60 転移したもん勝ち
まず、言い訳をさせていただきます。
あの、起きたのが12時だったんです。お昼ご飯(兼朝ご飯)を食べて、時計を見るじゃないですか。
40分なんですよ。
何も書いてないんですね。オワタ。
……え?なんでそんなに起きるのが遅かったのか?
さあ、分かりませんけど……?
ん、昨日何時に寝たのかって?
3時ですけど、なにか?
え?
「……お前、いつになったら人の話を――」
「誰だ?」
転移先に誰かがいることに驚いてか、リーは言葉を止めた。
「そこにいるのは、誰だ……!?」
「私だよ」
「――!?」
その人物は失礼にも、私の声を聴いたとたんに跳び起きた。
「おま、は、カヴィナか……!?」
「カヴィナ、こいつは誰だ」
「ん-?……アンドレアスの第二王子だよ、仲良くしてあげて」
「誰が……!!」
気を利かせてあげたのに、心底忌々しそうに腹から出した声で拒絶される。
……私何かしたっけ?
「ね、王子。王様にコレ提出しといて。ついでに魔族の偉い人置いていくから、ちゃんと説得してね」
「「……は?」」
綺麗に声をそろえて、リーと王子は疑問を口にした。
うんうん、仲が良いのは良いことだね。
「リー、こっちで昼くらいになったら来るから、覚えておいて」
「いやおい、待て……!!」
「“ばいばい”」
こちとら、忙しいのだ、とっても。
つい1時間前まで悠々と寝ていたことは棚に上げ、それを大義名分に転移を発動させた。転移したもん勝ちである。
……まあ、なるようになるでしょ。
「“不思議な不思議なテディーの魔法”」
適当に時計台の上に登ってみて、見晴らしがよかったから座る。
……ここが王城じゃなければまた来たかもなあ。
時刻は5時半。時間の都合上、7時の定時報告は出れなさそうなので、録画をしようかと思ったのだ。
「“愛の形を残しておきたいの”」
……あー、恥ずかしい。
こういう言葉ってなんていうか、人の前だったら簡単に言えるんだけども、一人の時の方が羞恥が大きくて。……なんでだろうな?
現れた『start』の文字を押し、顔を引き締める。
「『おはようございます。6月12日、朝の定時報告を始めます。私は諸事情により出席できないため、この映像は録画です。私の話が終わったら、普段の定時報告を続けてください。進行はメイド長、いない場合は執事長にお任せします。私の話は七つです。この映像は一回しか流れないため、覚えられない場合メモを取りましょう。一つ目、ベルさんを発見、保護しました。昼頃に第四へ戻ります。二つ目、奴隷商を一掃しないかとメイド長に相談し、ただ今計画を進めています。魔族と王国間の橋渡しをしているため、私はとても忙しいです。用がある場合はチャットでの連絡をお願いします。三つ目、第四の代表は緊急代表を今日中に決めて連絡をお願いします。選ばれた者はすぐに第四へ来ること。穴埋めなどはメイド長に任せます。ここからは第四の者に連絡です。四つ目、夜ご飯は第四で食べます。私の分も用意していただけると嬉しいです。五つ目、第二王子、並びに魔族長ティファニー・リー・トランペットが押しかけてきた場合、無視してください。あとで慰謝料をふんだくります。気が散るかと思いますが、気にしないでくださいね。そして、全体への連絡です。六つ目、近々“お土産”の内容を変更しようと思っています。氷属性、闇属性、水属性、無属性のいずれかを持っていて、実習に参加したい者は連絡してください。七つ目、第一への連絡になりますが、王子からの慰謝料をぶんどったので近々ボーナスとして補填します。楽しみにしておいてください。以上になりますが、別件で何か連絡のある場合はチャットにてお願いします。それでは、良い一日を……』」
『stop』を押す。……ん、ちゃんと取れてるね。
で、これを定時報告で流すように設定してっと……。これでおっけい。
次は、ミーのところだ。
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