40 君と私の意識改革(キャロル視点)
きゃあー!!?
ユニークが1500人到達しましたよー!!
「一応聞いとくけど、内容は?」
「……この子を……、カヴィナ・テディーを、幸せにしてあげたいの」
「――」
そりゃあ、無理だ。
思わず言いかけた言葉を、ぐっと堪える。
でも、どう考えたって叶えてあげられるような願い事じゃあ、なかった。
「……それは、なんで?」
リリアンヌと名乗った少女は、またも俯いた。
チラッと見えたピンク色の目は、やはりベリーちゃんではない別人のもののように見えた。
「私の予想だとね、幸せになるべきは多分君だ、リリアちゃん」
「……いいえ、違うわ。そういう意味じゃ、ないのよ」
「どういうこと?」
リリアちゃんはベリーちゃんがいつも右手に着けていた金環を左手で包みこみ、忌まわしいものを睨むように力を込めた。
「私は幸せになれると決まっているの。もう、運命が集束したのよ」
「……はあ?」
幸せになれると決まってる?
運命?
リリアちゃんの言っている言葉の意味が分からなくて、私は首を傾げるばかり。
「生憎私、運命なんて信じてないんだけど……?」
「あっそう。でも、そんなことはどうでも良いの。問題は、あたしと同時に幸せになれると決まったはずの“私”の方が、不幸へ突き進もうとしていることよ」
「――」
だけど、これは心当たりがあった。
多分、ベリーちゃんが自分の幸せを考慮せずに、彼女の言うところでの“他人”の幸せを追いかけてばかりいることだろう。
「でも、ベリーちゃんの幸せは、そうやって終わることなんだよ……」
ちょっと、私情が混ざったかもしれない。
結局“ベリーちゃん”という人物像すら虚像だと思ったら、なんだか泣きたくなった。
「知ってるわ」
下げていた視線を戻す。
……ちょっと、意識改革が必要かもしれなかった。
ベリーちゃんに比べて儚いなとか、脆そうとか。
色んな事を考えていたけど、自分の人を見る目に裏切られた気分。
彼女は確かに儚く見えたけども、どこか達観した、それで全てを知っていると言わんばかりの澄んだ目をしていた。
「知っているから、雨実の――この子の、幸せもちゃんと作ってあげたいの」
「……つまりは?」
ていうか、薄々感じてたけど、やっぱり『ベリー』っていう名前も本名じゃなかったのか。
あるいは、『ウミ』すらも偽名。
……ウミ、海かな?覚えとこ。
「あなたがいなくなったら、あなたの望む『幸せな人生を送ってもらう』のは無理なのだと、分かってもらう」
「うん、なるほど」
実に単純、良いと思う。
けども。
「けれどおそらく、それだけじゃこの子は止まらない」
「――」
びっくりした。
凄いなリリアちゃんってば、ベリーちゃんを……カヴィナ・テディーをよく分かってる。
自分を棚に上げて言うけど、ベリーちゃんのあの子たちへの執着は異常だ。
しかも、ある程度仲良しになった子にはスパルタなとこあるから、『まあその内立ち直れるでしょ?』とか言って全然自殺しそう。
……世も末だねえ、本当。
「だからあたし、決めたの」
「……何を?」
続きを話さないから、急かすつもりでそう聞いた。
「あたしが、この体で眠りにつく。……今のあたしたちは、とても不安定なの。同じ体に魂が共存しているせいで、魂の入れ替えをする度に不具合を起こす。最近は特に頻繁に入れ替わっているから、あの子も、あたしも、不具合を起こしやすくなってきていて……」
「待って」
同じ体に魂が共存とか有り得るんだ、とか思っていたけど。
リリアちゃんの方が眠りにつくっていうのは、もしかして、え。
「君は死ぬってこと?」
「……は?死ぬ?」
しかし私の予想とは裏腹に、リリアちゃんは目を丸くした。
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あと夜も出します。




