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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第二十章 この中にもう一人、幼馴染がいる! ーなかおさー
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第704話 √7-37 『ユキ視点』『↓』

マナカ「まったく世話が焼けます……」


このカップル微妙に付かず離れず感あるし、未来の下之君はやらかすし、これぐらいお膳立てしないとね。

ふふ、今はお二人さん楽しんでください。

まぁ次の世界というか、ゲーム攻略後の保証はしませんけどね。


それにしてもキャンプを屋内でやる考えは天才的でした、流石私ですね。

へやキャン!  なんてどうでしょう。

原作でもこのキャンプ回は回想シーンがロマンチックでいいんですよねー。

 最低限のスパイスとバーベキュータレでなんとかしてしまった不覚のバーベキューから、バーベキューをやっている間も太陽が本気を出したせいで、いよいよ真夏になったことから皆がコテージに戻ることになった。

 ユウジのいるコテージに集まってボードゲームをして結構盛り上がったし楽しかったと思う。


 けど、やっぱりユウジの寝起きの時のあの言葉が気になって仕方ない。

 それ以外にもユウジはこの世界のことをどれぐらい覚えているんだろう、とかも気になってきちゃって。

 だから上辺だけで楽しんでるだけになっちゃって……なんか惜しいなぁ、せっかくの楽しいキャンプなのにね。





 夕食は委員長が持ってきていた素麺をつゆで食べる、そばつゆには七味が合うよね。

 満腹になったことで少しテレビをだらだらと見たあとは、お風呂タイム。

 昨日も同じぐらいの時間にお風呂行ったけど、その時ユウジは来なかったみたいなんだよね。


「風呂一緒に入りにいこうぜい」

「それってユイ、お前男湯に来るのか」

「…………い、行かない! というか途中まで一緒に行こうってだけだし!」


 たぶん、きっと双方友人として仲が良いからの会話なんだろうけど……ちょっとだけその気軽さに嫉妬してしまう。

 本当の幼馴染だと、こういう軽口叩き合うような感じがしっくりくるはずなのになぁ。

 私はまだ微妙にユウジとの間に線を引いている気がするし、ユウジも私との間に線を引いているような気もする。

 ……以前の世界で私はチラっと見ただけだけど、ユウジの実の妹のミユとも今も仲良さそうに見えてなんだか羨ましくて。


 私、幼馴染のはずなのになぁ。

 幼馴染になれたはずなのになぁ、と沼に嵌っていく。

 もうちょっと上手いやり方があるのかなあ。

 

「下之君、私たちは混浴構いませんが」

「私は構うよ!」


 私はそんなモヤモヤを表には出さない、そして委員長が何気なく混浴OK宣言に私はツッコミを入れる。

 いやだってそのユウジと入りたくない、わけじゃないけど今は水着持ってきてないし……もうちょっとこう段階を踏んだり、準備とか……ね?


 そうして結局は男女で別れてお風呂に入る、委員長の言ってたことが冗談で良かった……。





 ここの露天風呂は景色もいいし、お風呂といいつつ温泉のようでとろとろしたお湯質に匂いもクセがなく、なんだか入っていると心地いい。

 お風呂に入ること自体好きなので、実はここに来てから皆で入る以外にも時間を見つけてお風呂に入っていたりする。

 コテージから近いこのお風呂最高だよね……のぼせなければ身体がふやけるまで入っていたい。


 こうしてユイと委員長と私でお風呂に入る。

 そういえばマイは昨日もコテージ備え付けの風呂で一人風呂だったっけ、もちろんなんでだろうとか乙女は詮索はしないよ。

 それにしても――


「(すごい曇ってる)」 


 ユイと委員長はメガネのままお風呂に入ってるけど、すっごい曇ってる。

 あれで前見えてるのかな。

 うん、まぁ余計なお世話なんだろうけど……さっき横目に見たらシャンプーをしている間もメガネを取らない徹底ぶりだけに気になる。

 お、乙女は詮索しないよ!


「委員長はメガネ取らないのかえ?」

「あなたがそれを言いますか」


 私が何を言ったわけでもなく当然の疑問をユイは口にした、それはユイもだけどね!


「風呂でメガネを外さないメガネっ子はクソだと思う」

「ケンカ売ってるんですか巳原さん、そういうあなたもメガネ外したらいかがですか」

「これは体の一部ですしおすし」

「じゃあ私も」

「そんな曇ったメガネが身体の一部とは片腹大激痛ですわな~」

「なんだァ? てめェ……」


 なんでケンカになってるんだろう……ほんと、なんでだろう。


「二人ともケンカはダメ!」


 せっかくのお風呂なんだしケンカは良くないからね。

 それに―― 


「なら両方外せばいいよ!」

 

 詮索しないとか言ってごめんなさい、実は興味ありました。

 ……実はユイの素顔は知ってるんだけどね、前にクラスの前でメガネ取ってたし。

 でも委員長は取ったところを見たことない、いつか顔を洗う時もメガネ付けたまま水バシャバシャタオル拭き拭きだったから、ほんと徹底してる……メガネビシャビシャだったけど。


「いいでしょう、私のとびっきりセクシーな素顔お見せします」 

「アタシも本邦初公開だ、全米が泣いちゃうぞ」

「はい」

「やー」

「え、ええええええええええ!?」 


 相変わらずユイはメガネ取ると可愛くも中性的な感じ、委員長大人っぽいんだけどおおおおおおおおおお!?


「委員長は大人っぽいし、なんかユイは女の子っぽいイケメン!」


 というか改めて見返すとユイって絶対髪型とか化粧とか工夫すれば化けるよね、なんかすっごく勿体ないんだけど。

 身長高いし女の子にモテそうなのに、そういうの興味ないのかな……ないよねそりゃ。


「え、てかユイ可愛いんだけど! 委員長は美人だし――」


 いやほんと、もの凄い失礼だったんだけど委員長ってこんなに美人だったの。

 私が節穴なだけだったのかもしれないけど、もしかしたらクラス一大人っぽい……?

 同世代でもスタイルが優れてて、大人びているマイよりもまた違った色気がある、なんかすごい。


 以前の世界でユウジと委員長が付き合っていたらしいのは分かってたけど、そっかこれは……強敵だ。

 もちろん近い間柄でこの美形のユイも強敵だ、ユウジの周り強敵ばかりなんですけどー!?


 ほんと私でいいのかな、もっとユウジ好みの女の子いるんじゃないかな…………いやいやいや!

 私らしくない! 

 ポジティブなのが私のアピールポイントみたいなものなんだから、こんなのは内心考えてるだけにするの!

 

 私が意外とこうネガティブな考えの持ち主なのは、きっと誰にも気づかれていない。

 だって私はそういうキャラじゃないんだから――そういうことになってるからね。 





 そしていよいよ夜、あんだけ意気込んだのにユウジと進展はなく情けない限りだった。

 もうこのキャンプも終わろうとしている……ま、また次があるよね!

 と、先延ばしにしていると一向に進むことなさそうでほんと怖いんだけど。


「篠文さん篠文さん」

「え? 委員長?」


 すると委員長に呼ばれて手で招かれる……なんだろう?


「そういえば寝袋は持ってきていますか?」

「え、一応自分のは持ってきてるけど……」


 そういえば持ってきているのにキャンプらしいこともなくて使わなかったな、委員長が私に持ってきた方が良いって言ってたんだけど。


「それは良かった。ではそれとサンダルを持ってこちらへ」

「う、うん?」


 寝袋を何に使うんだろう……今からキャンプするわけじゃないだろうし。


「この寝室の……よいしょっと」

「え」


 そういえば昨日私たちは二階で寝たこともあって、ベッド式の一階の寝室は寝るのには使っていなかったな。

 けれど荷物置き場とか着替え場所とかには使っていて、壁に折りたたみテーブルが立てかけられていたのがちょっと気になってはいたんだけど。

 それを動かすと――なんと扉が現れた!


「この扉を開けて部屋に入ると幸せになれますよ」

「え、それって……宗教的なやつ」

「違います」


 違うんだ……じゃあなんなんだろう。


「それとしばらく篠文さんの姿が見えなくても大丈夫なように、私がなんとかしておきますから」

「え、えっ」

「それでは行ってらっしゃい」

「え、えー!?」


 そうして半ば強引にサンダルを履かされて扉の中に足を踏み入れると――


「お邪魔しまーす……あれ?」 

「え」


 暗がりの中でランタンを点けて、何故かユウジが椅子に座りながら上を見上げていた……どういう状況なの?


「なんでユキが?」

「いやいや! それより、何この部屋……」

「これ? なんか……屋内キャンプ風施設?」

「なにそれ」


 四角い部屋の床は人工芝っぽい感触で、天井には夜空を象った模様?

 部屋の中心にはテントが立っていて、その前に置かれた折り畳みチェア二脚のうち一脚にユウジが腰かけている。


「というか、ユキどっから出てきたんだ? ここって俺のいるコテージにあるはずなんだが」


 え!? ユウジのコテージにあるってどゆこと? 


「えっ? 私たちのコテージから来たけど……なんか委員長がその部屋に行ってみるといいですよ、って」

「え?」

「えっ?」


 …………ちょっと分かってきたかも。

 そういえばコテージ隣同士だもんね、その間に共同スペースのような部屋があって、そこに今私たちは居るんだ。

 

「部屋、繋がってたんだな」

「そう、みたいだね」


 思えば寝袋を持ってきてというのも、この屋内キャンプをユウジとする為だったと考えるのが自然で。

 ということは委員長がここまでお膳立てをしてくれたのかもしれない……なんでそこまで私にしてくれるのか分からないけど。

 委員長ってユウジのこと好きだったよね……?


「とりあえず……座るか?」

「う、うん」


 今せっかくユウジと二人きりの時間がやってきたのに、ここで考えても仕方ないよね……。

 とりあえず私はユウジに促されてユウジの隣の折り畳みチェアに座ってみる。

 座ってからユウジに倣うように上を見上げてみると――


「わぁ綺麗、これ星空みたいな天井だね」

「だよな、良く出来てるわ」


 透き通った本当の星空に劣っても、なんだかプラネタリウムに来ている気分になって……これはこれで綺麗で見飽きないかも。


「というかユキ、それ」

「うん? あー、委員長に寝袋持ってきたならこの部屋で持って行った方がいいですよ、って」


 うーん、完全に委員長のおかげだなぁ。


「そういえば私たちキャンプに来たんだもんね、ようやくそれっぽい感じ?」

「だな」


 一応キャンプに来たから、せめて私たちぐらいはキャンプ気分を味わってほしいっていう委員長の計らいなのかな……?

 ありがたいけど、本当になんでここまでしてくれるんだろう。


 まるで私たちが恋仲で、彼氏彼女なのを後押ししてくれるみたいじゃん。


 ……都合よく解釈しちゃうよ?

 私たち、ここでちょっと関係進めちゃうよ?

 ――そんな中で自然と頭に浮かんだことを口に出す。

 

「ねぇユウジ」

「ん?」

「覚えてる? こうして、二人で夜空を見たこと」

「……ああ」


 覚えててくれたんだ……と、素直には喜べなかった。 

 たぶん私はユウジが覚えていてくれたことに喜ぶべきだと思うし、嬉しいと思うに違いなかった。


 でも私にとって、もっとユウジが覚えているのなら嬉しくて仕方ないことがあったから。

 だから今話すのは、私がユウジの真意を探る為にやっている……ちょっと卑怯なこと。

 でも知らないといけなかったことなんだよ、だから心の中だけど謝っておくね――


「小さい頃、二人で見たことあったな……小学生ぐらいだっけか」

「そうそう、こうして家族同士でキャンプ来てさ」



 そして、これは――作られた思い出だったんだよね。



 私の中にある二つの過去の記憶、”私がユウジの幼馴染の記憶”と”私がユウジの幼馴染に憧れた記憶”があって。

 これは前者、本当は幼馴染なんかじゃない私の中にある、私がユウジの幼馴染を演じる為の設定・思い出。

 ユウジが寝起きに話したと思うのは後者、私が幼馴染じゃなくともユウジと関わり合いがあった時の本当の思い出。


 そしてユウジは前者の設定に準じた、私と同じ記憶があるということが思い出話をすることで分かったんだ。

 

「今度は二人で来よう」

「それ、いいな」


 ユウジはそう懐かしむように少し嬉しそうに言ってくれてる、そして私ももちろん同意して。

 きっと私も似たような表情をしているはず、だといいな。

 

「……そういえば寝袋持ってきたんだよな」

「……うん」

「一緒に、テントで寝るか?」

「…………」


 私は少しだけ緊張気味に頷いた。

 寝袋を持ってきて、テントは二人が寝れそうなぐらい……ということは、そういうことだよね。

 

 ユウジの真意をある程度分かったのは良いとして、それと関係なく今はユウジと二人の時間。

 今まで足踏みしていた、二人の関係を今進められるかもしれない……!  


「意外と狭いな」


 確かに思ったよりは広くないかも、でも――


「そう、かな――こ、こうすれば狭くないよ」

「っ! お、おう……」 


 私はユウジの腕を自分の胸に抱き寄せる、ちょっと大胆かな? でも……む、胸触らせたあとなら今更だよね。

 私はユウジと特別な関係になりたい、そのための形が欲しい、出来事や思い出が欲しい。

 例え私がユウジにとって「偽物」の幼馴染だったとしても、「本物」の幼馴染に近づけるように、「本当」の彼女になれるように――行動したい。

 

 ユウジの心の中に私が居れるなら、恥ずかしいことだって出来るよ……頑張れば!

 ユウジの腕は筋肉が付いていて、少しだけ触れるユウジの身体はちょっとゴツゴツとして男らしい……のかも、なんだかドキドキする。


「ユウジ……」


 そして数日以来の、また私からキスをする。

 なに言われたっていいもん、私きっとユウジとキスするの好きなんだもん、えっちでもいいもん

 繋がれて安心できて気持ちよくて、この間だけは難しい考えも不安も全部忘れられて、いいこと尽くめなんだから。


 そして――もうちょっと気持ちよくなれたらいいなと思った。 


「っ!」


 ユウジの口の中に私の舌を伸ばす、その挙動にユウジは身体をビクリとさせてて、私は少しだけ正気に戻ってしまう。 


「いや、だった……?」

「いや、なわけない」

「そっか」


 なら、いいよね。

 ユウジのもっとちょうだい、ユウジの深いところ、もっと味合わせてよ。

 

 ユウジ、すき。

 ずっと、すき。

 小さい頃から、ユウジがきっと覚えていない頃から、ずっとすき。

 私を選んでくれたユウジがすき、今だけでも愛してくれるユウジがすき。


「――ユウジ、好き」

「好きだ」


 嬉しい、ユウジがその言葉を言ってくれるだけで心が満たされて行く。

 ああ、ダメだなあ。

 タガが外れると私ほんとダメだ、えっちすぎるって思われないといいな。

 でも、それはあとで考えよ。


 今の私はただひたすらにこの幸せを味わっていたいから――

アイシア「クソシナリオすぎる……」


現地で調整するこっちの身にもなってほしい。

大体この頃の技術でハイテク屋内キャンプルームとか微妙に整合性取れないこと前提にするのやめてほしいんだけど。

大体ロクな装備もなく夏にキャンプするとか書いた原作者はキャンプ舐めてるの、現実的じゃないから色々捻じ曲げたりロケーション整えたり大変なんだけど。

キャン舐めだよ。


クソ原作者……じゃなかった嵩鳥さんがコテージ借りたりユキをアシストしたりでドヤ顔してそうだけど、正直いい加減にしてほしい。

ユーさんとの混浴無かったら仕事放棄してたところだったからね?


アイシア「というのはうそやでー」

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