番外編 2−4 魔法は体力から(ステラ視点)
それから毎日、朝早くに第三へ転移する迎えが来て、沢山走った後に朝ごはんを食べ、夕飯まで“研修”を受けるという日々が続いた。
はっきり言うなら地獄ね。
夜、ベルと進捗を確かめて自慢し合うのが楽しみになっていた。
薄緑の言う通り、辛いし大変だったけれど、段々と走れる距離もペースも上がっていった。
自分でも意外なくらいには“研修”と言うものを楽しんでいたはずだ。
だからこそ、とでも言えばいいのか。
1週間と少し経って、あたしは魔法を、エリックは剣を、初めて習う日がやって来た。
「ステラちゃんっ、できてるよぉ〜!」
「わぁ……!!」
自分の手のひらから握り拳一個分程度だったけれど、火の玉が出た。
凄く嬉しくて、同時にベルに自慢したくなった。
あたしはもうこんなことができる。
ベルを守っていける。
……一緒に頑張ろうって、どうしても言いたかった。
こげ茶に言ってみたら良いよと言われたから、お昼休憩の時に、第四号店へ転移させて貰って。
見て頂戴って何回も、凄く疲れていたけど、頑張った。
「わ、凄い!ステラ、凄いね!!」
「ふふっ、そうでしょう!」
流石に疲れて、火の玉を消す。
どっと疲労が襲い掛かってきたけれど、莫大な達成感と高揚感に比べればなんてことなかった。
「ねぇ、それ、どうやるの!?」
興奮した様子でベルにそう問われる。
あたしは嬉しくなって、つい、教えてしまったのだ。
……魔法は体力からって教わっていたのに。
「っあ、でき――」
目を輝かせて小さな火の玉を作り出したかと思えば、そのままベルは気絶した。
「ベル!?どうしっ――!?」
ここで忘れてはいけなかったのは、あたし自身も限界だったってこと。
その後あたし達は、あたしを迎えに来たこげ茶に見つかったらしいけど、かなり危ない状態だったそうだ。
特に、ベル。
魔法っていうのは、魔力だけじゃなくて、体力も気力も使うみたいで、ベルは丸一日、目を覚まさなかった。
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