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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第二十章 この中にもう一人、幼馴染がいる! ーなかおさー
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第720話 √7-53 『ユウジ視点』『十ニ月九日・十二月十二日』


 藍浜町的には次の一大イベントクリスマスが月末に迫っていた。

 スーパーからコンビニから本屋などに至るまでクリスマス商戦に備えまくり、クリスマスが近づく度に町民のテンション上がりまくり。

 このクリスマスの時期だけは実質ショーケースのようなジュエリーショップも在庫が尽きかねないという経済効果である。


 そんな俺はユキにクリスマスプレゼントを、と考えている。

 

 ユキが喜びそうなものとはなんぞやと考える、アクセサリーが良いだろうか、それとも実用的なものだろうか。

 そこで思いついたのはユキはスパイス好きだということ、スパイスは粉末状になっているのも売っているが、ミルなどで粉砕しなければならないものもある。

 なら実用的にスパイス用電動ミルなんてどうだろうか、ユキのスパイスな日々を手助けできるならアリかもしれない。


 そこに加えて恋人的にもアクセサリーをプラスしたい……が月払いの小遣いではどうにかなると思えず――



十二月九日



 期末テストが終わり解放感に包まれる。

 いよいよ今年最後の難所を乗り越えたことで、生徒の多くも安心し切って来るべくクリスマス・冬休みなどに浮足立っているようだった。


「じゃあまた明日ね、ユウジ」

「またな、ユキ」


 二人物陰に隠れて別れの挨拶キスをしたあと、俺たちはそれぞれ別の帰路に就いた。

 俺たちは毎日下校しているかと言えばそうではなく、場合によって俺はユイやマサヒロと寄り道することもあれば、ユキはユキで友達と寄り道なんてこともあるようだった。

 それぞれの関係性もありプライベートもあるものだ、と俺たちは双方理解出来ていると思う。


「おう、じゃあ行くか」

「行くぜい!」


 そうして俺とユイは二人で同じ場所を目指す…………いやいや浮気とかじゃないよ、ちゃんと理由があるんですヨ。


「いやはやユウジ氏と共同作業が出来るなんて運命を感じますなぁ」

「言い方! 普通にバイト先の作業が一緒になるかもしれないだけだろ!」


 そう、俺とユイは同じ働き先でバイトしているのだった。

 話は大体一週間前に遡る――



* *



 約一週間前、ユキへのクリスマスプレゼントを考えるべくバイトをすることを決めた。

 しかしこの町でのバイト求人はかなり少ない、条件も大学生以上のところも少なくなく門前払いばかりだった。

 ちなみにスーパーとコンビニやファーストフードのバイトがかなり人気で募集を締め切るほどだ、他の地域では慢性的に人手不足だと聞くがこの町ではそうは聞かない。


 とはいっても俺が働き先を必死に探したかと思えばそうでなく、殆ど迷いなく向かった先の店で――


「らっしゃせー、ご来店ありゃりゃりゃーす」


 という適当な挨拶に迎え入れられながら入っていくと――


「お、ユウジじゃんよ」

「よ」


 その店の名前は『ゲームショップ・キド』で、この町唯一のゲームショップにして姫城の世界での俺のバイト場所だった。

 ……いやまぁこんな地方の小さなゲームショップで最低でも二人のバイトを雇う必要性は無いんじゃないかと思われてもしょうがないのだが、募集しているのだからしょうがない。

 そして店長がちょうど居て、すぐに面接出来るとのことで、いやあちょうど持ってきていた履歴書が役に立ったなー。


「では、君。好きなアニメはなにかね」

「ストライク・ジ・ブラッドですかね」

「ここから先は俺のケンカだ!」

「いいえ先輩! 私たちのケンカです」

「採用」


 ということで即採用となったのだった。

 一応裏事情としては長いこと働いていたユイの友人であったことと、最近バイトの一人が突然辞めてしまった為に困っていたという。


「高校生だから平日は出来ても夕方五時からとして九時までとして……土日は朝九時から夜九時の間の四時間になりそうだけど、どれぐらい出れそう?」

「平日四日、土曜一日の週五行けます」

「おいおいユウジそんなに働いて大丈夫か?」

「それぐらい働いてもらえばこちらも大助かりだが、ユイ君が言う通り大丈夫かね?」

「問題ないっす!」

「ふむ……では、曜日希望は……なるほど。それでは週明けから早速頼むよ」

「よろしくお願いしまっす」


 

* *



「というかユウジ氏……アタシは暇人だから良いとしても、彼女持ちとしてはバイトに力入れすぎでわ?」


 そうしてバイト先までの間ユイがそんなもっともなことを聞いてくる。


「大丈夫こう見えても週三回ぐらいはユキと帰ってるから」

「…………んんん? 計算が合わぬぞ!? 学校からバイト先は直行しないと無理だし、平日週四回はユウジには無理では」

「だとしてもユキに確認してみてもいいぞ、なんなら店長にも俺が出勤してるか聞いてみてもいいぞ」

「ユウジまさか……ユウジの中では一週間が八日間だったりするのか!?」


 んー、微妙に惜しい気がする。

 まぁ確かに今の俺にとって”一週間は十四日”になるんだろうか。 


「じゃあユイ、俺が時々分身してバイトしてたりデートしてたりしてたって言ったら信じる」

「アイエエエエ!? ニンジャ!?」

「ユイしめやかに爆発四散」

「サヨナラー!」


 と、まぁニンジャ絶対ヤルマンのコントはここまでにしておいて。


「まぁここだけの話、コピーサイドの俺がバイトに出てるから店長に内緒な」

「え、というかマジな話なのそれ……ユキと一緒に帰ったはずなのにバイト来てた時あったけどさ、その時は」

「私の母です」

「も、森さんちょっと回ってくれませぬか」

「うちのメイドさん勝手に回してんじゃねーよ」


 と、まぁグッジョブブブブなコントもここまでにしておいて。


 ということでほぼ冗談のように受け止められているのかもしれないが、俺が分身しているのはマジな話で。

 雨澄の世界で使った分身能力が、桐は使えていた能力があったので使わせてもらっている寸法だ……これがチートたる所以だが。

 一日の終わりに記憶を統合して不都合がないようにもしているので、今のところは誰にもバレておらず問題ない。

 まぁ彼女のプレゼントの為のバイトで二人の時間が減るとか本末転倒だし、分身出来るもんならするのだ。


 とりあえず分身体にはこの世界の終わりまでバイトをやってもらうとするか、一か月で辞めるというのも店長に悪いしな。



十二月十二日



 ユイの「オニャノコデータベース」によれば、ユキの誕生日は今日だった。

 そして日曜なこともあって皆で俺の家に集まって、ユキを主賓にワイワイと賑やかに過ごした。

 ……正直ユイに言われなければスルーしかねなかった、そしてバイトしていて本当によかった。


 俺と姉貴でケーキや料理を作り、誕生日の集まりと――まぁ目前に迫った二学期期末テストの勉強会もイベント的には兼ねていたりして。

 いわゆる俺とユキは恋人関係になったとはいえ、流石にいつもの皆が集まるこの日にイチャつく勇気はなく特に進展はなかった。


 ……もっとも、誰にも見られない時と場所でキスはしたんだけどな。

 隠れて付き合っていた期間が長かったせいで、こういう技術だけは長けてしまった気がする。

下之家のとある場所とある時間にて

マナカ「と、本人はバレていないなどと供述しており……」

マイ「この目でバッチリみました。今ではユキを私に置き換えての妄想素材入りです」

ユイ「リア充末永く爆発しろ、byユキファンクラブ会員」

ミナ「むむう……ユキちゃんなら許せちゃう!」

ミユ「……ねぇユミジ、やっぱり監視カメラ機能回復しない?」

ユミジ『だめです』

二人のキス場面はある程度周知のことだったという話でした。

アイシア「てか取ってつけた感じ強いとはいえ誕生日設定初めて使ってない? 他の子はいいの? ねえ――」

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