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38 駄々こねてる時のルー君(←偏見)


「……えっとリリーちゃん?もうちょっと考えても」

「嫌です」

「でも」

「嫌です」


パッと思いついたのだが、今の私ってもしかしなくても駄々こねてる時のルー君じゃないだろうか。


「大体、言ってますよね?私、依頼は断ってくれって」

「や、分かってるけど……」


ていうか、いつの間に君はそっちに鞍替えしたの。

何故側妃様の味方についてるんだ。


「それじゃあ、私はこれで」

「え、ちょっと――!」


きっぱり断ったのに、それでも食い下がってくるのが流石に鬱陶しくなってきて、ほぼ無自覚で第二側妃様を睨んだ、その時。


「――……カヴィナ?」


その瞬間に、私たちの肝がどれだけ凍えたのか、第二側妃様には分からないだろう。


ただ身バレについては前科があったおかげもあって、まあ、キャロルよりは慣れていた。

……だから、こういう時どうしたら良いのかも充分に分かっている。


「はあ?」


ということで、私は思いっ切り顔を顰めてそう抜かした。

多分キャロルはどの口がって思ってるはずだ。


「リリー・キャンドル、です。何なんですか、失礼ですね……」

「え、っあ、ごめんなさい……」

「偽名じゃん」


ばこーん。


雰囲気とか何もかもを無視したKY発言をかましてきたとある女の子については、とりあえず頭を抱えて悶えているよ、とだけ言っておこう。


「揚げ足取る人って嫌われますよ、先輩」

「ひょえ……」


もういいよね?

うん、流石にね?


ササッと通路を戻って、もう一度仮眠室へ行き、横になる。


……ところで、睡眠負債という言葉を君は知っているだろうか。

前世の私は完全に当てはまる人だったのだけど、睡眠不足によって土日や祝日などの日に滅茶苦茶寝てしまう現象の理由である。


ソースは私ね。

何せ、記憶があやふやなのだ、本当。


そしてそして、今世の私の特技(?)に『寝だめ』というのがある。

設定情報(プログラム)っていう、“メニュー”じゃない別口なのだけど、本当に便利で。


近いうちに眠れなくなるだろうし、要はあれだ、睡眠貯金。


設定情報(プログラム)より、“眠ろうと思えば眠れる”常時バフをかけているため、本当にいつでも寝れるのだ。


薄くなっていく意識の中で、私はその別口の方の神様に軽ーく祈っておくことにした。


(本当に助かってます、アテネ様)







「……さいっあく」


そんなこんなで、割とハッピーな感じの寝入りをした私は、意識が完全に沈み込んだ後、私の体が勝手に動き出しているだなんて、夢にも思っていなかった。




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