80 「勘違い、でしたのね?」
あれっ、なんか、おかしいな?
気付いたら、11日なのに、投稿作品の最終更新日は9日で、あれ?
……あれ?
「……」
「……??」
私たちが困惑して何も言い返さないのをいいことに、第一側妃様はペラペラと舌を回す。
「わたくし、知っていますのよ!『救援要請』による王家の支援を、全く活用せずに魔物の行進を終えたのでしょう!もう、『救援要請』なんて制度、要らないのではなくて!?」
「――そんな訳ないわ、第一側妃様」
おお、これまたびしっと言ったな。
微笑みを浮かべたままでそう言った第二側妃様に、なんというか、ルー君っぽさを感じる。
「今回は本当に、特例の特例だったの。それに、第一側妃様ったら、ご存知でしょう?王家にとって要請を通すことは義務に近いのよ?救援要請をなくすだなんて、今までに築かれた王家の顔に泥を塗るようなものだわ?」
“顔”とは、この貴族社会にて“信頼”の隠語である。
……本っ当に底意地が悪いな、この人。
第一側妃様は顔を赤く染めて震えていた。
両手に持つ派手な扇を閉じて、第二側妃様を睨んでいた。
対して、第二側妃様はとってもどうでも良さそうである。
この人が言ったのは、要するに「それ、自分で自分の地位を貶める行為ですけど頭大丈夫?」ってことだ。
……まあ、言い出した第一側妃が悪いな。
なんというか、言ったら詰むのだ、救援要請をなくしませんかって言葉は。
だから、これに対する最適な答えとして、
「……ええ、存じ上げておりますわ」
こう、答えるしかないんだよな、君は。
第二側妃様はにっこり笑った。
綺麗な綺麗な、淑女の笑みである。
「そうですの、わたくしったらごめんなさい、勘違いでしたのね?」
「……ええ」
第一側妃様が小さく歯ぎしりしたのを、私の耳は聞き逃さなかった。




