聞いてないです。あの、さっきの死ねない魔法……は、冗談、なんですか?」


検討違いな答えを返され、即座に否定した。


そして、聞きたかったことを聞く。

これが真実か否かは、うちにとって本当に重要で――。


「え?嘘だよ?」

「――」

「……っていったら、多分自殺するだろうなって思ってたからね。本当だよ。……でも君、結構躊躇とかないんだねえ、意外だ。さっきまでオドオドしてたのに」


うちはベリーを睨みつけた。


彼女が嘘だと言った瞬間に、うちが自分の胸に突き刺したはずのナイフはうちの服を破いたけれど、うちの肌には傷一つなかったのだった。


「……ねえ、君。何歳?」

「?……7才だけど、じゃなくて、ですけど」

「そう、そっか、7か、しっかりしてるねえ、まだ子供じゃん」


うちは首を傾げた。

そんな風に言うほど、言えるほど、ベリーという彼女が大人のようには見えなかったから。


「ならさ、うん。18までは殺してあげない。それまではその魔法は解かないよ」

「…………は?」

「ちゃんと死ぬ理由を見つけることだね。その覚悟があるって言うならその時は……私が精々楽に、殺してあげるとも」




Q1 更新頻度がカスになりつつあります。どうしましょう?

A1 タイピングの練習をしましょう。素早く一話を書き終えられるようになります。


Q2 明日の朝の分が終わりません!どうしましょう!?

A2 徹夜しろ。

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