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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第二十章 この中にもう一人、幼馴染がいる! ーなかおさー
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第668話 √7-1



 それは未来、某所にて。

 私こと嵩鳥マナカは今も現在進行形の画面を見つつも彼の記憶の復元を進めていた。

 

 彼の欠けた記憶を狙って私が”見れる”訳ではないので、どうしても順番が前後して結果彼に”夢”という形で見せるものは時系列がグチャグチャになってしまったんですけど。

 そうこうあって私が画面越しに彼を見て、それを井口さんに伝えて現実のものとし、アイシアさんがそれを管理し夢として再構築する。

 そんな一連の行動を当の本人をほっぽって続けてきていましたが――


「あー」

「どうしましたかアイシアさん」

「何かあったんですか?」


 夢への再構築のほかに箱庭世界の管理も担っているアイシアさんが自分の見つめているパソコンを見ながら声をあげたのです。

 あまりそんなリアクションをしないようなアイシアさんなこともあって、私と井口さんも思わず反応してしまいます。


「いやさ、私も別にしたくてしたわけじゃなくて」

「……はい」

「な、なんでしょうか」


 なにか嫌な予感がする前振りですね……。

 いわゆる予防線を張っているというか、不測の事態に対して自分の責任においてどうにかして軟着陸を試みているような。


「まあ夢を介しているとはいえ記憶を書き換えているわけだから、多少はしょうがないのかなって」

「分かりましたから、アイシアさんを責めることは絶対ないですから……とりあえず話していただけませんか」


 なにせ今回のことは私が頼み込んでやってもらっていることだ、偉そうなことが言えるはずもなく――



「桐がユウさんにかけた魔法が解けちゃった」



 そんな抽象的で、どこかメルヘンなことを言い出したアイシアさんの意図に――私はすぐさま気づいてしまいました。 


「……どうしてそうなったんでしょうか」

「んー、いやー……正直ね」


 彼女が口を濁しながら言う理由が少しあとには分かってしまうのです。

 そう、どうして――



「ちょっと桐もバグってきてるみたい」



 正直私が気づいてしまった――下之君が物語を進めるごとにされていた記憶リセットがされなくなったこと。

 そんなことよりも、アイシアがなんとなく言ったその要因の方が私には驚きをもたらしたのです。



* *



 俺は下之ユウジ!


 生まれも育ちも海と山に囲まれた藍浜町! そんな町に一つだけある高校に通い始める新一年生だ!

 一男子としては容姿普通、勉強普通、運動普通、性格普通で特技は特に無いなんとも”普通”としか言いようがないスペックの持ち主だぞ!

 程よくコミュニケーションは出来るし友人もそれなりにいるが、小学校・中学校と来て浮いた噂はまるで無し!


 だから俺は、高校デビューしてやるぜ!

 モテモテに……いや、彼女が欲しい!

 というかリア充になりたい!

 女の子とイチャイチャしたい!

 

 そんな恋に憧れる、という風に言うには少し下心がありすぎる俺とこれから出会う彼女たちとの学園ハートフルストーリーだ!

 こうご期待!

 


四月一日



 ……という夢を見た。

 なんだよ今の売れない様なギャルゲーのパッケージの裏に書いてそうなあらすじは。

 てか主人公の情報どうでもいいし、その割には長いし薄いし本当にどうでもいいし、もっと女の子のヒロインの情報をだな!

 というかだな、大体このゲームのヒロインはみんな可愛くて――


「まず同じクラスのマイは慕ってくれる上にスタイルも良くてだな、それに我が家の神さまことホニさんは――」 


 ………………ん?


「…………今、四月一日だよな」


 四月一日、エイプリルフール、この半日ぐらい嘘をついてもよっぽどでなければ許されるかもしれないし許されないかもしれない日だ。

 ……日付以外の情報はいらなかった。

 そして俺は頭がおかしくなったかもしれないので一応確認しておくのだが、今年は――


「二〇一〇年四月一日、と」


 ………………と、いうことは俺はまだ高校生になっていないはずである。

 だというのに同じクラスのマイとはどういうことか、少なくとも去年のクラスにマイなんて……居たかもしれないけども、俺とは接点がないはずで。

 そんな彼女を訳知り顔で話した俺とは一体。


「特に彼女の過去を知って、それからちゃんと愛を確かめあって、その後には彼女とのスク水プレイ……」


 ………………いやいやいやいや。

 なんで俺そんなこと言ってんの、彼女とか言ってるの意味分かんねえし、というかマイって姫城マイってどんな容姿か……あれ、思い出せちゃうぞ?


「俺に彼女なんか……マイ、ホニさん、ユイ、クランナ、ミナ、アオ、ヨリ、マナカ、ミユ…………」


 !?

 なんだこれ、今なんとなく呟いた名前の子全員と交際していた記憶があるぞ!?

 本当になんだよこれ!?


「いや待て落ち着け、こう見えても俺は中学二年の末に好意を寄せていた幼馴染に振られるどころか失踪されて、それからミユが引きこもって、俺が怪我して――」


 よし、ここまでは合ってるな。

 そして思い返したら凹んできた、朝からなんてものを思い出してしまったのでしょう。


「でもって頭の打ちどころが悪いせいで記憶がいくらか飛んで人間関係ほぼリセットで、なんとなくハマったアニメからマサヒロやユイと話すようになって」


 何の違和感もないな。

 いやまあ人間関係リセットで行きついた先がアンダーグラウンド的なオタクというのはなんだかなあ、だが。


「そうこうして俺は中学校を卒業して、そして俺は高校生を迎える……」


 ここまで俺が女の子と付き合っていたような余地ないんですけど!

 …………さっきあげた九人もの女の子との交際していた時の記憶とは一体!?


「あ、あれえ」


 というかミユと付き合ってたって、記憶の中じゃ引きこもりも卒業してるっぽいけど本当にどういうことなのか。

 …………待て、落ち着け状況を整理しよう。


 ユイの父親と俺の母親が再婚したことでユイが俺の家に引っ越してきたのが数日前……ということになっている。

 ユイ発案の肝試しの最中に出会った神様ことホニさんがやってきたのも数日前……ということになっている。

 そして金髪碧眼なオルリスと、銀髪灼眼のアイシアがホームステイしに来るのは数日後……数日後!?


 なんだ! 俺はいつから未来人になったんだ!?


 そして更に数日後俺は桐と自称するロリ存在にこの世界が現実とギャルゲーのハイブリッドであることを知らされる。

 謎のネタバレエエエエエエエエエ!?

 なんでこれから起こること知ってんの!? いよいよ俺頭おかしくなったのか!?


 で、桐曰くループするこの世界を脱すためには女の子を攻略しろとのことで…………これまでもループ世界を過ごし、俺は女の子を攻略してきたらしい。


「つまりあれか」


 世界を代わる代わる、時間をループする度に俺は女の子をとっかえひっかえして付き合ったりしていたと。 


「え、ええ……」


 どクズじゃん……ヤ○チンじゃん。


「…………」


 ……四月一日、エイプリルフール。

 そんな日に見ている頭のおかしな夢だったり――しないよなあ。


「というか…………」


 う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?

 脳裏に浮かぶのは、そのさっきあげた九人の女の子とのイチャイチャとか……キスとか、または更に先とか。


 というかユイとミユ相手に何やってんの俺!?

 片やグルグル眼鏡……なのに素顔可愛いのかよなんだよこいつ。

 片やヒッキーの実妹……引きこもりやめてるじゃねえか、自販機巡りしてるじゃねえか、なんなんだよこれ。


「それに……」


 ホニさんを守るためになんか一部勢力と敵対しつつもよく分からん存在と戦ってるし、その敵対勢力だったヨリともなんか結ばれてるし

 オルリスをかけてアイシアと戦ってる……アオの為に車に牽かれに行ってる……幼馴染と化して生徒会役員でなくなった姉貴の隙間を埋めるべく生徒会役員として奔走してるし。

 

「中二病妄想ノートでもここまで書かねえぞ……」


 そんなこっ恥ずかしくなるような妄想にしては妙にリアリティがあるというか、ディティールが細かいというか、詳細なところまで覚えていてしまっている。


「…………マジでどういうことだ」


 俺は寝起きだというのに醒めすぎた意識を以て部屋を出た、目指すは――かつては空き部屋だったはずの場所だった。

 いや、実際に今の部屋の扉には名前のプレートがかけられてはいない。

 それでも俺は覚えている、この部屋に”アイツ”がいることを。



「朝悪いな、桐。ちょっと話がある」


 

 そこには記憶の中に子と同じ見た目をした、小さな女の子が居た。



「あ、お兄ちゃん!」


 

 …………しかし返ってきた彼女の声と口調に言いしれない違和感。

どうにも最近創作意欲が湧きません


本来の予定では一か月ぐらい休んで書き溜めて連日投稿~だったんですけどね

この7-1は一か月半前に書き始めて一か月前にあらかた出来上がっていたものでした

まだ公開するつもりはありませんでしたが期間が空いてしまいそうなので応急的にです

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