番外編 2−5 気分は妹を見守る姉かしら?(ステラ視点)
……その後。
ベルは許可が出るまでの魔法禁止を言い渡された。
護衛担当でもないのに中途半端に魔法を覚えてしまうのは良くなかったらしい。
体力がないのに魔法を使ってしまったら倒れる。
けれどベルは実務の研修があるから魔法の練習はしばらくできない。
ベルはあの日から魔法の虜になってしまったようで、目に見えて落ち込んでいた。
こっちだって研修で大変なのに、帰って来てもうじうじしてるのが居るせいで気が滅入る。
「うぅ……なんで私、実務にしたんだろう……?」
「どっちでも良いって言ったのはベルよ」
「トドメ刺しに来ないでよ……」
……どうするべきなのかしら、これは。
あたしは少し迷った後、読んでいた本を閉じた。
「ベル、部屋に戻りましょ」
「……そろそろご飯だよ」
「ええ、知ってるわ。……その前に、話したいことがあるの」
「?」
あたしの言う“話したいこと”の意味が分からなかったからか、ベルは首を傾げた。
部屋へ入る。
振り返れば、ちゃんとベルは付いてきていた。
ベッドに座って、いつしかの白髪がやったように隣をポンポンと叩く。
つまりは、早く座りなさいって伝えた。
「ねえ、あたし担当の交換は嫌よ」
「……うん」
小さい声で言うと、ベルは俯きがちに頷き返した。
そのまま小さな声であたしは続ける。
「魔法が知りたいなら教えるわ。だから、それで我慢してちょうだい」
ベルは何も言わなかった。
答えることのないまま、こちらを向いたまま目を丸くして戸惑っていた。
「……それじゃ嫌?」
「――――ううん!!そうして欲しい!」
答えを急かした途端、いきなり大きな声を出すものだから驚く。
さっきとは打って変わって、ベルの表情は明るくなっていた。
……そんなに嬉しいのね。
気分は妹を見守る姉かしら?
白髪はよくあたしのことを妹って言うけれど、嫌。
あたしは断然、姉が良いの。
ほほえましく思いつつも、人指し指をベルの口に近づけた。
「だけど、秘密よ。誰にも言ってはいけないわ」
「――うんっ!」
その日から、あたしのものにその秘密が加わった。
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