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70 教会へようこそ


「……まあ、お久しぶりです」

「あ、こんにちは!そうですね、ちょっと最近来れてなかったので、お久しぶりです!」


適当に浮かべていた微笑から、“元気で明るい可愛い女の子”な満面の笑顔にシフトチェンジする。

びしっと片手を頭の前に、現れたその人へ敬礼した。


「今日も掃除ですか?シスター・ミア」

「はい、そうです。キャズ様もいつも通り、祈願室へ行くのですか?」


キャズン・ミント……ここ、教会へ訪れる時の私の偽名である。


今の私の外見はと言うと、青よりの水色の髪に、灰色の眼をしている。

背は160弱くらい。

いつもは120も満たないから、大分伸ばしている。


いや、この世界の平均、かなり低いんだよ、そもそも。

前世の地球と違って、栄養バランスがあること自体知られてないし、食べ物を選り好みできるほど裕福なのは貴族くらいだからね。


髪は肩くらいまであるのを左右で三つ編みをして、白い布で結んでいる。

……普段何気なくテディー商会で使ってる髪ゴムって、実は企業秘密の一端で、持ち出すのってあんまり良くないのだ。


「ええ。祈願室は空いてますか?」

「空いていたと思いますよ。……あなたが懸命に祈れば、願いはアテネ様に届き、そして叶うでしょう。『――あなたに運命の祝福を』」

「……ありがとうございます」


まあ、アテネ様に用がある訳じゃないんだけどね……と思いながらも、祈りを捧げるポーズなのか、毎度同じく屈むミアさんの横を通って教会の中に入った。


教会に入り、信徒の人に案内をしてもらって一つの祈願室に入る。

祈願室は入り口すら辺の一部とするような丸い部屋で、天井に誰とも知れない像が飾ってある。

部屋の壁に沿うように繋がった段差があり、それが椅子代わりというわけだ。


早速、と扉を閉めて座り、普通に祈った。


「お久しぶりです、神様……」


と、そう声に出して。

……あ、普通に防音結界は張ってるよ?




読んでくれてありがとう!

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