表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十五章 テガミコネクト
367/648

第489話 √4-4 テガミコネクト

# イフノウリミックス? #

http://ncode.syosetu.com/n7883bn/


クソゲヱのもし「ユウジがギャルゲーを最初に起動しなかったら」という世界。

ユキもマイも桐もホニさんもいません、だけどもそんなもしものお話。

「誰かとお話……ねえ」



 手紙を読み終えたところで、裏返して見るとそこには――


『〇×県△◇市藍浜町XX丁目YY番地 藍浜病院』


 いわゆる宛先が書かれていた。手紙の文面の通り話し相手が欲しいからに、返信を待っているかのような。

 しかし、いくらこの手紙がイタズラでないと思ってはいても実際はどうか。

 この時代にダイレクトメール、国際郵便でもあるまいし、携帯メールにパソコンメールが浸透してるのに?

 確かにそういうデジタル的なものを一切持たない人もいることだろう、だとしても疑惑が払拭出来ないのだ。

 

 宛先への嫌がらせを目的とする、何かだったとしたら。


 いやいや、なんでそんな回りくどいことを。無言電話やら病院HPにウィルス感染やら、もっと簡単に嫌がらせの出来ることはいくらでもある。

 ……もちろん俺はしないよ? 何の利益があるってんだ、病院に恨みなんてあるわけないし、というかむしろかなりお世話になっていたからアリエナイ。

 更にはその手紙を欠席中の中原の席に設置して、文面からは時間経過とともに手紙が離れるようになっていたとも書かれていた。

 その細工は実は嘘で、近日中に仕掛けられたもの……もう分からんくなってきた、考えるのは苦手なんだ勘弁してくれ。


 と、まったくもって深みにハマる俺は。とあることを思いだす。


「そういやこの世界ゲームが混ざってるんだよな……」

 

 そこで、はっと気づく。

 まさにご都合主義で、そんな風にオチを付けるのかよ言わんばかりの結論。



 ゲームのイベントなら多少適当でも強引でもいいじゃん。



 ゲームのイベント、桐は先ほど思い返していたこと以外に『ヒロインを攻略しなければ世界は繰り返される』とも言っていたのを思い出す。

 つまりは中原アオは元を辿ると”ルリキャベ”のヒロインであると。ギャルゲーを少しやっていて、ラノベを少し読んでいても、今の展開とまったく瓜二つの話は見たことが無い。

 が、そういうことだろう。俺が手紙を拾い、開封して……いや遡れば入学式の日からフラグは立っていたのかもしれない。

 

 あの桐の暴露、ユキが事故死宣告、それからのこと……あれ以来桐と”そういう話”はしていない。  

 それが意図したものなのか、それとも俺が聞かないから話さないのか。


「確信を得に行くか」


 中原アオがヒロインであるのか、それともゲームとなんら関係ない偶然か。

 ……後者は天文学的確率になるとは思うがな。


 そうして俺は自室を出て桐の部屋の扉をノックした。


「桐、話せるか?」

「いいよー☆ お兄ちゃん!」


 なんで猫被ってんだろう。まあ、いい。


「入るぞ」

「なになに! わしに何か用事があるの!?」


 その口調で”わし”はなんか違和感がものすごいな。


「ストレートに聞くぞ――なあ、桐。この中原アオってもしかしてヒロインだったりするか?」

 

 手紙を取り出して、桐に見せる。

 その手紙を見た途端桐の表情が純粋無垢な被りを捨てた、あまり上品とは言えない笑みを浮かべる。


「ふふ、気づいたようじゃな」

「ってことはヒロインか」

「そういうことになるのう、そしてこやつは隠しヒロインじゃ」


 まさかの隠しか……まあ、この微妙にイレギュラーな展開からの接触から納得できなくもない。


「隠しってギャルゲーのセオリーだとヒロイン複数攻略後にルート解放されるもんじゃないのか?」

「うむ、間違い――」


 桐は間違い、と言いかけて止める。なぜか『しまった』という表情なのは謎だが。


「場合によるじゃろう、選択肢の組み合わせで解放されるルートもあるじゃろう」

「うーん、あったかもしれないな」

「ということでお主には彼女を攻略してもらうことになるのう」

「ま、そういうことに……ん?」


 彼女を攻略……って、まさかね。


「彼女には宛先の場所に会いに行ってもいいのか?」

「ダメじゃ」

「なぜ」

「そういうシナリオじゃから」


 そんなメタ中のメタなことを……


「というか彼女はコミュ障っぽいから会話は避けたいのじゃ」

「……うん、なんか悪いことした」

「そういう理由から手紙でのコミュニケーションとなる」

「まさか文通で相手の好感度を上げろとでも言うのか!?」

「いかにも」


 マジかよ……

 あとに聞いた話だが、原作のゲームの頃でもプレイヤーに手紙を実際に文字を打ち込んで書かせたそうで。

 話そのものは置いておいてもゲームシステムがクソ面倒すぎると大批判を浴びて、後々ゲーム公式HPに模範解答が乗り、後にその過程省略のパッチが公開された。

 という、てかパッチやろう! と公式逝ってみるも無残にもパッチ配信ページは『404』インターネットのばかやろう。



 ということで、文通という名の攻略が開始されたのだった。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ