78 贈り物はこれとこれと、
「……痛くない?」
「あ、今は大丈夫な感じ?」
「はい……」
ぼそっと呟いた側近さんのひとりごとを拾う。
外に出してる魔力を抑えれば大丈夫って辺り、やっぱ完全に私のせいだな。
「ん-?ちょっと魔力、私に通して貰っていい?」
「?……分かりました。えっと……」
魔力を動かしてるんだろう、側近さんが目を瞑った。
相変わらずピリピリするなあ、と呑気に考えていた次の瞬間である。
「い゙っっ――!!?」
「「「「「――!?」」」」」
……び、びっくりしたあ。
想像以上に痛かったし、こっわ。
さっきの動けない状態の側近さんの気持ちがよっく分かった。
「だっ――!?」
「大丈夫、ありがと側近さん」
なんか叫ばれそうな気配を感じ取り、先んじて喋っておく。
出鼻をくじかれ、何か言いたそうな王妃様もリーも口を閉じた。
「さてっ、じゃあここに来た用件なんだけどね、まず王様にこれ、はい」
「……ふむ」
さっきの魔王様に貰ったお手紙の複製を取り出し、渡す。
リーは私と王様の手にあるものを見て疑問符を浮かべていた。
「王妃様にはこれとこれと……」
「!……カヴィナ、あの、今度で良いんですよ?」
瓶詰にした紅茶の葉っぱ、王妃様の好きな飴ちゃんセット、琥珀糖、クッキーなど、その他諸々をクローゼットから出してっと。
その間、雨型の飴を見て王妃様が目を輝かせたのを見逃さない。
「……テディー商会長?」
「はーい?何です?」
王様には敬語。
王様には敬語。
王様に話しかけられた時に一発で敬語を出せるよう、頭の中で唱え続けていたのが早速役に立った。
「その、貴女は我が妃にいつもそのような、贈り物をしているのだろうか?」
「……」
王妃様かわいい~でいっぱいになっていた頭と緩んでいた頬が、すんっと消えた。
消えたと言っても真顔じゃなくて、ちゃんと目が点レベルである。
……だって、王妃様が我が妃って言葉に反応してたから。
「そうですが、なにか?それこそ王様は、王妃様に贈り物、しないので?」
「えっ、こらカヴィナ……」
王妃様がぽっと顔を赤らめる。
「……余は……その……」
「ねえ、王妃様?王妃様だって、王様からの贈り物、欲しいよね?」
「え、えっと……」
ドギマギする王様と、恥ずかしそうな王妃様の図、である。
……なんか、冷めたな。
他人同士のいちゃいちゃを見てる時ほど辛い物はない。
「ん、リー、早く王様の印鑑、あと言質、貰ってきて」
「……ああ、分かった。……失礼、私は……」
……わたし?私って言ったのか、今、リーったら。
…………リーって、礼儀払えたんだ。
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