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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十八章 君には友達がいない(らしい)。
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第621.24話 √6-23 『ユウジ視点』『五月二十一日・二十四日・六月十五日・六月二十一日』


五月二十一日



 歓喜する人、絶望する人、ほっと一息ついた人、特になんとも思わない人など様々なリアクションに溢れる中間テストの採点後返却。

 俺は……ほっとしていた側の人間、生徒会役員で成績悪いのはカッコ悪いというか……姉貴に申し訳なくなってしまうので、俺としては胸をなでおろした形になる。


 喜ぶ暇がないというのが確かなことで、というのも生徒会役員は今日の今日に放課後から体育祭準備期間に入るのだ。

 一年・二年の各クラスから二人ずつ選ばれる体育祭実行委員会や文化祭実行委員会は、ほかの保健委員会・図書委員会・美化委員会などの通年で活動する委員会に対して、そのイベントが終わればフリーとなることから内申点稼ぎをしつつも他の自由時間を確保出来るとそこそこ人気があるらしい。

 もちろん体育祭・文化実行祭委員会に入って体育祭・文化祭を盛り上げたい! という熱量から志望する人も少なからずいるのでまちまちではあるようだ。


 あくまでも藍浜高校の体育祭は体育祭実行委員会が主体ではあるものの、可能かどうかの是非・予算の相談・学校や教師へのホウレンソウなどは生徒会を介すことになる。

 とは言っても過去生徒会の体育祭運営ノウハウの蓄積・引き継ぎ書などもあるのでそれに倣えばどの提案が学校サイドに通って・どの提案がダメなのかもある程度見極め出来るらしい。

 ……そう姉貴が事前に言ってくれたとしても、生徒会役員になった俺の本格参加イベントだけに緊張しないわけがなくテスト返却でほっとしたのもつかの間に内心ドキドキで放課後を迎えるのだった。

 

 そうして放課後一度生徒会に集まったアス会長・チサ書記・姉貴ことミナ副会長・コナツ会計・オルリス庶務・会計補佐の俺は、体育祭までの流れを姉貴からレクチャーしてもらい、体育祭実行委員との顔合わせを迎える──



五月二十四日


 

 数日前の顔合わせは本当に顔を合わせただけのそれぞれ自己紹介・体育祭についての資料配布程度で終わった。

 今日のホームルームから委員会だけでなく各クラスメイトとの競技参加者決めなどが始まるようだ。


「えー? 私がやるんですか? 人望のある委員長の方がいい? し、しょうがないなぁ。今日だけですよ……ゴホン、ということで今日に限って体育祭実行委員会の──君と──さんの代わりに進行します。学級委員長の嵩鳥です」


 うちのクラスの体育祭委員会の男女二人はそこそこ熱量を以て委員会に参加したはいいものの、いきなりクラスで進行は……ということで今回のMCは委員長に丸投げしたらしい。 

 委員長も仕切ることに対して満更でなさそうなのでいいのか……一応黒板への書き出しと書記的なことは男女二人手分けするようだ。

 体育祭委員会女子の方が黒板に競技名を書き出していく、メートル走競技から大玉転がし・借りもの競争的なものまで列挙されていった。


「──ということで、各出場種目の出場者を決めます。全員参加ですよ、是非もなしです」


 そう委員長が全員参加であることに釘をさすと、好意的に盛り上がる半分ブーイング的に盛り上がる半分で二極化する。

 割とイベント好きっぽい生徒が集まるこのクラスだが、インドア系な文化系の一部の人たちは渋っているようだ。

 各々好き勝手言う中── 


「体育祭に参加しないで何が学生だぜ! 燃えてきた!」


 ……初めてクラスでちゃんと福島を認識したかもしれない、クラスではそういうキャラなんだ。

 

「コナツさんと二人三脚したい~」

「コナツさまを借りもの競争で借りたい……」

「ハードルになるのでコナツ様に飛び越えてほしい、いや……ちょっと蹴ってほしい!」


 ……福島には割とやべーファンも付いているらしかった、全員女子である。

 ちなみにホームルームから続けて一時限目五十分も競技決めの時間として確保してあるので今日の内に全員の出場種目が確定していった。


 それからは体育祭実行委員会への参加・通常生徒会業務と忙しなくなりつつも──

 福島と会わない日はユイ・マサヒロと昼食を摂ったり放課後寄り道したり、福島と会う日はあの空き教室で過ごしたりしながら時間が過ぎていき体育祭はつつがなく終了。

 見事なまでに晴天だった体育祭が終わるのと同時に、雨多め・じめじめな梅雨の季節に入っていく。



六月十五日

 


 プール開きである。

 この学校に複数人いる体育教師の中でも俺たちのクラスも担当するベテランの女性体育教師が初日初回一・二時限目のプール使用権を獲得した。

 男女別の授業なため初日は女子の水泳授業・二日後に男子の水泳授業と日が別れるほか、男女それぞれ水泳授業をやっている間もう片方は陸上運動となる。

 陸上運動自体つい最近まで体育祭準備・練習で散々やっていてウンザリの声……もなくはないが、男子にとっては金網越しに女子の水泳授業を合法的に見れるまたとないチャンスだった。

 まぁ授業の合間にチラ見する程度で、あまりにあからさまに授業に身が入っていないと陸上運動担当の男性体育教師の怒りを買ってしまうゆえに男子間では情報戦が繰り広げられているともっぱらの噂──


 と、いうのは半分冗談として。

 俺は一応真面目に授業を受ける、仮にも自分が生徒会役員だという肩書は俺自身を気を引き締めてくれる……あ、福島のスクール水着姿が見えた俺の脳内メモリーに永久保存ヨシ!

 金網越しだがオレンジクリア色の水泳ゴーグルを付け・学年色の赤色水泳帽を被った濃紺色のスクール水着姿の福島がちらっと見えた、視界に収めた時間はわずか二秒ほど──これぐらいは許してほしい。

 福島のいつもは指定セーラー制服に隠されている引き締まった腰のくびれ・女性的な凹凸もとい身体のラインがスクール水着のぴっちりとした質感によってそのままに出ていた。

 そもそも福島のスポーティな部活着姿で部活動の……まぁ助っ人だったのだが、活動し躍動し成功した・うまくいった時の表情に一目惚れしたのだから生き生きとプール授業に参加する福島はそれはもう魅力的である。

 

「(そういえば好きだったんだなぁ……)」


 とても魅力的な女子だとは思う、ただあの時の一目惚れした時のような熱がそこにはないような気がして。

 友人が楽しそうでなにより的な微笑ましい・見守り勢的な気持ちが強く、俺がかつて向けた異性恋愛的な好意の感情は過去のものになったのだと改めて思えて。

 ……それはそれとしてスク水姿の福島が見れたのは役得でしたよ! そりゃ正直に言えばね! ぶっちゃけ姉貴のスク水姿も見れるなら嬉し(以下略)。



六月二十一日



 六月と七月の体育授業は学校プールが屋外ゆえに雨天中止でこそあるものの、カリキュラムの一環からか水泳授業優先となる為ほぼ一週間間隔で水泳授業が組まれている。

 ただ今週は月曜にして五・六時限目が女子水泳授業設定と昼休み明けにプール授業というなかなかにハード仕様、明らかに昼ご飯の消化が間に合っていないので割としんどい生徒もいることだろう。

 というか男子の陸上運動も昼休み明けも厳しい、胃がビックリしちゃってオロロっちゃうぞ。

 なので今日は昼ご飯を少な目に摂った、いまいち腹には足りてないが仕方ない……リバースするよりはマシと思うしかない。


 いよいよじめじめとしてきた旧校舎もとい部活棟の例の空き教室で、俺は昼食を終えてラノベ読み・福島は昼食を摂りながらファンからの手紙を読んでいた時のことだった。


「そういえば次は水泳かー、昼休み明けはめんどいんだよなー」

「コナツもやっぱめんどいんだな」

「ああ、着替えと移動時間計算して昼食とか色々処理しなきゃいけないからな」


 効率重視の福島らしい感想が出てきた。

 確かに移動・着替え時間の猶予の為に通常の授業開始から十分ほど余裕が設けられているとはいえ、昼休み明けだと昼食時間から逆算しないといけないと思えば確かに面倒臭い。

 男子なら短パン的水着と水泳帽に着替えさえすればあとはタオルと付けたいやつはゴーグルを持っていくぐらいで済むが、女子だとそうもいかないのだろう……まぁぼんやりと想像でしかないが。

 陸上競技の俺も体操着に着替える時間はあるし、昼ご飯は少し残して早めに終えているので早めにお開きかな……と読んでいたラノベから顔を上げたその時だった。


「よしっ!」

「は……?」


 俺が思わず声を漏らしてしまったのには理由がある、そしてあまりのことに俺は固まってしまう。

 人は驚きすぎると次の行動を起こすまでに時間を要するらしい。

 そして目の前では──


「ちょ、俺まだいるんだが!?」

「友達だし普通だろ」


 セーラー服とインナーを脱いでシンプルながらもフロント部分にリボンの付いたちゃんと水色の女子下着な福島の姿が……!

 あぁスパッツ越しに水色の下着が透けている! というか間近で見ちゃったけどおへそきれい! ……なんだこの着眼点は!? 良くないというか気持ち悪いぞ俺!


 しっかりガン見してしまったあとでハッとなった俺はぐりんと顔から動かして福島に背を向けた。

  

「友達でも異性同士だろ!?」

「細かいことは気にするな!」


 俺が細かい方なのか!?

 というか後ろでホックの外れる音とかスパッツを脱いでいると思しき音が聞こえる、生々しい! 絶対振り返れないやつだ!

 水着に着替える時には下着を脱がないといけないわけでつまりは……見たいという気持ちが皆無かというと嘘になる、そりゃ男ですもの。


 だが……だが、友情を期待してくれている福島を俺が裏切ってはいけない! 


 福島からすれば男女の違いなんて生物学的に染色体の組み合わせが違うだけなのだろう、きっとそれ以上でもそれ以下でもないのだ!

 落ち着け俺、なあに姉貴や妹の着替えシーンに出くわすことなんてザラであってもそこに性的興奮を覚えたことなぞ一度もない。

 惚れた弱みにちょっと意識してるだけなのだ、付いているか付いていないかの違いでしかない! そして見なければ問題ない! 

 

「もう着替えたか!?」

「うん? あぁ着替え終わったぜ」

「そうか……っ!」


 そういえば俺、スク水好きでした。


 というか福島は今更だけど屋外プール近くに更衣室あるのにここで着替えていくって……それは効率ゆえなのか、それとも水着で校内を歩くことに抵抗がないだけなのか本当にありがとうございましたごちそうさまでした。

 ほぼ教室内な空き教室を背景にスクール水着姿の女子って非日常感が最高か……?


「……じゃあ俺も体育の準備あるし戻るわ」

「おう! 今日はまた生徒会で!」


 俺は悟られないようにクールに空き教室を去った……。


「い」


 しばらく自分の教室までを歩いたところで、ふと本音が漏れる。


「いいもん見たなぁ~~~~!」


 う~ん、正直めっちゃ良かった……。

 でもこの性癖は福島には悟られないようにしよう……うん、バレてないよな?


〇ある部屋にて

ミユ「久しぶりにきもいかもユウ兄……」

ユミジ『といいつつスクール水着に着替えてるんですね』

ミユ「わ、私のは見せるわけじゃないし……というかユミジのスク水はどうなってんの、ちょっと盛ってない?」

ユミジ『そういうスキンです。ベースとしたのは下之ミナのボディで、スリーサイズは<規制>』


== お知らせ ==

一部これまでの番外的話数を整理しました、文字数や話数に変化があって申し訳ないです。

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