表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十九章 私の兄がこんなにかっこいいわけない。 ーわたあにー
535/648

第656話 √d-35 わたあに。 『ユウジ視点』『七月二十三日』



 それから時間が経った。

 ミユはあの自販機巡りから、ちょくちょく俺が一緒に行く前提で出かけられるようにもなったのだ。

 

「この振る振るゼリー美味しいんだよね!」

「ああ、美味しいけど振り加減がなかなかシビアだよな……」

「そうそう! ゼリー感残そうとすると固すぎて飲めないし、やりすぎるとでろでろになっちゃうし」

「家に帰ってキンキンに冷やそう」

「うんっ」


 自販機でそんな好きな・珍しい飲み物を買っては俺とミユは二人話すのだ。

 こうしてまた二人で普通に出かけられる日が来るとは……嬉しいもんだな。

   


 そんなミユ曰く夜型の生活の頻度をだいぶ減らしたようだが、引きこもりをほぼ脱却したこともあって――


「ミユ、こんな時間にどこに行く気だ」

「えっ! いやその……深夜の買い出し?」


 ミユによれば「太陽が無い夜こそ私の時間!」とのことで、深夜にちょくちょくコンビニに出かけるようになった。

 朝起きて玄関を見るとミユの靴だけ動いた形跡があるのと、鍵横のチェーンをつけ忘れているのが動かぬ証拠だ!


「なら俺もついてく」

「……うう、しょうがない」


 俺としては深夜に出かけるのを味をしめたからといって、事故にあったり犯罪にまきこまれたりするのが怖いのだ。

 ……なんというか兄というよりも父親目線みたいに思えてくるな、姉貴が母親目線なら俺も多少はその役割を担わないとな――





 まあ、結局は父親役をしようとしても気を抜けば単なる兄なんだけどね。


「ねえねえユウ兄、これ美味しそう」

「ラーメンおつまめゆず胡椒味か……強めのサイダーでグイっといきたいな」

「買おう買おう」

「お、ミユ。そういえばこのプチシューシリーズ美味かったよな」

「チョコバナナ味とか絶対美味しいじゃん……買い」


 深夜のコンビニで菓子コーナーを物色する兄妹。

 品出しをしている深夜のコンビニ店員がちらちらとこちらを見ている気がする。


 俺の妹は見世物じゃねえぞ!(そこらへんのケースを蹴る)


 とは思ったけどやらない。


「深夜はスナックコーナーが無いのが残念だなあ……○チキ食べたい。しょうがないから代わりにカップ麺買って帰ろう」

「こうして一緒に菓子選びしてる俺が言うのも難だが、太るぞ」


 確かに俺も菓子が美味そうとは思ったし今回買うつもりだが、流石に深夜に食べるつもりはない。

 しかしミユはちょくちょく深夜につまんでいるようである。 


「なっ、太らないし! 太らない体質だし」

「へぇ」


 と言ってミユの二の腕を掴むと……掴めてしまいぷにぷにぷに。


「え、えっち!」

 

 と言って俺の手から逃れるとがるるーと威嚇する妹、可愛い。


「明らかに肉付き良くなってるな。引きこもり脱却時は少し細すぎたけども、今は……」

「……え、そんなに太って見える?」


 俺としては今ぐらいが健康的でよしだけども、これ以上は――


「……飲み物をゼロカロリーにして食べよう」


 完全にデブ一直線の思考である。


「そもそも深夜に食うのはよせ」

「だって! ポテチとチョコ系スナックを交互に食べてコーラを飲むと美味しいって言ってた、ソースは”ヒモうとうまりちゃん”!」

「それヤバい、マシュマ○マン女子一直線だから」 

「それはダメ! ああ、水着着るのに――」


 そう、今はもう夏で夏休み。

 そうして今度の週末に、せっかく海と山が近くにある立地だからと――ユイが呼びかけて集まったクラスメイト+下之家での海水浴行きが決まっているのだ。

 


七月二十三日



 そろそろ太陽も人類を滅しにきているこの頃、以前から予定していた水着回……ゴホンゴホン、海水浴だ。

 藍浜という地名からしても近くに浜のある海があり、家から歩ける距離にある海水浴場ということもあって行こうと思えば地元に住む俺たちはいつでも行けるのだ。

 それでもどうせなら家族・クラスメイトの都合を合わせて皆でワイワイ行こうという発想になるのは不思議でないと思う。


 藍浜海岸は今どきでは珍しく、比較的綺麗な浜があり防波堤などのテトラポットも目立たない程度と自然な海の景観が残っていることもあって県外から海水浴に訪れるものも少なくないという。

 だからそれなりに賑わっている海水浴場で海の家もいくらか建っており、シーズン真っ盛りの今は繁盛していそうだ。


「とりあえずパラソルとシートの設営は終わりだね」

「だな」


 俺が家から持ってきた休憩・荷物置き場用のパラソルとビニールシートをマサヒロとセッティングした。


「じゃあ僕はラノベの新刊読んでるから」

「お、おう……マサヒロはブレねえな」


 ……こいつは三度の飯よりも二次元なんだろうか。

 海に来てまでラノベを読むというのはある意味芯が通っているのかもしれない。


「さてっと女性陣の着換えは時間かかるからなー」

「こんにちはユウジ様」

「……うぉっ!?」


 気配もなく後ろから接近してきたのは――姫城だった。

 どちらかというと不意打ち気味の姫城の登場以外にも、その姫城の格好に驚いた。


「……それ、水着なんだよな」

「はい、グレコタイプと言うらしいですね」


 白黒のシマウマな、いわゆる囚人服のような水着を身に着けた姫城の姿があった。

 スタイルが良いはずの姫城の水着姿、見たいとは思ってたんだよ……でもユイ曰く姫城はプール授業に出ないということで期待してなかったとはいえ少し残念だった。


「次はこういうのが流行る気がします」

「ま、マジか」


 確かによく見ると……スク水ほどじゃないが体のラインが出ていて、悪くないな!

 特に胸元の歪み気味の縞模様は――


「やはり男の子なんですね」

「あ、ああスマン」

 

 女性は男の視線にちゃんと気づいているという、だから俺が姫城の胸元を凝視していたのもバレていたのだろう。


「ユウジ様なら構いませんよ、それとも触ってみますか」

「ちょ」


 いやいやまてまて落ち着け、いくらなんでも冗談だろうに、俺たちはクラスメイトであり友人の間柄でしかないわけだぞ。

 そんな俺が触っていいわけ……いいわけ――


「……ユウ兄すっごいやらしい顔してる!」

「いてぇ!」


 気づくとやってきたミユに足蹴にされる……割と力入ってるからやめてくれ。


「で、どう?」

「お」


 ミユがもじもじとしながら見せるのは――

 上下ともに桃色のフリルの付いたチューブトップの水着で、肩とお腹がよく見える水着でミユの細い容姿では綺麗に映る。

 可愛くもいやらしすぎない良い水着で兄的にも安心できていいぞ。


「肉つかなくて良かったな」

「今それ言わないでよ!」

「似合ってて可愛いぞ」

「も、もう……」


 一時期は夜食でミユの肉付きが危惧されたが、今はほどよい感じでよい。

 あのミユと風呂で出くわした時よりも健康的になっていて、兄的にも喜ばしいぞ。


「初めて見る水着だけど買いにいったのか」

「ミナ姉と買いに行ったんだー」

「良かったな」

「うん、えへへ」


 そうくるりと回る妹は可愛い、妹の水着を見れる日が来るとは嬉しいものだ。


「あははー……はぁ……ああ、ごめん、太陽きつい、パラソル入っていい?」

「お、お疲れ」


 無理していたようだった。

 そうだよな、パンピーな俺でもこの日差しは強敵だからしょうがないよな。

 そうしてビニールシートに座るとマサヒロと並んでゲームをし出した……おう、お前もなかなかだな。


「ユウジ来たよー」

「お」


 やってきたのはユキで、ホルターネックのビキニで青を白で縁取ったスタイル。

 なかなか女の子水着していていいな、ユキはやっぱり可愛い。


「ど、どうかな?」

「グッド」

「なら良かった」


 全体的にスタイルの良いユキだから似合う水着を選ばないのだが、落ち着いた色合いはよく似合う。


「ユウジ、アタシも水着着てきたぜい!」

「ぶっ!?」


 ユイが着けてきたのはモノキニと呼ばれる様な前から見るとワンピースで、後ろから見るとビキニに見えるデザインのもので。

 脇腹付近にかけてカットが入っているのだが――


「エロいか!」

「なんともいえねえよ!」


 色合いが赤と黒を基調としているせいで毒々しいというか――


「流石に艤装は電探しか作れなかったぞい」

「よりにもよってなんでアニメ艦○れ大和水着再現してんだよ!」


 しかも電探はやたらいい出来だし、でもアニメでその組み合わせないし……なんで原作ゲームの白赤ビキニにしなかった……!

 ユイは脱ぐとなかなか出るとこでて絞れているところは絞れているのに、この水着とデフォルト眼鏡のせいで全然エロく見えない。


「ユウくーん!」

「ユウジさん!」

「わしじゃよ」

「ジャパニーズ水着といえばこれですわ……ね! 姫城とお揃いですわね!」

「やー」


 続いて姉貴とホニさんと桐とクランナとアイシアがやってきた。

 というか姉貴の水着は三角ビキニにパレオを付けていて……なかなか。

 ホニさんと桐はワンピースタイプの可愛らしい水着で、健全でよいよい。

 ……そしてまさかの姫城と水着が被ったクランナはグレコタイプの色違い、黄白ベースである。  

 そしてアイシアに至っては水着すら着ていない、軽装だった。


「これで皆集まったっぽいぬ! 遊ぶんじゃい!」


 ユイの奇抜な水着に他の女子メンバーもいくらか引きつつ、そうして俺たちの海水浴が始まった

とある空間にて


ナタリー「いや……そのですね。私も実は藍浜海岸に居たんですよ、それも月一回機会がある一分の一スケールになってスク水にシャツを着てですよ。でもよく考えてみればこの世界のユウさん私のこと発掘してないんですよね。ギャルゲーの共通イベントだと思ったのにユウさんはミユにかまけてて全力スルーですよ! 麦わら帽子を取りに来た時はもしかしてと思ったけどやっぱりスルー! たぶん私ユウさんに存在すら認識されてないんですよ、だから私が水着着て海に行ってユウさんとすれ違ったところであっちは他人でしかないわけですよ、わかりますかこの悲しさは。私が呼び出しても”ダイヤル”とかで夢見てる間は来ないし本当になんなんですか聞いてないんですけど。委員長のスパイし終わったことでいよいよ持て余すとは思ってましたけど本編中のナタリーのナの字もないというのはどういうことかと思うんですよ。私だって女の子なんですよ、前回の話ではユウさんにキスもしたしちょっといい雰囲気にもなったんですよ、それが次の世界になった途端この扱い! 酷すぎると思いませんか、もうちょっとさりげなくでも登場させることが出来なかったんですか、というかユウさんシスコンじゃない風装ってますけどシスコンじゃないですか……なんだかムカついてきました。ユウさんストライクなスク水を着ていたのはあの場で私だけだったのにいい! 酒もう一杯! 私と一緒に飲め!」

ユミジ「……一応これ甘酒ですからね」

ナタリー「なんだぁ私の酒が飲めないってのか」

ユミジ「甘酒で絡み酒するのやめてください」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ