表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第九章 G.O.D.<出会い>
93/648

第231話 √2-36 G.O.D.

これはひどい

 四六時中とは言い過ぎでも確かにホニさんのことばかり考えていたのは事実だが、そんな一方でも他に考えていたこともある。


「(コトナリ……ねぇ)」


 数日前にすれ違った際に聞こえた女生徒の呟きが気になっていた。

 その女生徒というのが以前にもすれ違って、何か時が止まったかのような錯覚に陥ったことがあった。

 最近も同じような感覚を感じた後に”コトナリ”なんちゃらかんちゃらと呟き、なぜか印象的に俺の脳内HDへとこびりついていた。


 しかし誰なんだろうか。学年色のリボンは見る暇なかったし、手がかりは「長く深い緑髪」に「小さく両サイドテール」そして「拒絶の意思を示す瞳」

 なんというかこれをスペース入れて検索しても天下のグーグルさんだとしても検索結果を”〇”と表示せざるを得ないだろう。

 名前も知らなければ学年も分からない、殆ど彼女を知る術は自主行動に乗り出す以外は詰み状態だった。

 さてどうしたものかと考えていると思いだす――


「(アイツはどうだろうか)」


 お前も女だろうというツッコミを真っ先に入れたくなる”美少女”キラーことユイ。

 まあ、狙っても情報仕入れてくるだけで殆ど害はないんだろうけど。ファンクラブ情報も転校生情報も調べてくるのが早い。

 ということは、だ。まあ、流石にこんな手がかりで分かったら驚きを通り越して引くけれども。ものの試しに――




雨澄あますみ よりさんだな」



 答えてくれたのだった。


「……………………え?」

「だからアマスミ ヨリさんだ」

「マジで……適当とかでなく? ランダム再生とかでなく?」

「アタシはミュージックプレイヤーやない……ビューティフルガールプレイヤーだ!」


 その返しはどうなんだよ、と内心思いつつも声には出さない。しかしまさかの返答を頂いたよ。


「”さん”ってことは先輩か? それともタメ?」

「同学年だ、しかしクラスは知らん!」


 なんというか、デジャブじゃないのにデジャブった気がする。


「じゃあ主な特徴は」

「無口美人、成績は中の上……ほどよく目立たない彼女だが、その容姿の高さは学年アイドルの姫城さんとユキと張れるものがある――以上ユイペディア終わり」

「おおー」


 初めてユイが役に立った気がする。確かにかなりの美人さんだもんな……姫城さんともユキとも違う、おとなしいとはまた違う大人びた感じと上品さがあったし。


「他に情報は?」

「それが無口すぎてワカランネ、クラスの人とも話さないらしいし。ある種浮いていますな」


 お前が言うな。


 ユウジも言えませんよ?


「それでいてクラスは――」

「知らん!」


 また経験していないのに、まるで既に一度聞いているような感じがするな。

 なんでそこまで情報知っててクラスは分からないんだよ。


「なんでユウジはそんなこと気になったのにゃー? ははーん、気になるあの子だったりするのかにゃー」

「……ちげーよ」


 気になるっちゃ気になるが、ユイの言う「気になる」とは別だ。好意は抱いている以前に、素性を知らないのでどうしようもない。

 そんな時後ろで――カランッ、とプラ製のシャーペンか何かが落ちる音が聞こえる。


「…………ユウジ、詳しく」


 振り向いた瞬間に不機嫌オーラを撒き散らしつつも笑顔のとっても怖いユキさんが居た。そして振り向き際にさっと俺の肩は掴まれる。

 最近のユキ怖いよ! ユキラブなのは揺るがないし、そんな少し不機嫌な表情のおかげで表情パターンが増えてますます彼女も魅力的だけども……少しはこええよ!?


「あの、ユキさん? 何を詳しく言えばよろしいのか分かりかねます」


 すげえ言葉遣いになりながらも、肩を掴んできたユキに恐れ戦く俺。


「き、気になるあの子とは誰のことかな?」

「ああ、それはなんでもないことだから――ってなんでユキさんは姫城さんの方に行きますか!? おして姫城さんもすげえ形相でうわああ」

「……まあ、頑張ってな。ユウジ~」

「あ、こらユイ! そんな擁護もなしに行くなって! ……あの姫城サン? その小刀はマズいですって、というか貢物にしたはずなのになんで同じような刀が……ちゃんと話させてください、お願いしますから。とりえあず落ちついてください――」


 その後のこと。

 ちょろいと言っては悪いけども「ユキと姫城さんが俺にとっては気になる子さ(キリッ」と自分でもキザで頭の悪い吐き気のする台詞を言うも「そ、そっか……なら、うん。いいかな」「ユウジ様に気になっていただけるなんて……嬉しさの極み、思わず昇天しそうです……」とすぐさま上機嫌になり……要するにちょろかった。

 こんな台詞でオトしちゃっていいのだろうか。全国の徹夜で決め台詞を考えているキザ野郎どもになんというか申し訳なくて仕方ない。 

 というかこのお二方がアイドルでいいのかと思い始めていた……そりゃあどっちも美人で可愛くて、ユキに至っては俺もラブですけども。

 ……ファンクラブの方々はこの実情を知ったら驚く以前に俺を殺しにかかるだろうけども。こんな巧くも痒くも無い台詞で機嫌治せちゃうというのも……ある種それなりに俺が好かれている証と取って良いのだろうか。


 色々あったけども……ということで緑髪の彼女は「雨澄あますみ より」というらしい。それが分かっただけでも収穫だ。


 

 これはひどいですよユウジ。そしてその以上にユキと姫城がひどい……クソゲーだからって、他の人の√になったら扱いがテキトーになってませんか?

 王道ハーレムも金棒持って襲いかかるぐらいのテキトーさ加減に苛々とさせてくれますね。なんですかコレ、更新頻度上げればいってモンではないでしょうよ。

 それでもまあ、評価するとすれば。深緑色の髪の女性の名前を知れたことですね……まあ、こっちには台詞台本と共にキャラ設定もおおまか届いてますんで知ってましたけどね、雨澄和。

 彼女の言った”コトナリ”の意味とは……ってミスリードじゃなきゃ分かりやす過ぎませんか、スタッフさん?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ