29 良い子は真似しないでね状態
「んじゃま、行ってくるね~」
「あ、はいっ、いってらっしゃいませ、なのです!」
最近忙しくて気付けなかったけど、ミーは過重労働かもしれない。
当番がしっかり決まってないからやりたいときに立候補する制みたいになってるけど、基本メノウの仕事みたいだし。
忙しそうに動くミーを微笑ましく思いつつ、帰ってきたら業務の見直しをしようと決心した。
食器をちゃんと水道のとこにつけてっと、とりあえず行動に移すかな。
さて、どうしよう。
……いやま、候補は大分絞れてるのだ。
大まかな道筋も。
だから多分、予定だと明日の夕方には帰れるだろう。多分。
扉を開けて、外に出る。……あっかる。
そういや最近、外に出る機会が減っていたような。
夜に出る方が多くなってきてたかなあ。
習慣になっちゃう前に直さないとなあ。
……まあ、結局なあなあで終わるんだろうけども。
閑話休題。
で、着いたのが王城である。
どうやって入り込もうか悩んだんだけど、素直に一番目立たない転移魔法を選んだ。
ついでに認識阻害もかけとく。
一応不法侵入なので。
良い子は真似しないでね状態なので。
これで堂々と王城を歩ける私の完成。
よしじゃあ、王子を探しますかね?
うーん。
ちょっとそこらの壁によっかかる。
誰かにぶつかったりしないようにかな?
魔力をちょっとだけ出して、沢山こねて、で、薄ーく薄ーく伸ばして……。
そんなこんなで探知魔法もどきができた。
……あ、いた。
周りに誰かいるわけでもなさそうだね、うんこれは転移一択。
時間に余裕がある訳でもないしね。
「やっほー王子~?」
「「――っ!?」」
などと適当に声をかけて、すぐさま私は後悔した。
……もう一人、いたのだ。
魔力の反応がなかったから油断してた。
そうだよ。よくよく考えたらこの国の貴族でも魔力ない奴はいるよ、別に。
それに使用人がいたかもしんないのに、うわあ、間違えたなあ。
「お前っ、何故ここにに――!!」
この時点で私はピンチを悟ったので、すぐさま防音結界を張った。
いっやあ油断した。本当に。
王子はどうやら女の子とお家デートをしてたみたいだった。
儚いの権化みたいな、『王妃様が小さかったら(If)』みたいな感じの子である。
「うーん……。密会の邪魔したみたいですっごい申し訳ないんだけど、王子、ちょ~っと、時間くれる?」
認識阻害とは声を掛けたら終わりだ。
いくら見ようとする意思を誤魔化せたって、見てしまってはもう誤魔化しようもないのだ。
なので私は開き直って、申し訳なさを欠片も見せずにそう謝ることにした。
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