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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十五章 テガミコネクト
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第501話 √4-16 テガミコネクト

少し少な目?


 雨が降る。

 ざあざあと振り続ける、こうあっては窓の外の景色なんてまともに見れやしない。


 ガタンゴトンと揺れる電車の席に腰をかけて、本来ならば雄大な景色を見れるはずの車窓を眺める。

 ガラス越しに映る私は仏頂面でまったく可愛さのかけらもない。

 でも仕方がないことだと思う。


 久しぶりに乗り慣れた電車に乗って実家に帰ろうと、快晴の中で旅支度。

 駅に降り立ち電車に乗り、いざ旅気分の実感が沸いてきたところでざあざあと大雨が降り始めたのだ。

 晴れやかな気分で出たというのに、雨の景色と激しい雨音ではゲンナリしてしまうのも仕方ない。


 私ははぁと溜息をついた。

 乗り始めてからいくらか経っている、一時間近く経っているだろうか?

 対面に二人シートが並んだボックスシートには一人だけ、なんとなく立ち上がって車内を見渡した時は、私含めて二人しかいなかった。 


 雨に邪魔をされ続ける景色を少しだけ席を移動してもう片側の席から窓越しに下を見るとみると、既に路線は単線、まさに田舎・ローカル線へと入っていた。

 それは人も少ない訳だと、自分で納得をする。

 古い電車なのかガタンゴトンと、少し機械の音が耳障りなものの、雨も負けないくらいなので今は問題ない、というかどうでもいい。

 

 こんなことなら本を持って来ればよかった、天気予報は晴れ晴れ晴れだったのだ。

 実家付近の天気予報もまた晴れであり、どこも降水確率は三十パーセント以下だった。


 私ははぁと溜息をつく。

 なにもすることがない、なにも退屈をしのぐようなものがない。

 実家の最寄駅までの途方もない時間を考えると、退屈さが輪をかけて酷くなる。



「そうだ、何か話を書こう」



 持っていた手帳を開き、ノートのような罫線の入ったメモ帳のページを開けた。

 この鬱々とした、退屈感を書き殴ったかのようなお話を書こう。


 それがキッカケで私は話を、詩を書きはじめたのだ。










 ※この話はフィクションです。





「フィクションなのかよ!」





 朝一番にポストを見て入っていた手紙を嬉々として開けて、いざ軒先で読み始める。

 朝も五時半の、周りが既に明るくなっていたとはいえの、それなりの声量でのツッコミをしてしまったばっかりに。

 道を歩いていた犬の散歩をしていたおばあさんが一瞥してきた。

 すいません、と軽く謝るとおばあさんはスタスタと去っていった。

 

 

 ということで、すーっと息を吸って。




 フィクションなのかよっっっ!?




 と、今度は脳内でツッコミ。近所迷惑ダメ絶対。 


 フィクションです、とかもうこれはツッコミを入れないとやってらねえ!

 と思い、勢いで声をあげてしまった。

 いやいや、ここまで叙景的なお話? を展開してくれたのにフィクションですはねーですよ本当に!


 いやもしかすると、半分フィクションみたいなものだからフィクションと書いたのかもしれない。


「っと、続きがあったな」


 なになに……?





『いえ、本当にまぎれもなくフィクションです』





「いやいや!?」


 声を上げてしまい、目の前を走っていた青年が顔を向ける。

 俺は謝罪、青年走り込み開始。


 はぁ、と俺の方が溜息つきたくなるわ!

 ……ぶっちゃけ手紙を投げ捨てたい衝動に駆られるが抑えて、また読み始める。





『ということでこれまでのお話はテレビと雑誌などを見て考えた一〇〇パーセントフィクションの、作り話でした』

『というか実家は普通に都会ですから、今住んでいるところが田舎な部類ですから、不便です』




 

 我が故郷に普通喧嘩売ってきたあああ!?


 小説を読んでいて、あれもしかして今回も作風変わったのかな?

 なーんて思った自分がアホでしたよ!

 前回の文章で作風固定されたんですね! それはおめでとうございますよっ!


『……と、冗談はここまでにしておいて』


 あっ、コイツこれで水に流す気だな!

 そうはイカ――





『お便りありがとうございます……ではなく、返信ありがとうございました』

『正直無茶振りしてしまいました。面白い話を期待してます、だなんて』

『でも、あなたは期待に応えてくれました! 感謝します! 面白かったです』



『なので、返信を楽しみにしています』




 

 そ、そうだ。

 これは飴と鞭だな。

 こんな簡単な餌に釣られるわけには――



「前回よりも面白い話書いてやろうじゃねーか」



 待ってろ! 中原アオ!

 とびきり面白いのお見舞いしてやるぜ!


 次は、そうだな……よし!


「夢に見たアレにしよう」


 そうして、手紙を持ちながら家へと戻った。

 さぁ、今日中に書いて出すぞ!

 




 ちなみに本来の目的だった新聞を持ってくる作業というのは。

 普通に忘れてたため、姉貴に軽く叱られたのだった。



「ラブレターが原因で、忘れちゃうようなら許しません!」



 ちなみに単純に新聞を忘れた理由が、他の届いたチラシに気を取られていたとかならば許したそうである。

 ラブレターに関しては少し厳しいようだ、俺が悪いけれどもトホホ。

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