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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十四章 神楽坂ミナの暴走!
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第438話 √b-23 神楽坂ミナの暴走!



「ユウジ、昼飯食べようぜイエイイェイ!」

「ユウジ様お昼にしましょう」

「お、おう」


 そうして自然と俺とユイに姫城、ユキにミナとマサヒロが集まるのだが。

 俺に声をかけた二人以外は無言で机を動かして定位置ついた。



「「………………」」



 きまずっ! 空気重っ!

 と、とりあえず……うん。


「い、いただきます」

「「……いただきます」」


 俺が食べることにすると、みんなも弁当を広げ始めた。

 そうして箸を弁当へと伸ばす、今日はなんとかユイと俺の弁当が被らないようにした。

 ホニ謹製が俺とクランナの弁当で、俺がつくったのがユイとアイシアの弁当だ。ホニさんに負担ばかりかけて本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 するとユキが箸を止め、置いてから。

 

「……ねえ、ユイ」

「ん? なにぞ?」


 ユキはユイに切り出した。


「あの……役員紹介で言ってた、再婚って……本当なの?」

「うむ。義妹というのも間違っていないぞ」

「そうなんだ……」


 と、会話終了。沈黙が支配――するかと思いきや。


「続けてごめんなさい。ユイさん、それではユウジ様と同居しているのは本当ですか? 噂でお聞きしたので」

「本当だぞ、ユウジと一緒に住んでおる!」

「「っ!」」


 ユキにミナ、姫城も驚愕していた。

 もう正直さ、義妹発言で詰んでたし。弁護しようがないので、こういう質問が再度来るのを俺は諦めていた。

 しかし一同の衝撃はなかなかのようで全員の箸が止まりユイに視線が集まった。


「でもユウジ様とユイさんのお弁当は違うように見えるのですが、ユイさんがつくったのですか?」

「うんにゃ、アタシはあんまり料理できないからぬ。これはユウジ作で、ユウジが食べてるのがホニさんのだよな?」

「ああ、俺がユイとアイシアの弁当つくって。同居してるホニさんが俺とクランナの弁当作ってくれてる」

「「!」」


 暴露大会だ。もういいよ、実際こういう偽装工作ももう意味成さないし。


「ユイはどうして告白なんて……したの?」

「好きだからだぞ? でも一応言っておくとアタシとユウジは付き合ってないからな」

「「えっ」」

「こう一方的でもユウジは困るだろぅ? 選択権はあった方がいいと思うからぬ、気が向いたら付き合ってねと」

「そ、そんなんでいいの?」

「アタシは楽しければいいからぬ、現状楽しいからそれ以上の変化は望まぬ――まあ、ここで一応の宣戦布告させてもらっただけ」

「「…………」」


 この宣戦布告で女子勢が一斉に静まり返った。


「じ、じゃあマイさんの告白は!」

「私もユイさんと同じです。最近のユウジ様は引く手数多ですから、再度告白をさせていただきました」

「「再度!?」」


 これにはユキにユイにミナも反応した。


「以前にユウジ様には告白をしていますから。しかし時期尚早でしたので、私からお断りしました。私自身の魅力をユウジ様に釣り合うようになってから、本当に交際を申し込むつもりです」

「「…………」」


 ユイと姫城の衝撃発言に動揺もひとしきり。俺は双方共に知ってるけども、やはり居心地がいいわけではない。


「ありがとマイさん。でもじゃあユウジ! ク、クランナさんとはどうなってるの!」


 くるよなあ。 


「あー、断られたぞ?」

「「断られた!?」」


 ユキにユイにミナに姫城が全員声をあげる。


「緊張でテンパって変な発言してしまったんだとさ」

「緊張!? いや緊張であそこまでのこと言えるものなのかな……」

「国の風習的なものなんじゃないか? 実際にさっき呼び出された時にはフラれたぞ?」

「……そ、そうなんだ」


 そしてこれこそ完全に沈黙。うわあ、空気が重すぎて死にそう。


「は、はは……なんだろうなモテ期ってレベルじゃないよホントに!」

 

 無理にテンションをあげて言ってみたが、誰も反応はせず。スルーだった。

 つらい、つらいっすよ。 



「……ユウくん、幼馴染の私にこんなにも隠してたんだね」



 ボソっと呟くようにいったミナの言葉が胸をグサりと貫いた。

 ここは弁解してもいいことはないな、素直に謝ろう。


「相談とかせずごめんなさい」

「……で、じゃあ今ユウくんは誰と付き合ってるの?」

「「!」」


 そういう結論になるだろうな。実際今のところこの三人とは付き合っていない、しかし俺が脚色しているだけで「俺が振った」可能性もなくもない。

 そう考えれば、俺に相手がいて。そういう風に言ってくれるように三人に対して打ち合わせした――とは絶対に言えないことはないのだ。



「付き合ってないぞ? 結局は彼女いない歴イコール歳を更新中だ」



 事実に違いなかった。一回は自分で彼女つくろうとして下手こいて、未だにトラウマ持ちだけども。

 だから三人に実質的振られる行為が決して心に響いていないかといえば嘘になる。しかしだからといって度々ショックを受けてればしょうもないから抑え込んではいるのだ。


「……へ、へー。でも私にいくつも隠してたから、本当かどうか怪しいなー」

「いないって。いたらどんなにいいかと思うよ」

「「ガタッ」」


 女子勢一斉立ち上がり、しかしすぐに着席。

 しかしミナはこれでも納得の様子を見せない。するとこんな提案をしてきた。


「目を見て言ってみて」

「……こ、こうか?」


 ミナの顔の瞳をすっと見つめる。やっぱりミナは紛うことなき美女だ、それも校内でももしかしたら町内でも選りすぐりの美女。

 彼女がもとは姉貴で、今は幼馴染なのだ。


 そして、彼女と俺は付き合わないといけない。


「……近いって」

「これぐらいガマンして」


 その透き通る茶色の瞳に吸い込まれそうな錯覚を受ける、時が経つ速度がゆっくりになったように感じる。

 ……他の女子勢の視線が痛い、ユキのジト目とかなかなかに殺傷力高いんですが。姫城の無表情も怖いしユイも唇引きつってるし。


「……よしっ、合格!」

「はぁ」

「でもこれから誰かと付き合う時には、報告してよね!」


 またもや理不尽なことを。


「なんでミナに逐一報告しなければならないんだ?」 

「それは……ユウくんと私が幼馴染だからだよ!」

「じゃあ私にも報告してよね、ユウジ!」

「はいはい、わかりましたよ」


 なんとか空気は軟化したらしい。

 やっとこさいつものメンバーに戻り、昼食を再開。雑談し始めたり、ユイがアニメ雑誌を取り出してマサヒロと見始めたり。

 一時の解決を……見たのか?   



* *



 一方の自宅の某部屋にて。


「ユウ兄モテ過ぎ!」


 ミユが役員紹介から昼食までの出来事を見て憤った。


『この世界では顕著ですね、このままでいいんですかミユ!』

「いやよくはないけど……でも、ユミジの言う通りならミナお姉ちゃんが戻る為には――」

『ユウジとミナが付き合えば、次の世界では元通り。のはずですね』

「……お姉ちゃんだけ抜け駆けとか」

『何か言いましたか?』

「なんでもなぁいっ!」


 なんだ、ただのブラコンじゃないですか。

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