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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第九章 G.O.D.<出会い>
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第219話 √2-24 G.O.D.

 流石の俺も二時限目、三時限目と時間が経てば「ここで考えてても仕方ねえな」と思い始めていた。

 それまでは俺の起こす貧乏ゆすりのせいで「みろよ、黒板が微動してるせいで世界史担任が四苦八苦してるぞ」「おいおい俺のマイスイートベイビー(消しゴム)達が今度はディスコ開いてやがるぜ」「この次元震のパターンは……ヤツが来る前兆ッ」「ガラスがカタカタと武者震いしとるぜよ」「……ほっとけば本のページがめくれてくれるから便利」「ユウジ……それだけお金に困ってるんだね」「ああっ、ユウジさま!」とクラスに迷惑をかけていたらしい。


 ユウジ……凄い、貧乏ゆすりで今日の話題かっさらっちゃいました。

 というか皆想像力豊か過ぎて色々に困らなそうですね……だんだんこのクラスが全体的におかしいことに気付いてきました。

 あ、ちなみにこの出来事は「ゆすりデイ」として語り継がれ――ってセンス無さ過ぎですよ!?



 * *



 四時限目を終えるとやっとのこと昼時だった。どれだけ待ち望んだことか、待望の時である。

 棺桶登校による弊害で朝食を食べ損ねたことにより、授業への集中力の低下、ホニさんが気になり過ぎてストレスが溜まり貧乏ゆすりで解消する――そんな事態へと発展していた。

 ちなみに棺桶で栄養チューブうんたらかんたらがあったが、あれは良く見れば水だった。後付けでなぜ変えたかは今回の展開のせいでは断じてない。俺の見間違いによる誤解だ。

 朝ごはんって大切だなあ、と思わせてくれる。そんな朝ごはんをつくってくれる姉貴……いつもありがとう。

 姉貴の居ないところで心から感謝しておこう、そんなこと本人目の前に言ったら自分の気恥かしさよりも姉貴が卒倒&襲撃しかねないので止めておく。

 そんな訳でやっとことの昼食だ。いつもなら姉貴お手製プロ顔負け弁当か俺謹製適当弁当、または学食か購買なのだが今日に限っては違う。

 というか一応鞄は持って来れてたけど、弁当なんて入ってない訳で。それならばどうするのか、学食でも購買でもなければ――しかし。


「ぬかりはない」

「え、何か言ったユウジ?」

「なんでもないぞー」


 そうして俺は鞄をまさぐり例のブツを取りだす。これは俺の愛用品で、何度もお世話になる代物だ。

 しかし俺は気付かなかった――棺桶引っ張って来たユイも登校時間を考えれば朝食を食べる時間などなく、ユイも朝食抜きの飢えた状態だったことに。 


「そのカレーパンもらったああああああああ」


 いきなり獣と化したユイは壁・天井と次々に飛び移ってどういう力が働いて張り付いているんだというレベルなコー○リアさんと同レベルの謎の動きを見せて俺が鞄から取り出したソレを奪い去った。

 しかしそんな普通なら空腹にそのユイの行動が重なって憤怒するところなのだろうが、俺は極めて冷静だった。


「ユウジっ、このカレーパンが欲しいなら追ってくるが良い! ハッハッハッハッ!」

「…………」

「ん……? どしたユウジ?」

「おいおい、後で代金払えよー」


 若干醒めた目でユイを見ると、それだけ言って鞄に視線を移した。


「え、その反応は考えてなかった。てかここは”俺のカレーパン返せやゴルアアアア、じゃなきゃキスしちゃうぞおおおお”だろ」

「返せやはあり得てもなぜ俺は突然にキス魔になったし」

「これからの統計だと……」

「未来の統計を取れるお前には驚いた」

「なぜにそれほどに冷静なんだぜ……?」

「え、だってカレーパン一個だろ?」

「――ああ、なる。他にもパンか握り飯があるのか、なーる」

「まあな、ただしジャンル一種固定だけどな――」

「え」


 そうして俺が鞄から展開するはあるブツがどっさり入ったビニール袋。

 その中から一つ取り出してブツをみせる――


「カレーパン……だと!」

「それもこの中身は全部……な?」


 ということで昼食用に買い置き、事前購入しおいたカレーパンがしこたま持ってきた。

 そして何を予感したか昨日のうちに鞄に詰めていた。

 ちなみにその経緯についてはこうで「久しぶりにカレーパン食いてえな」「そうだ、月曜は基本外食の日だから明日にすっか」「姉貴ー、明日は適当に買っていって食べるわー」といった感じ。

 その後、商店街のコンビニやらスーパーに行って売っているカレーパンを買い漁った結果、十個ほどビニールに入っている。

 十個という数は多くみられがちだが、あの炎髪灼眼の討ち手ことシャ○さんでさえもあの小柄な体で土色紙袋の中にメロンパンさんを十数個忍ばせていることを考えればそれほどでもない。

 まあでも実際には一度にその量は食べないが、買ってきたものを適当に入れただけなので食べなかった分は間食用か明日の昼食の足しにするという計画が脳内決定済みだ。

 言ってしまえば一つ取られても痛くも痒くも無いので、空腹時にユイを追いかけても体力を浪費するだけ。奪われた分はあとあと徴収すればいい――ということからの冷静な対応だった。


「そうか……いくら?」

「一〇五円だけどメンドイからワンコインで」

「ああ、どうも……」


 ということで俺は昼食再開。他の皆は呆気に取られていたが気にしない。

 皆が唖然とする理由には”ユイとユウジのコント”や”ユウジの持ってきたカレーパンの数”などもあるだろが、俺は気にせず袋を開けて製法が改善され油のあがりにくくなったパン生地とスパイスのピリリと効きま切り野菜の入ったカレーパンを頬張っていた――


 

 ちょちょちょちょちょちょ待ってください。本来ならば、以前ならばこの後の展開は”カレーパンを奪取したユイを追いかけるユウジ”から”生徒に溢れた廊下を駆け抜けている内に転校生にぶつかって”そして”あのイベント”になるはずなんですが……え? 

 回避? 生徒会だけならずまたしても、転校生フラグも消滅……!?


 もうだいぶ変わってきてますけど、いいんですか? 

 これじゃ姫城のこれから行動も完全に無くなりますし……数珠繋がりでイベントが崩れてますよ。

 どうなるんですか、コレ?

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