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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第八章 ※独占禁止法は適応されませんでした。
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第133話R √1-12 ※独占禁止法は適応されませんでした。

R版差し替え済み

 どうもナレーションです、こう見えて無印よりも出番が無くなっているのは喜ぶべきか憂うべきか迷うところですね。

 え? 無印とはなんですかって……? 


 …………。


 まぁ、ともかく!

 私が駆り出されたということは、ユウジやユキパートではないということですね。






「ただいま帰りました」

「あらおかえりなさいマイ」


 老齢のはずですが、年齢よりも若く見える女性こと姫城マイのおばあちゃんに彼女へ姫城マイは頭を下げました。


「お友達との海は楽しかった?」

「はい!」

「あらあら」


 なんだかくしゃっとした笑顔が可愛らしいおばあちゃんですね。

 そしてどうやらマイは身内相手にはユウジのことをさん付けで呼んでいるみたいですね、線引きが出来ているのでしょうか。


「それで今日はユウジさ――ユウジさんと一緒にかき氷を食べたんです!!」

「あらそう、よかったわねぇ」


 そうしてマイは今日の海に行ったことを話しているようです、どうやらマイと彼女はこんな話をよくする間柄のようですね。

 

「――ところで、そのマイの意中相手のユウジさんとはどうなっているの?」

「お、おばあちゃん!?」

「あなたが話すと一度は話題に出る彼のことですから、きっともう結婚の約束ぐらいしているのでしょう」

「ま、まだです!」

「そう、まだねぇ……孫を期待していいのかしら」

「お、おばあちゃん!」


 冗談も言えるらしい、楽しくなんとなく可愛らしいおばあちゃんとマイの空気は終始和やかでした。

 しかしこの家にはマイとその祖母の二人の姿しかなく、それが彼女らにとって普通なことだったのです――



* *



八月一日



「ユキこっちこっち~」

「はーやーく」

「待って待ってー」


 私ことユキは夏休み真っ只中、夏音ナツネ春海ハルミという女子の友人二人とカフェに来ていた。

 この商店街には数店の喫茶店があって、スーパーに近い方が少し古びた印象の喫茶店で、こちらは都会のチェーン店がこの町に出店してきただけあってオシャレな喫茶店というよりカフェだった。

 ……ユウジ達と話してることも多いけど、こうして休日はユウジと関係のない女友達とショッピングすることもある。


「私カプチーノ!」

「私チリド……じゃなくて、アイスコーヒーで」


 危ない危ない、チリドッグなんてメニューに書いてあるからつい注文しそうに。

 いやでもまさかカフェでチリドッグとは盲点だったかも、また今度一人で来よう。


「私、チョコチップストロベリークリームフラペチーノのエキストラホイップチョコチップ増しチョコソースがけ蓋無しで~!」

「ごめんなさい、それ来月からなんですよ」

「がーんだな……出鼻をくじかれた~」


 それ来月からやるんだ……そして春海のそれはなんなの?

 ともあれお金を払い飲み物の入ったカップを手渡されると、四人席をとりあえずは陣取った。

 休日でそれなりに人もいるだけに、すぐ席を確保出来たのはなんだかラッキーだった。


「じゃあトーキングタイムと参りましょうか!」

「参りましょ~」「おー」


 夏音が音戸を取るようにして、会話が始まる。口火を切るのは大体夏音だったりする。

 ハキハキ喋るのが夏音で、少し間延びした喋り方なのが春海かな?


「ねーねーユキ、あの――のコーデ見た?」

「見た見た、可愛いよね」

「フリルがいーよね~」


 ユウジ達とは話す感じが大分違う。

 うーん、なんて言うんだろうなー……とにかくこっちはガールズトークになっちゃうのかなー、これはこれでいいんだけどね。


「そういえば春海は彼とはどうなってんの?」

「タケル君? う~ん……現状維持~?」


 どこかほんわかとした雰囲気を放つ春海には彼氏がいるらしい。

 一度写真で見せて貰ったのだけど、それがまた二人とも何故か縁側に腰掛けて湯呑を持っている和やかないい絵で、どう表現したらいいんだろう……あ、老夫婦のような安定感みたいな。

 それ言ったら怒られそうだから言わないけども、とにかく優しそうな人に見えたかな。


「夏音はー、今はフリー?」

「うんそだねー……どーも長続きしないんだよねー」


 言いたいことをきっぱりと言う夏音は、そうやれやれといった動作で言い放った。


「なんというかさ、刺激がね」


 刺激→辛い→スパイス――スパイシーな彼を求めていると! 

 ああ! またなんかそっちの方に想像がシフトを!?


「ユキはどう? 下之とは付き合ってんの」

「ぶっ」


 ストローで吸っていたアイスコーヒーをむせそうになった。


「え、なんで!? ユウジの名前が今出るの!?」

「「えー……」」


 性格が正反対とも言えそうな二人がハモって疑問の声をあげる……え、私何かおかしいこと言った?


「それは~」

「あんだけのろけ話みたいに下之のこと話されちゃね」

「の、のろけ!? え、そんなことないよ!」

「でも話す時に一回は下之君の話題があるよねー」

「そ、そうだった?」

「そうそう、耳にタコが出来るぐらいにはねっ」


 そんな意識してないのにユウジの話題出してたんだ……ああぁ、なんかそう考えるとすっごい恥ずかしい!?


「で、お二人さん付き合ってるんかい?」

「ラブラブ~?」

「付き合ってない、付き合ってなんかないから!」

「「えー」」


 またしても!


「あ~……じゃあユキ、ピンチかも~」

「えっと抽象的過ぎて分かんないよ!?」

「いや春海が言いたいのはさ、ずっと幼馴染やってるのに進展なしってことでしょ?」

「そ、そうだけど」

「……永遠の幼馴染的な~」

「はうあっ!?」


 春海はこうして時折爆弾発言を残していくのだった……うう、直撃しましたよ。

 永遠の幼馴染って……そりゃユウジとそんなこと考えて――ないわけじゃないけど!

 でも、でもね――


「というか、ユキは下之が好きなんだよね」

「っ!」


 言いたいことをばしっと言うので夏音の言葉はそりゃあもう響いてくる。

 ユウジが好き……私はユウジのことが――


「……わかんない」

「え?」

「わかんないの!」

「「えー」」


 もういいって!


「学校でも髄一の美人になり得たユキさんの要素の一つに、とにかく純粋なのもあるんだろうね」

「マイの方が美人だし!」

「「マイ?」」


 あ、そういえばマイのこと呼び捨てにするの話すの初めてかも。


「もしかして姫城さんのコト? まぁ確かに美人だけど、ユキの口から出るとは」

「意外~、バチバチかと思ってた~」


 そ、そう見えるんだ……まぁ確かに悪い子じゃないけど、悪い子じゃないけど! 時々――ムカっとくるときはあるけど!


「てか、恋敵と仲良くなってるとかいよいよヤバくね?」

「ライバルと仲良しは負けフラグ~」


 負けフラグ……? 旗でも立つの……?。


「というか恋敵じゃないから! 私は少なくともユウジのことそう思ってないし!」

「じゃあ下之のこと嫌いなの?」

「そんなことない! 嫌いなわけがないけど……ううん、好きだよ。でもこれが――」


 ライクなのか、ラブなのか。

 ユウジの隣にいると楽しいし、ユウジが笑っていると私も嬉しい。

 ユウジが他の女の子と仲良くしてるとモヤモヤするし、最近一緒に帰れないのが寂しいし――


「なんか前の海行ってた時もさりげなく二人の時間があったみたいだし、勉強会ではなんかいい雰囲気だったし……」

「ユ、ユキ」

「ユキー」 


 マイはユウジのことどう思ってるんだろう……って分かってることだよね、 

 マイがユウジが好きなことはもう分かってる、あれだけスキンシップしたり……オーラでも分かる。

 

 そんなマイはすっごい美人だし、ユウジももしかして――


「はぁ……」 

「ユキ、やばいやばい!」

「ストップ~、視線を下ろして~」

「え」


 気付くとパスタも取り扱うカフェなだけに置かれていテーブル備え付けのタバスコを手に持ち、アイスコーヒーに注いでいた。

 タバスコを振る癖がついていたこともあり、いつも通りのノリでやった結果黒々としたアイスコーヒー表面には数ミリの赤い液体がたまっている。


「だ、大丈夫だよ。ほら飲める」

「飲んじゃうの!?」

「筋がね入り~」


 あー、もう! ユウジのことになると最近モヤモヤするなあ!

 ちなみに流石にタバスコ入りコーヒーは美味しくなかった。

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