68 仕切り直して出発、兼、お迎え
年末忙しくてなかなか出せずすみません。
頑張ります。
「……あ、私もう抜けるね」
「「「え」」」
何人かの声が揃った。
……え、逆にまだやるの?
トランプ出したの、初めてじゃないのに……新しく教えた大富豪がそんなに楽しかったんだろうか。
「トランプは置いてくよ?」
苦笑しながらそう言うと、みんなはぱちぱちと瞬きをして、お互いに顔を見合わせる。
「……いえ、そうではなく……」
「の」
「ベルを迎えに行くってこと?」
「うん、そう」
「あ、俺抜けるっす」
「ん、ラリーはできるだけ急いでね」
「はいっす」
ラリーが一抜け。
しばらくすると詠唱が廊下から聞こえたので、多分転移したのかな。
「ステラもなんなら一緒に来る?」
「……え?」
「駄目ですよぉ、カヴィナ様ぁ~?」
止めたのはシェイラだ。
「ん、そういえばまだ“研修”?」
「そうですねぇ、ステラちゃん、呑みこみは早いんですがぁ~……」
「「?」」
「昨日とか本当に、ベルちゃんのことが心配みたいでぇ……」
「――っち、違うわよ!!」
赤くなって弁解しようとするステラを、温かい目で見守った。
……多分、シェイも同じような表情だったのだろうけど、赤い顔のままリビングから出て行った。
「それじゃあぁ~、私も行きますねぇ、カヴィナ様ぁ」
「ん、おっけー。頑張ってね」
「は~い~」
ルー君とメノウがトランプを片付け始める。
私はシェイラに付いて行かず、キッチンからコップとリンゴジュースの入った瓶を持ってきたエリック君に視線をやる。
……それ確か、メノウが絶対に一本はストックしてるやつだ。
「……美味しい?それ」
「ああ……じゃなくて、はい」
時刻は10時半。
そろそろ行かないといけない。
……結局、シフォンのこと叱ってないからなあ。
「そう、それは良かった。……んじゃ私ももう行くけど、メノウはちゃんと寝るんだよ?」
「はい、なのです」
「行ってらっしゃいませ」
「ん、ルーもお仕事頑張ってねえ」
「勿論です」
そういえば、結局ルー君ってどうして戻ってきたのだろうか。
……まあいっか?今度聞こっと。
(“転移”)




