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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十九章 私の兄がこんなにかっこいいわけない。 ーわたあにー
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第635話 √d-14 わたあに。 『ナレ視点』『四月十九日』



四月十九日



 どもナレーターです。

 今日もどうでミユあたり……あれ? 今日は珍しい方をナレーションするみたいですね。



<朝五時半>



「ふぁあ……朝かぁ」


 彼女は目覚ましを目をこすりながら見て呟きます。

 

「よしがんばろ」


 彼女は気合を入れるように頬を軽くぺちぺちと叩いて――こうして彼女、下之ミナの一日は始まるのです。




 

 制服に早々着替えてエプロンを身に着けたミナが朝支度を始めていると――


「おはようミナさん」

「おはよ~ホニちゃん」


 パジャマ姿のホニさんがやってきました。

 ……地味にホニさんの寝間着を今見て知りましたが、フード付きの狼を模したキグルミみたいなものなんですね。

 可愛い……あざとい!


「今日は私当番だから遅起きでもいいのに」

「そんなわけにはいきません! 手伝いますよっ」

「ありがとね、助かるかな」


 下之家はいわゆる朝食・弁当当番が曜日ごとに決まっているようですね。

 月曜がミナで水曜がホニさんで金曜がユウジで、それ以外は学食か三人の誰かしらがメインで作るようで、今日は月曜なだけあってミナ担当のようです。

 といっても実際は当番がすべて作るのではなく、メニューや基本調理を行うのが当番というだけで他の当番以外も起きて来て手伝うのが下之家のようですね。


 ホニさんは寝間着の上にエプロンを付け……エプロン付けるとなお可愛いなこの子。 

 まず最初に弁当を詰めるようでおかずの調理をミナさんが、弁当箱などをホニさんが用意し始めます。


 するとミナが起きてからおおよそ二十分。

 

「あぁぁ……おはよ姉貴ホニさん」

「ユウくんおはよー」

「おはようユウジさん!」


 三人目の起床者ことユウジがやってきて、寝間着の上にこれまたエプロンを付けて調理に参加し始めました。

 といってもユウジはテーブルとちゃぶ台拭きや、皿を並べたりと補佐に回っているみたいです。



<朝七時半>



「じゃあ今日生徒会あるから先行くね! あとはよろしくねユウくんホニさん! クランナさん、行きましょうか」

「は、はい!」


 どうやら生徒会で生徒会組の二人は早く出るらしく、朝も七時半には家を出るようでした。

 ……ちなみにユイは今さっき起きたばかりのようです。


「おう、任された」

「いってらっしゃい!」


 ユウジとホニさんに見送られてミナとクランナは学校を目指します。



<朝八時前>



 ミナは今校門前に立っています。

 

「おはよー副会長」

「おはようございまーす」


 生徒会役員は他の生徒よりも早くに登校する日もあり、ホームルームで配るプリントの準備をしたり定期的に行われる校門前での服装チェックをしたりするようですね。

 大変ですねえ、生徒会役員なんてなるもんじゃないですね、私は適度に評価されて内申にプラスされる委員長程度で十分です。



<朝八時半前>



「なんとか間に合ったー」 

「お疲れミナミナ~」


 少し息を上げて教室に入ってきたミナを出迎えたのは少しチャラチャラとした印象のある同じクラスメイトの女の子のようでした。

 ミナの目の前の席に座っているのは……情報によると佐渡宮子というらしいですね、制服を着崩したり化粧が濃い印象ですが実は成績は良い方のようです。。


「生徒会役員も大変だねえ、今日は何時から居たの?」

「うーん七時四十分ぐらい?」

「うっわあ、私無理だわー」

「月一回だけだからいいんだけどね……冬はちょっと寒いけど」

「冬の朝に校門前に立ってろとか無理無理! もし私がやるとしてもコート重ね着してジャージズボン装備だね!」

「それ服装チェック引っかかるよ~」


 作中でも珍しい女子高生同士の普通の会話!

 ミナが生徒会メンバーと下之家の住民と話しているとこじたい初めて見た<規制>



<昼十三時前>



「この生徒会にはパワー要員が足りなくない!?」


 バァンと口元にパンのカスを付けたまま叫ぶのはマスコット会長こと葉桜アスカでした。

 そうここは生徒会室、そしてその場には生徒会メンバーが勢揃いしています。

 生徒会活動日は昼には生徒会メンバーがあつまって昼食をするようですね。


「あたし結構力あります!」

「コナツはキャラ掘り下げする暇なかったし今言われもなあ」

「掘り下げ……ですか?」


 腕をまくって力こぶを見せた福島コナツですが会長の返しに首をかしげます。

 ……きっといつか報われるはずです、色んな意味で。


「大体私が言いたいのは、てきとーにコキ使えるパワー要員なのよ!」

「コキ使ってください! 今から校舎敷地内の雑草抜きも余裕!」


 ああ、今になってキャラアピールを……。


「いやそうじゃなくてね」

「ようはアスちゃん、どうにか男手を入れたいということね」 

「そう、そういうこと!」

「そこらへんの男よりも腕力に自信あります! 壁殴り代行もお任せを!」

「とりあえずコナツは静かにプロテイン入り飲料飲んでて」

「……はい」


 シュンとしてプロテイン飲料を飲み始めるコナツ……あなたそんな筋肉キャラでしたっけ。


「何か候補はあるんですか?」


 黙って聞いていたミナが口を開き会長にそう聞きました。


「ふふふ! ミナには朗報かもよ」

「私に、ですか?」

「そう、それはね――!」


 まぁ私が結論言っちゃうと、この時会長はユウジの名前出したんでしょうね。



<十四時>



 五時間目が終わって六時間目までの休み時間。

 ミナは目の前の席のギャルっ気のある佐渡宮子と話していました。

 

「弟くんを生徒会に入れるか入れないかで迷ってるって?」

「うん」

「いいじゃん入れちゃえば」


 サッパリした答えが返ってきました。


「でも……」

「弟くんには高校生活を普通に楽しんでほしいとか?」

「……うん」

「でも姉的には姉弟で生徒会とか素敵! 抱いて! って感じ?」

「ゆ、ゆゆゆゆゆユウくんに抱きしめられるとか……嬉しくて死んじゃうよ!?」

「あはは、ブラコンだなあ」

「姉としては当然の感情です!」


 ミナはユウジ絡みだと楽しそうでなによりです。


「ミナミナ最近弟くんが家事手伝ってくれて嬉しい言ってたもんねー」

「ユウくんが手伝う言ってくれた日の夜は嬉しくて悶えちゃったなぁ……」

「ってことは答え決まってるじゃん。弟くんが生徒会手伝ってくれたら嬉しいんじゃん」

「そっか……そうかも」


 ミナはそうして気持ちを決めたようですね。


「そんなミナミナが好き好きオーラ出してる弟くん、いつか紹介してよね」

「あ、あげないよ?」

「取らないよー、私的には年上の今付き合ってるトキヤの方がいいしね」

 

 作中登場人物ではじめての彼氏持ちキャラ! 

 そうして休み時間は終わりを迎えました。


 

<十八時>


 

 生徒会が終わって帰ってミナはホニさんとユウジがしている夕食支度に途中参加します。

 自室に鞄を置いて制服から部屋着に着替えてエプロンを付けてすぐさまミナはキッチンに向かいました。


「ただいまー」

「おかえりなさいミナさん」

「お疲れ姉貴」


 そうして三人総力戦での夕食作りが続くのです――



<十九時過ぎ> 

 

 

 下之家の食卓は賑やかです。

 ミナ・ユウジ・ホニさん以外にも桐・ユイ・アイシア・オルリスがいることもあって洋テーブルとちゃぶ台フル稼働になります。


 今食卓にいる七人に加えて、もう一食分作った夕食をミナはおぼんに乗せて階段を上っていきます。


「……ミユ、今日はホニさんの作った和風ハンバーグが美味しそうよ。冷めないうちに食べてね?」

「……ありがと」


 ……意外でした、ミユはミナの声かけには答えるんですね。

 そのお礼の言葉に少し微笑んだのち。


「じゃあね」


 そうして扉前にラップをかけた夕食を置くとミナは少し寂しそうにミユの部屋に背を向けます。



<二十四時>



 家事を一通り終えて課題を終わらせたのちにホニさんとお風呂を入ったミナ(残念ですが描写はありません)は布団に入りながら明日の授業の予習をするのです。

 ……なんというか、ずっとミナの一日見てきましたけど趣味の時間みたいのが無いんですね。

 大体が家族のことや勉強や生徒会のことで……良くも悪くも優等生過ぎる気がします。

 これは神楽坂美奈シナリオのように爆発してもおかしくないですね、ちょっと危ういです。


「そろそろ寝ようかな」


 そうしてミナは近くに置いてあったアルバムから一枚写真を撮り出すと――


「今日は三歳のころのユウくんで…………寝よう……かな……」


 …………あー、納得しました。

 趣味が弟のユウジなんですね、分かりましたとも。

 彼がミナの癒しとなっている、というのは冗談ではないのかもしれませんね。

 

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