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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第二十章 この中にもう一人、幼馴染がいる! ーなかおさー
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第723話 √7-56 『ユウジ視点』『十二月三十一日』



十二月三十一日



 ユキと一線を超えた(一線というのが何を指すかはご想像にお任せするとして)クリスマスイブから数日経ってあっという間に年末がやってくる。

 二十九日は家族総出での大掃除、比較的汚部屋になりがちなユイの部屋と母さんの部屋にテコ入れがなされ、母さんのジャッジのもと物置にある不要なものは捨てることとなった。

 ことあるごとに「ユウトさんとの思い出の品が~」というもの、製造日は購入日が明らかに親父の亡き後だったり、色々難航しつつもさっぱりとさせたのだった。 

 三十日は今年最後の食材の買い出しを図るが、同じ発想の人間が地方のスーパーに集結すればどうなるかといえば、遊園地のそこそこ人気アトラクション並のレジニ十分待ちであった。


 そうして三十一日はというと、例年通りなら家族で過ごす日で……もっとも最近は俺と姉貴だけの寂しい年明けばかりだったのだが。

 今年はといえば俺の部屋にいつものメンバー揃って年明け、からの初詣を決め込もうということになったのだった。

 大掃除前に物置から救出し徹底的に掃除したコタツを俺の部屋にユイが持ってきて、俺の部屋にはテレビもあることから六人が集まるぐらいならなんとかなるという理由もあった。


「いらっしゃい」

「「お邪魔しまーす」」


 かくして下之家は俺やユイを除いた家族は一階の居間で年越しを、俺といつものメンバーは俺の部屋で年越しを、となったのだった。

 ……あとから聞くに俺が居ないということで姉貴が甘酒を飲んで何故か酔っ払い、普通に酒をグビグビ飲む母さんとのデュエットによりホニさんやミユのSAN値が削られたとのこと。


 テレビ前の近くにコタツを置き三方に俺とユキと委員長が入り、テレビ前にユイとマサヒロが陣取り、何故か姫城は俺のベッドに座っていた。


「しかし皆で年越し出来るとは、やたら広い家にやたら多い部屋数にやたら間取りの大きい部屋のおかげでなんとかなりましたね」


 と、そんな説明口調で委員長が言うが……まさかこの家もあのキャンプ場的ご都合主義があるのか? 

 などという考えが過ってしまった……すっかり毒されている。


「はぁコタツあったかい……」

「だなあ」


 俺とユキはといえばコタツの魔力に取りつかれてすっかりとろけている。


「ユイは年末のアニメ特番見ないの?」

「み、見たいが……ガリ使も見たいのだ……録画してあるからセフセフ!」

「実況民としてはアウトだね」

「ぐわああああああああああああ」


 などとユイとマサヒロが話している、こういう新マサヒロはめんどくさがりそうだと思ったが意外にも誘ったら来た。

 正直見た目と口調とかを除けば旧マサヒロっぽく感じる時が万に一つぐらいはあるんだよなこいつ……。


「姫城はコタツいいのか?」

「いいんです、このベッドにはユウジ様の体温が残っていますから」  


 ……いや俺が寝たのは普通に朝までだから、とっくに体温残ってそうにないんだが。


「そ、それに……ユウジ様が三百六十五日必ず過ごすであろうベッドという聖域に……ハァハァ」

「なんかやめてくれ!」

「……わ、私も行っていいユウジ」

「落ち着けユキ、張り合わなくていいから!」


 と、まぁいつものメンバーでいつものテンションな集まりだった。

 年末テレビのバラエティを流しながら年末を過ごす、今も画面では中田がタイキックされている。


 そんな時俺の部屋の扉がノックされ――

 

「失礼しますね。あの、ユウジさんちょっといいですか?」

「ん? 俺?」


 ホニさんが少し緊張気味に入ってきて俺を呼んだ。

 それからホニさんに付いて行き居間にいき――



 しばらくして。


「年越しそば持ってきたぞ」

「持ってきました」

「持ってきた」


 俺とホニさんとミユの三人でお盆に年越しそばの入ったどんぶりを人数分持ってきたのだった。

 なんとこの蕎麦、ホニさんが本気を出して作った手打ちそばであり……たぶん相当うまい、一応一部作業は俺と姉貴が手伝っている。

 そんなそばのどんぶりは俺が三つ、ホニさんが三つ、ミユが二つ……うん?


「ユウ兄私もここで食べていい?」

「いいけど、悪いなこのコタツ三人用なんだ?」

「なんでよ! 一方空いてるじゃん!」

「テレビが見えづらくなるだろ」

「テレビじゃなくて私を見て」

「正直見飽きたし」

「もっと見てよ!」


 と、いつもの兄妹コントをしていたら――


「やっぱりこの兄妹軽くヨスガってますね」

「ブラコンとシスコンが交差する時、何かが起こるぬ」 

「……やっぱりミユは強敵かも」

「勉強になります


 委員長・ユイ・ユキ・姫城が口々になんか言っているが多分半分ぐらいしか聞こえてない。」


「あの……我もいいですか?」

「空いているコタツをどうぞ」

「なんでさー!」


 ミユはからかうと可愛い……いかんいかんこれじゃシスコンみたいでダメだ。

 すると少し前までプンプンしていたミユが一転、何かを考えついたかのようにニヤリとすると――


「じゃあいいもんいいもん――よいしょ」

「おい」


 あろうことか俺に背中を預けるようにして座ってきたでありませんか。


「高級座卓~」

「そばが食えないだろ、どいてくれ」

「私の食べさせてあげよっか」

「いらん」

「じゃあ私を食べていいよ」

「もっといらん」

「もっと言い方あるじゃん!?」


 と、いつもの(以下略)。

 

「「ブラコン(シスコン)……」」

 

 呆れた声と共に揃ういわれなき言葉であった。


「「ブラコン(シスコン)じゃないから!」」


 そして意図せずハモる俺とミユ。

 なんだか理不尽にもユキの好感度が下がった気がしてならなかった。 





 そばを食べ終わりミユとホニさんが帰ったあと。

 それからテレビのチャンネル争いが始まったり、軽くカードゲームなどして遊んだり、唐突にも女子達でコイバナ(?)みたいのが始まったりしつつ――


「そろそろ年明けだね」

「もうそんな時間か」


 ワンセグでちゃっかりアニメ特番を見ていたマサヒロがボソリとつぶやくと、みんなの注目がテレビや部屋の時計の時刻表示に向かった。


「カウントダウン! 十・九・八・七……」


 ユイがハイテンションに、数字はそれぞれがバラバラにも口に出して――


「「三・二・一……ゼロ!」」


 そうして年が明ける。

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