18 お話をしましょう、月がまた沈むまで
「……“不思議な不思議なテディーの魔法”」
眠い。
やばい。
でも駄目。
まだ、定時報告が終わってない。
ご飯は食べた。
台本の見直しもした。
これが終われば、寝れる。
「うー、ねっむい……“お話をしましょう。月がまた沈むまで”」
画面は私を取り囲む様に増えていって、みんなの顔を映し出す。
顔が映ってるのは幹部、そうじゃないのは経験を積ませてる子たち。
「あ゙ー、『……ごめんなさい、まだ、時間ではないんですけれど』」
時刻は9時52分。
一応10時に始めるのが予定になってるので、まだ始めるには早い。
が、眠い。
仕方ない。
「『出欠確認をさせてもらいます。……第一の代表、緊急代表はいらっしゃいますか?』」
「『はいっ!』『います』」
元気なセレスと、平坦なシルビアの声がした。
セレスとシルビアが同じ画面……ということは、シルビアも第一に戻ったか。
「『次に、第二の代表、緊急代表』」
「『『いまーす』』」
第二の代表と緊急代表。
この二人はやっぱり、声がよく似ている。
……当然か、双子だし。
姉と妹、姉妹の双子、デミとダミ。
「『第三代表、緊急代表』」
「『……はい』『いますよぅ〜』」
沈んだ低い声と、よく通る間延びした高い声。
こっちはテンションの差が凄いよなぁ。
「『第四、代表』」
「『はいっす!』」
「『……緊急代表は、決まりましたか?』」
「『あ、まだっす!』」
ラリーである。
相変わらず、文末全部にびっくりマークの付きそうな元気の良さだねえ。
「『分かりました。続いて、執事長とメイド長』」
「『執事長は不在なのですよ〜』」
「『では、臨時執事長』」
「『います』」
あ、ケイトだ。
穏やかに微笑む彼女はなんというか、ザ、清楚って感じである。
「『各代表、報告に必要な部下が揃っていない場合は申し出てください』」
「『……』」
一応チラッと見回す。
まあ、みんないるかな。
「『それでは、時間ではありませんが、定時報告を始めます』」
皆が一礼した。
使っているのが電気じゃなく魔力ってだけあって、ズレもラグもない。
なんていうか、儀式みたいでちょっとビビるけど、うん。
「『……ふぁあぅ……』」
「『『『『『『『『『――!!?』』』』』』』』』」
眠いなあ、本当。
割と無意識に欠伸をしてしまった。
内心滅茶苦茶焦るが、瞼が重く、表情は変わらない。
「『あ゙ー、ごめんね、ちょっと、眠くって……』」
「『てっ、店長!?大丈夫っすか!?』」
「『ん-、大丈夫、らり』」
「『えっ、え?』『カヴィナ様、あのもしかして、』『それ、本当に大丈夫なのです~?』『『お姉様、体調悪いんですか?』』『それってこの間の奴の再発じゃ……?』『……』」
がやがやと、段々みんなの声が大きくなっていた。
喋るのが幹部だけとはいえ、ここまでくるとうるさい。
「『静かにしてください。早く終わらせたいので、何か連絡がある人?』」
「『はいなのです、メイド長より、現在進めている研修中のベアの内、護衛の二人は研修範囲を終えたのです。このまま進める方向で問題はないのですか?』」
「『……はい、そのまま、育ててください。不都合、などは、ありませんか?』」
こっくり、こっくり、ウトウトしてきたせいか、そのまま寝そうになってきた。
ピンチ。
「『ないのです』」
「『分かりました。……他に』」
「『はいっす。第四代表から報告っす。王妃様、並びに第二王子様、第二側妃様との交渉が終わったっす。第二王子様は早くて来週、遅くて一ヶ月後に来ることになりそうっす。……座学、並びに魔法系だけ研修に合同と言う形をとって入れるってことで良いんすよね?』」
「『…………うん、大丈夫』」
あー眠い、もーねむい。
「『もう、ない、よね?』」
「『『『『『『『『『――――』』』』』』』』』」
「『うん、じゃあ、おわり、おやすみ……ばいばい』」
もう、眠いってことしか頭にはなかった。
ベッド、行かなくちゃ、眠い、早く、しないと。
寝たら、全部、良くなる、はず、だから――。
目覚めたら朝!
気持ちのいい快晴!!
が、しかし!
日時は私が5日眠りこけていたことを良く分かりやすく表していた!
読んでくれてありがとう!
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