第228話 √2-33 G.O.D.
生徒会編の一部は伏線だったんだよ! ΩΩ Ωな(ry ●さ~ん、ご指名入りましたぁー
桐の表情にちょっとの疑問を持っていたが、すぐにどうでもよくなり皿洗いが終わって姉貴やホニさんと話しながら居間でしばらく和んでいた。
そろそろパソコンでもやるかな、と腰をあげて自分の部屋を目指す。
部屋に戻ってデスク前に座る。
しばらくじっくりやってないなー、なんて思いながら電源を入れる。
「…………」
何をしよう? 全く決めていなかった。ほぼ無計画にパソコンを点けた。
「(てか、何が出来る?)」
既に時間は九時を回っている……今からゲームやると、確実に明日は睡眠不足で授業中はダウンしてるな。
そうなればブラウザ立ち上げてインターネット……少し前まではアニメブログの周回やってたけども。
「(忙しくて出来てないんだよなあ)」
アニメはいつ見てるんだよ、と聞かれれば。「学校下校後に部屋に籠っている時はアニメを見ていると思ってもらえればいいだろう。
適当に設定してあるアニメ予約をHDDプレイヤーがしてくれて、それを話題に遅れるものの次の日に見る。
……以前までならユイが「アニメはリアルタイムと録画を見るのが常識だぬ」とか言う。
ユイのそんな常識を信じるはずもなかったが。好きなアニメを早くに、リアルタイムで見るのが一番良いことには違いないので俺は去年までは夜更かしして視聴していた。
しかし高校に入ってからは普通に忙しく、授業の復習・予習も一応やっておかないといけないので。結局夜更かしするほどの時間がなかった。
それに加えて始まったこの日々である。夜更かしなんてしてしまった翌日の午前中はフネをこきながら授業中はうつらうつら。頭に授業内容が入ることは叶わない。
と、いうことでアニメはギリギリ見れているレベルなのでアニメブログで”評価”を気にする余裕などなく一度見て「ああ、面白いな」と自己完結とたまに振って来るユイ等の会話ネタに対応する為である。
「……ん?」
アニメで思い出す。一年前にかなり面白いアニメがあって、なんとなくその原作コミックを買ったのだ。
「どこに置いたっけか?」
すぐに押し入れに頭を突っ込んで探してみる。ダンボールを開け、最近買ったコミックを確認していくものの――
「ない」
ないな……おかしいな、アニメ終了ぐらいに買ったからそんな古いものではないはずなんだが。
「……!」
そこで閃く、ここにあるコミックで一番古いのは――そう少なくとも今年の発行になていた。
去年のコミックは大掃除に際にダンボールに詰めて物置に放り出していたのを思い出す。
「物置か」
物置と言っても二つはゆうにあり、今のホニさん部屋を含めれば三つ有ったことになる。
ホニさん部屋はこの家の女性陣のモノが多数だったし(アルバムやらワインやら)
そうなると二つの内のどちらか、そして俺はなんとなくどちらか見当がついていた。
「……まあ、探して読むくらいならそんな時間食わないだろ」
事務椅子に座りながらパソコン方面からグルリ回れ右して椅子からおりて目ぼしのついた物置部屋を目指す。
「だったよな?」
一人呟き、鍵のかけられていない扉を開けて直ぐ壁にある照明を点ける。
「……やっぱ多いな」
見渡すほどに、ダンボールダンボール。解体すればダンボール業出来るんじゃね? ってな具合のダンボール群。
アニメでは崩れ落ちる展開があった場合にCG表現とかをされそうな量である。
「まあ、それでも前の物置よりは少ないか」
前は天井に触れるギリギリまで積み上げられていて、危なっかしくて仕方なかった。
まあ東京タワーと横浜のマリンタワーぐらいの違い。量こそ多いが高さはなく、分散して置かれている。
「さあて探すかー」
労働を始めるが故のやる気を入れる合図のようにせのびすると首をコキコキ鳴らしてからまずは行く手を阻むダンボールの中身をチラ見して傍に寄せていく。
俺も姉貴も片付けには几帳面なので、ダンボール側面には”誰のもの”であるか”どんなジャンルのもの”なのか”どれほど”かが丁寧にも書かれている。
俺のコミックラノベ、その他ちょっと内密にしたい過去のものとかだけでも十数箱はくだらないので、ちびちびと調べて行く――ガァン。
「痛っっっっ!?」
右足を何かすごい固いものに打ちつけた。正直底面にダンボール以外を想定していなく、そんな高の無いものがあるとは思いもしなかったので普通に足を動かしていた。
それ故にその痛みは悶え転がりたいほどの凄さでだったが、ここで転がったらダンボールに牙をむかれて自分が埋没確定なので必死にこらえた。
「な、なんなんだよぅ!」
涙目になりながら足元を覗くとそこには白い布に包まれた長く先は幅があり先から遠のくほどに狭まる、柄の部分あるであろう何か。しかし良く見れば布の隙間からキラリ銀色の輝きがあった。
なんだろうか、それなりに長くて固くて光ってるものとか……鋭器か鈍器しか思いつかないのだが。
「ちっくしょう、何だ……ろ!?」
持ち上げようとしてその重さに驚く、決して持ちあげられない重さではないが、それを一時間持っていたらかなりキツいものがありそうなほどの重さ。
一メートル半の大きさ的には比例しない重さだが前述の通りそれなりの重さ、そして手で持てるであろう細い部……ここは木なのか。それを持ちあげるとスルリと布がはだけ、その全容が見える。
「これは……鉈?」
こんなもの床におくなや、と叫びたいところだったが。その鉈をみて知る。
「すげえ、磨き抜かれてる」
素人目にも分かる程にキンギラギンにさりげなくない。
「てか俺は刃先に足ぶつけたってことか」
危ねぇな、下手すりゃいつの間にか足無くなってんぞ、冗談抜きで。
……誰だろうなこんなもの持っていそうなのは良く物を拾ってくるのかと言わんばかりに家にもってきては数時間たたずに物置へと追いやる――母さんか。驚くべき直結速度で、母の持ち物だと悟った。
「はぁ……俺と姉貴とあいつは持ってる意味ないしな」
いつまでも家にいない母親に苛立ってもしかたないので、拾い上げた鉈をみる。
狩りで使うというより芝を刈る為に使うようなもので、刃先にトゲがついている。
まあひぐ●しでレ●が使っていたものと思って頂ければいいと思う、おそらくはそれよりも少し長そうだが。
「…………」
ここに置いておくのは危ないな。もう少しこの鉈は気になるし持ち帰ってみるか。
そうしてその後はエラく簡単に見つかったコミックを持って物置を後にした――
え? そのコミックは何かって? ――ニー●レスですけどなにか?