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61 かわいい!



「……うん、いつも通り」


一応近所迷惑を考えて小さめの声を発する。

私が転移先としてよく使う、私の部屋。

第四の拠点である。


流石に女の子同士とはいえ部屋に無許可の不法侵入はいかがなものかと思ったので、自分の部屋にした。


たった1日くらいしか開けてないので、当然汚れていたり埃が溜まっていたりとかはない。


ミーの部屋は隣だったはずだ。

階段から遠い順に地位の高い順にしていたはずだから。


静かにドアを開けて、すぐ隣のドアを、控えめにノックした。

……ちゃんと『メノウ』と書かれた名札が降りているので、ここで合ってると思う。


「……どなたなのです?」

「カヴィナ・テディー、です」

「ぇ――!?!?」


ミーが小さく声を漏らしたあとに、バタバタ音が鳴り、収まり、ドアが開いた。

目をうるませ、顔をほのかに赤く上気させているミーを目にして、凄くいたたまれない気持ちになる。


「朝早くにごめんね、ミー」

「い、いえっ……あの、中へどうぞ、なのです?」

「うん、ありがと。……失礼します」


ぺこりとお辞儀をしながら入らせてもらうと、不安そうな顔をしているミーと目が合う。

一端、バックステップで後退してドアを閉めた。

落ち着け、深呼吸、深呼吸。


(いや、落ち着けないが!?え、こっわ!!何、え、は?凄いえっちなんだが!?何があったの、この一日で!!もしやこの小説、R18だったのか!?!?いやそんなはずは……!)


落ち着け、本当に落ち着け。


やばいよ、うちの子がやばい。可愛すぎる。

学園に入れる年になったら入れようかと思ってたけど、駄目かも。攫われるよ、こんなかわいい子。


しかも、え、なに?なんか、色気が増しているというか、お姉さん味が増したというか。

……本当になにがあった。


「あの、カヴィナ様?どうされたのですか?なにか不快なことでも――」


音を立てないくらいの素早さでドアを開けて、入って、閉めて。

このドア外開きなせいか分かりづらかったみたいで、急に現れたように見えたのだろうか。私から、ミーが驚いたように後ずさる。


「……あー…………」

「カヴィナ様?一体どうしたのです?」


まあ後ずさるスピードより速くハグすればいいんだけど。

ぎゅうっと抱きしめれば、戸惑いつつも抱きしめ返してくれる。


……どうした?

どうしたかって聞いたの?


「……かわいい」

「…………へ?」


誰かが可愛いとイケメンは罪だと言った。……その通りかもしれない。

イケメンは知らんが、可愛すぎるのは罪だ。確定演出。


いや何、いいと思うのだけども。可愛い子って癒されるし。

可愛い子自身に罪はないはずなのだ。周りの意思が弱いだけだ。可愛い子は悪くない。


……ただ、問題があるとすれば。

内面込みで溢れ出る可愛さは隠すことすらできない、ということろう。


「メノウ、駄目だからね」

「……の?」

「他所の男にそんな可愛い顔、晒しちゃいけないよ」

「……っ~~!?」


どこがヒットしたのかは分からないけど、横から見てもミーの顔の赤さが分かった。

可愛い。


「はあ、可愛い……」

「なっ、えっ――!?」


どさくさに紛れてミーを部屋の奥に引っ張り、ベッドの上に押し倒す。


……うん、危ない感じしかしないね。

良くない。


「よいしょ」

「??」


しっかり理性で即断して、傍にあった掛け布団を頭から被せた。


「あの、カヴィナ様、カヴィナ様……っ!!」

「可愛い~」


掛け布団ごと抱きしめた。

本当に可愛い。


……とまあ、ふざけるのはここまで。


「うん、とりあえずおはよう、ミー」

「おはようございます、なのです」


布団をはいであげて、地面に正座した。

私がミーを見上げる形になる。


「リーに話、通してきたよ」




読んでくれてありがとう!

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