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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十四章 神楽坂ミナの暴走!
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第461話 √b-45 神楽坂ミナの暴走!

まさかの 過☆去☆エ☆ピ☆! ……まぁなんだ、スマナイ。

 はーい、久しぶりのナレーションです。

 もう面倒くさいのでユウジの夢という体裁でユウジの回想です。

 

 時間軸はいわゆる二〇〇八年の三月からとなります。

 ここでの登場人物は「ユウジ」を中心に今は引きこもりの妹「ミユ」に謎の幼馴染Xこと「サクラ」に姉貴時代の「ミナ」の四人で――

 と見せかけてもう一人いたりしますが、それはまたの機会に。あ、私もいれたら六人ですね! ……って天の声はいらない? うるさい、スコールパインぶつけますよ。

 

 ということでなんと今回の回想は二本立て! お得な感じがしますよね! するよね? いや、しろ(命令)



* *



「だからシスコンじゃねーよ!」


 

 そう、かつての彼の口癖でした。

 その決まり文句も、それに応じた状況があったから故でして。


「いやー、ユウジは明らかに妹好きすぎるだろうよ」

「偏見だっての、大体これでも妹に対してはクールな方だろうよ?」

「クール……?」


 無名な男子生徒との会話の一ページ、ではここからはユウジ視点でお送りしましょう。





「すみません、今日は用事があるので……」

「ねーねーミユちゃん、一緒に遊びにいかない? 俺奢っちゃうよー」

「そーそー、俺たちと良いことしようぜ」

「いや……その……だから」

「細かいこと気にせず楽しんじゃおうぜー!」

「そそ、行こうぜ」


 一人の男がミユの腕を強引に取った瞬間、


「放してっ! いい加減にして! ……奢っちゃう? 細かいこと気にせず楽しんじゃう? それが誘い文句とかヒドすぎ! ああ、アンタ達頭悪そうだから仕方ないの?」


 望遠で俺はその光景を眺めていた。

 まあ所謂、我が可愛い妹にチャラチャラした男二人組が絡んでいるようで。

 一人は金髪に髪を染めて腰パンで教師にちょくちょく怒鳴られている光景を見る野郎だ。

 片方は明らかに地毛でない茶髪に耳にはチェスのピアス、制服ズボンをひざ下までめくる恰好、うわあ痛え。色んな意味でいてえ。


 で、そんなヤンキー共に外見上ではビビりながら毒舌を食らわすマイシスター。

 これは波乱の予感かなー、こういうヤツらって思いのほか煽り耐性ないし。


「……可愛い顔して酷いこと言ってくれちゃって」

「傷ついたんすけどー、謝ってくんね?」

「てかもう良い? 私、飲み物買いに行きたいんだけど?」


 あー、泥沼だわ。ヤンキーに青筋浮かんでるわ、双方右拳プルプル言ってるわ。

 さてと、助け舟と行きますか。


「ああ_!? なめてっと痛い目みるぞウラァ」


 そうしてミユの肩へと向かって振りかざされた拳に滑り込むようにダッシュの後滑り込みセーフ。

 ガツンとなかなかのパンチが左ほほにお見舞いされた。


「……ってぇ」

「ぁんだよテメエ! 何殴られてくれちゃってんの?」

「何殴ってくれちゃってんの? 痛いんですが」


 結構痛いねコレ。損な役回りだと思うよ、ホント。


「オメエが入ってきたんだろうが」

「ユウ兄……」


 妹はすぐさま俺の背中へと瞬間移動して、制服をギュッと握る。


「いやー、俺の愚妹が失礼しました。ちょっと最近調子づいて俺も困ってたんです、ここは大人な対応ということで許してくれませんか?」

「はァ? 何言ってんだ? そんなんで許されると思ってるのか? ァアッ?」

「それではどうすればお二方の怒りは収まりますか?」

「生意気なこぉんのアマをシメたら収まるだろうよォ!」

「ああ、それはごめんなさい。これでも大事な妹なんですよ――代わりに俺とかどうです? 殴り心地いいですよ? ほらほらガツンと一発、ストレス解消に! というか殴って! お願い殴ってください!」

「……うわぁ、キモ。キモキモキモキモキモォッ! こんなヤツ殴ったら俺にもキモさうつりそうなんすけどー」

「時間も無駄だわ、こんなキメエヤツら放っておいてタッくん帰ろうぜ」


 引かせてみた。ミユには悪いが気持ちの悪い兄妹だと思ってくれればいい、あっちから近づいてきさえ来なくなるだろうからな。

 そうして二人は腐った何かを口にしたかのように唾を吐き捨てながら、去っていったとさ。

 すぐに心配げに顔を覗き込むミユ、


「ごめん……なさい」


 ミユはまだ怯えた様子で謝ってくる、なんというか男二人に詰め寄られるとか怖いよなあ。俺も介入した時怖かったし。


「大丈夫、ユウ兄……?」

「あんまり他の人に毒づくなよ、兄の苦労も考えてくれ」


 と、あくまでも兄としての行動をしてみた。シスコンとかとは違うよな、うん。

 皮肉っぽく言ったことでミユはムッとしたのか。


「べ、別に頼んでないし」


 プイっとそっぽを向いてツンと言い放った。


「可愛くない妹だなあ」


 ニヤケ顔で返しながら、俺の妹はあんまり可愛いくないなあと思ったのだった。


「……一応保健室で見て貰おう、ね? ユウ兄」

「ああ、そうだな」


 だが優しい妹ではあるのだった。


  



 ……というエピソードでしたとさ。

 いやあ、なんというかこれだけで十分シス――



* *



 はい、二つ目です。

 ちなみに最初にミナと言ったが、今回も出ないです!

 だって出し時ここじゃないですし! もっと別のタイミング考えてますしおすし。

 ということで幼馴染なお話。 

 




 放課後のことだ。


「飲料巡りの時期がやってきたわ」

「はぁ、時期ねえ。週一で巡ってる気がするんだが」 

「私の提案にケチを付けると言うの? いいでしょう、これからあなたと私は敵対関係と化したわ」

「毎週金曜日なんだから、ゴールデンタイムとでも言っておけばいいのに」

「私の崇高な趣味はゴールデンタイムで流すようなものではないわ! 子供も寝静まった深夜に流すべきね」

「はいはい、も前座はいいから。ミユはどーする?」


 不意打ち気味に帰り支度をしていたミユに投げかけると、微妙に焦り口調に返答。


「え、いや私は遠慮しとく! というかもう誘わなくていいからっ! どうぞお二人でっ」


 ちなみにミユは数か月前にこの飲料巡り協会(仮称)からは脱退している。

 その時に飲んだ”エスプレッソコーラ”というものがトラウマになってしまったらしい。


「仕方ないわ、強制をする義務はないものね」

「俺の立場はいずこへ?」

「ユウジオンリーで義務が発生するわ」


 ニヤリ笑って彼女はそう理不尽を発動させるのだった、なんだかなあ。


「ということで先に帰っててくれ、姉貴も今日は遅いだろうから寂しさで死なないようにな」

「ウサギなんかと一緒にしないでよ! せいぜいゲテモノドリンクに巡り合うがいいよっ」


 べーっとしてミユは駆けて行った。

 そう、この飲料めぐりは主に――





「ハッ、メロンクリームソーダなんてそんなありきたりなものを選ぶつもり? 延々と”鬱”という文字を書かされる位につまらない男ね」

「それはつまらない通り越して苦痛なんだが」


 小学校の頃に延々と練習させられた漢字ドリルのトラウマががががががががが。


「私はこれを選ぶわ! ”エナジーハイオク”」

「じゃあ俺は……”梨ウォーター”」 


 主にゲテモノを探して飲むイベントである。

 町内に点在する”一〇〇円飲料自販機”に並ぶゲテモノ臭溢れる飲料から、なぜに入荷したのかいよいよ分からないコンビニ紙パック飲料まで。

 週一で徘徊し、チャレンジするというもの。


「んんっ、これは栄養ドリンク系だけれどガラナも含んでいるようね。七五点」

「梨の香りの砂糖水だな、普通に美味しい。一〇〇点」

「軽々しく満点を出すなんて底が知れるわよ」

「いいから飲んでみ」

「……ん、満点ほどではないけれど普通に美味しいわね。ゲテモノ感が薄いので五〇点よ」

「次行くか」

「勝手に進まないで頂戴、いつあなたが指導権を――」





 とりあえず一〇〇円コイン握りしめて購入購入、そして購入。色々買い集めて公園に到着。

 休憩スペースの木製テーブルに盛大に物品を広げた。して、俺はすぐさま一つの飲み物を手に取り開栓。


「あー、これがやっぱりいいな」


 俺は迷彩柄に隙間から覗く黄色い毒々しい黄色を放つ「ジャングルメン」を飲んで呟いた。


「変わり映えしないけれど、チョイスはユウジにしては悪くないものね。八三点」


 と、言いつつ良くわからない壁画アートのようなキャラクターが描かれた「ライフガート」を飲みつつ答える。


「スウィートキッスはマウンテンデウーと似たような味わいね、後者の方がさっぱりした印象かしら」


 彼女、幼馴染である上野サクラはゲテモノマニア。

 飲み物を中心にカップ麺にスナックに至るまでジャンキーでマニアックでイレギュラーなものを非常に好む。


「……うっわ、チョコ飲んでる気分そのまんまだコレ」


 細長の紙パックに板チョコの柄が印刷されたチョコレートドリンクなるものを飲んでみた結論は、そのまんまチョコ。

 あめえ、とにかくあめえ。甘すぎて舌がヤバイ、ジャングルメンで口直し。


「私の練乳オレはこの”いっそコーヒー入れろよ”というような甘いのにひたすら牛乳の風味が押し寄せてくる曖昧な口当たりが気に入ったわ。七九点」

「ええとチュリオのスイカソーダ……うっわ、スイカでしかねえ! そしてどんな食べ物とも合う気がしねえ!」


 ……というように二人ゲテモノドリンクに挑むのが日常の一コマだった。


「ふふ、さすがユウジ。私でさえはばかるスイカソーダに手を出すなんて腕をあげたわね」


 あからさまに避けてたもんなあ、そう言いつつふふっと笑う彼女はなかなか絵になるのであった。

 まあ幼馴染の奇天烈な道楽に付き合うというのも、色々な面で悪くないかもしれないと思う俺で――



「うげえ、エナジードリンクまずう! 炭酸入ってないだけでこのクソマズさ、おろろろろろろろ」



 胃の安泰を取るか、幼馴染の機嫌を取るかだったら悩んだ末に後者を取る俺なのだった。

 たまにキツイな……うん。



 


 といったようなドリンクエピソードでしたとさ。

 そろそろ体裁上は夢ですからね、醒めるそうですよ―― 

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